25dp-23


 




岩城 颯空(中央大4年) 投手 180/88 左/左 (富山商出身)





 「リリーフ候補」





 リーグ戦終盤や平塚合宿での投球を見ると、リリーフとしてならプロでも即通用するのではないかと思わせる 岩城 颯空。彼の能力はどの程度のものなのか? リーグ戦全体の成績を踏まえて検証してみたい。


投球内容

 
この春のリーグ戦成績は、7試合、1勝0敗、防御率1.10。すべてリリーフでの登板だった。

ストレート:常時145km/h前後~最速150km/h
(☆☆☆★ 3.5)

 適度な勢いと球威を感じさせる直球で、平塚合宿ではマイガンで91マイル(146km/h)を記録。
左打者に対してややアバウトな制球が見られるが、右打者には外角を中心に正確に投げ分けていた。

変化球:スライダー、カーブ、ツーシーム(
☆☆☆ 3.0

 横に滑るスライダーと、低めで沈む変化球で三振を奪う場面が目立つ。緩いカーブでカウントを整えたり、右打者には130km/h後半の小さく外に逃げるツーシーム系の球を使用。低めで沈む球がチェンジアップ、フォーク、あるいはスライダーなのか、球種の判別は難しいが、この球で三振を奪えていた。

その他

 クイックモーションは1.1秒前後と平均的で、走者への目配せや鋭い牽制は見られなかった。左投手ながら盗塁を許しやすい懸念がある。ボールを長く持って相手を焦らすなど、細かい駆け引きもあまり見られなかった。


投球のまとめ

 ゆったりとしたモーションから
落ち着いて投げる姿が印象的。低めの球を振らせて打ち取ったり、ピンチでも自分の投球を貫く精神力は、この投手の大きな武器と言えるだろう。そのへんは、イニング間のピッチング練習でも、最後まで力を抜かないで投げているところからも伺われる。





成績から考える

 岩城颯空の4年間の通算成績およびセイバーメトリクス指標を交えて表にまとめる。


項目
評価
備考
登板試合
40試合
-
すべてリリーフ登板
投球回
84回2/3
-
-
被安打
67安打
被安打率:79.1%(投球回数の80%以下をクリア)
四死球
23(与四球18、与死球5)
四死球率:27.2%(投球回数の1/3以下をクリア)
奪三振
90三振
1イニングあたり1.06個(基準0.8個以上をクリア)
失点
16失点
-
-
防御率
1.70
1点台以内を達成
被本塁打
2本
-
HR/9:0.21(9回あたり0.21本、非常に優秀)
対左打者被打率
.209
-
左打者に強いが、制球はややアバウト
対右打者被打率
.232
-
右打者にやや打たれやすい(外角投球が読まれやすい可能性)
WHIP
0.94
(被安打67+四死球23)/84.2回、リリーフとして優秀
K/9
9.55
(90三振/84.2回)×9、リーグ平均(7.0~8.0)を上回る
BB/9
1.91
(18与四球/84.2回)×9、リーグ平均(2.5~3.0)より優れた制球力
FIP
約2.15
((13×2被本塁打+3×23四死球-2×90奪三振)/84.2回)+3.2、守備に依存せず優秀
HR/9
0.21
(2被本塁打/84.2回)×9、長打を許しにくい


被安打率とWHIP

 被安打率79.1%(67安打/84.2回)は基準(80%以下)を満たし、WHIP 0.94はランナーを溜めにくい安定感を示す。東都リーグの高いレベルでこの数字は評価できる。


四死球率とBB/9

 四死球率27.2%(23四死球/84.2回)、BB/9 1.91は優れた制球力を示す。ただし、対左打者被打率.209に対し対右打者.232とやや高めな点は、外角中心の投球が右打者に読まれやすい可能性を反映。

奪三振とK/9

 1イニングあたり1.06個、K/9 9.55はリーグ平均を上回り、リリーフとしての空振り誘発力が高い。特に低めの変化球が三振に貢献。

防御率とFIP

 防御率1.70に対しFIP 2.15は、守備や運の影響が多少あるものの、被本塁打2本(HR/9 0.21)の少なさが優秀なFIPに寄与。自身の投球で失点を抑えている。

対左右打者と被本塁打

 対左打者.209、対右打者.232と左右ともに低被打率だが、さほど左打者に強い左投手といった傾向はみられない。。HR/9 0.21は長打を許しにくい投球スタイルを示す。


成績からわかること

 岩城は速球派リリーフとして、WHIP 0.94やBB/9 1.91から制球力に不安が少なく、K/9 9.55でピンチでの三振奪取力が高い。FIP 2.15と防御率1.70の差は守備の影響を示すが、HR/9 0.21の低さが長打抑制力を裏付ける。対左右打者の被打率(.209 vs .232)とさほど変わらず、さほど
左打者に強い左投手といった傾向はみられない。、全体的にリリーフとしてのポテンシャルが高い。波が少なく、信頼度の高いリリーフ投手としての適性が期待できる。


最後に

 リリーフ色の強い選手のため、高い順位での指名は難しいかもしれない。それでも、左腕で早くから安定した活躍が見込めるとなれば、ドラフト4位前後の指名は期待できるだろう。ただし、上位指名を目指すには、もう一段階突き抜けた投球内容が欲しいところだ。その点は秋季リーグに期待してみたい。


蔵の評価:
☆☆(中位指名級)


(2025年 平塚合宿)