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加藤 響(22歳・徳島IS) 遊撃 180/82 右/右 (東海大相模-東洋大在学)
 




 「強打の右の内野手」





 高校生の遊撃手が豊作だった一方で、今年は大学・社会人の右打ちの二遊間候補は不足していた。そんな中、強打の内野手として浮上してきたのが、独立リーグに籍を置いていた 加藤 響 だった。


走塁面:
☆☆☆ 3.0

 一塁までの到達タイムは、右打席から 4.45秒~4.25秒ぐらい。これを、左打者に換算すると 4.2秒~4.0秒 ぐらいと、そこまで際立つタイムではない。実際プレーを観ていても、適度なスピード感は感じられるものの、NPBで足を売りにできるかと言われると微妙だろう。今シーズンは、64試合で8盗塁 。そのため、走力に関しては、 中~中の上 ぐらいと観ておくのが妥当のように思える。

守備面:
☆☆☆ 3.0

 アイランドリーグではショートを任されていたが、
ショートもできる内野手といった感じで際立って上手い感じはしてこない。一歩目の動き出しは悪くないものの、フットワーク・グラブさばき、スローイング等は平均的で、64試合で9失策ということで安定感も並ぐらい。ただし、地肩に関しては、中の上~上の下 ぐらいありそうで、それなりに深いところから刺せる肩は持っている。





(打撃内容)

 今シーズンは、
64試合 6本 41点 打率.311厘 という成績で、徳島の4番を任されました。広角に打ち返す中距離ヒッターというのが、この選手の打撃スタイルのように思える。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 スクエアスタンスで、グリップの高さは高めに。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスなどは、それなりといった感じはします。全体的に少し窮屈というか固く見えるので、そのへんがもう少し柔らかく構えられると、なお良いかなとは感じます。

<仕掛け> 平均

 投手の重心が沈み込んだあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離ヒッターや、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を上げて回し込み、ほぼ真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は取れていて、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。また真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。

 踏み込んだ前の足も、
インパクトの際にはしっかり止まっています。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができます。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、力み無く呼び込めています。あとは、バットを引くのが遅れないように注意したいところ。バットの振り出し自体は、けしてインサイドアウトで出てくるわけではありません。

 それでもバットのしなりを活かせていますし、先端ではるヘッドも下がらないので広い面でボールは捉えられています。内角をさばく時には、それほどダウンスイング出てくるのではないので、ある程度ボールとバットとの距離が必要となるスイングになっています。

 スイングの弧が大きめだとか、フォロースルーを上手く使って運ぶだとかそういったタイプでもありません。あくまでもホームランは、上手く巻き込んだ時にスタンドインするという引っ張りの時。センターから右方向の打球も少なくはないのですが、それがオーバーフェンスする確率は高くは無さそうです。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは平均的で、目線の上下動もそれなり。身体の開きもある程度のところで我慢できていますし、
軸足を起点にキレイに回転できています。軸足の内モモの筋肉も適度に発達しています。そのため、打球もそれなりに強いものがあります。

(打撃のまとめ)

 特にボールを捉えるセンスが非凡だとか、飛ばす能力が図抜けているとか特別なものは感じません。それでも、非常にクセのないオーソドックスなフォームであり、これから自分に合ったものを、見つけてゆく作業になりそうです。変なクセがないので、そういった新しいものを身につけてゆくには、障害は少ないのではないのでしょうか。


(最後に)

 守備・走力に関しては、NPBに混ぜると平均的かなと。内野なら何処でも守れそうですが、現状は一軍半~ニ軍クラスの力量なのではないかと感じました。そういった意味では、いきなり一軍で活躍を期待するというよりも、数年かけて一軍に定着することが期待される存在だと思います。

 貴重な強打の右打ち内野手ということで高い順位で指名されたものの、力量的には本会議のボーダーレベルの選手だったと思います。ただし、今後良くなって行ける可能性を秘めた素材であり、チームに不足する右打ちの内野手といったポジションに、当てはまって行くことが望まれます。そういったことを見込んで、
(支配下級の評価)を記しておきます。


蔵の評価:
(下位指名級)


(2024年 ソフトバンクtの交流戦)