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町田 隼乙(21歳・BC武蔵)捕手 186/88 右/右 (光明相模原出身) 





 「今年は指名されそう」





 神奈川の光明相模原からBCリーグに進み、3年目を迎えた今年は、指名が期待できそうな 町田 隼乙 。今や、独立リーグ屈指の捕手として、熱い視線を浴びている。


(ディフェンス面)

 ミットをしっかり投手に示し、大きな身体を小さくかがめ、投手に的を大きく魅せる構えを心がける。そういった投手に配慮のできる捕手で、軽く投手に返球して
気持ちを汲み取ろうとするタイプ。微妙なコースでのキャッチングなどにも、フレーミングなどを意識して悪くない。少しミットを下げてしまうところはあるものの、ワンバウンド処理にも素早く対応。打球への反応も素早く、必要な時にはしっかり動ける選手だった。

 高卒3年目にして、チームでは主将を任されるなど信頼も厚い。
プレーに雑なところは観られず、ディフェンス面に関しては、今すぐファームの試合にも混ざって行けそう。ビックリするような強肩ではないものの、塁間1.9秒台でセカンドまで勢いが落ちずしっかりした送球。スローイングに関しては、プロに混ぜると 平均 ぐらいなのかなといった印象は受けている。





(打撃内容)

 3年目を迎えた今年は、
51試合 5本 37点 打率.323厘 。昨年は8本塁打したものの、打率.265厘と対応力はイマイチだった。特に、打撃でも一定水準のレベルに達したことが、指名が現実味を帯びてきた。。

<構え> 
☆☆☆ 3.0

 前の足を引いて、バットを前に倒しつつ、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスと、可も不可もなしといった感じの構えではないのだろうか。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が沈み始める時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられるタイミングです。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 足を引き上げて回し込み、少しアウトステップ気味に踏み込んできます。始動~着地までの「間」はあるので、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。アウトステップするように、内角への意識が強いタイプです。

 踏み込んだ前の足が、
地面から早く離れがち。引っ張るときはそれでも良いのだが、逃げてゆく球や低めの球には厳しいのではないのだろうか。甘めの外角球や高めの球ならば、右方向にも打ち返すことができていた。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなく呼び込めている。ただし、
グリップをかなり奥まで引き込んでくるので、速い球に差し込まれやすいのでは? スイング軌道にクセはなく、バットの先端であるヘッドも下がらずに、思いっきり引っぱたく感じで振れている。

 ボールに角度をつけて飛ばすとか、フォロースルーを利かせて遠くに運ぶというよりも、来た球を強く叩いている感じだろうか。それでいて、結構
しぶとく食らいつくなど、粘ることや泥臭いこともできていた。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは並ぐらいだが、目線はそれほど動いていなかった。体の開きが我慢できていないものの、軸足を起点にキレイに回転できている。また、
軸足の内モモの筋肉も発達しており、強い打球を生み出す原動力になっている。

(打撃のまとめ)

 NPBレベルのスピード・キレに対応するのには、少し苦労するかなといった印象を受ける。というのは、グリップの引き込みの幅が大きいことで、彼なりの間合いを図っているのかもしれないが、それがスピードに立ち遅れる要因にも繋がりかねないからだ。

 ただし、ファールで粘れる技術もあり、ボールに食らいつくシブとさも感じさせる。一軍で打てるようになるのには、何年か時間はかかるかもしれないが。


(最後に)

 ディフェンスに関しては、ドラフトで指名されるぐらいのレベルになってきたように感じます。打撃でも目立つ存在になってきましたが、まだNPBの一軍で通用するといった姿は想像できません。将来の正捕手候補というよりも、捕手の層を厚くしたい、競争を煽りたい、そういった人材として期待されるのではないのでしょうか。ドラフトとしては、下位指名~育成ぐらいだと思います。しかし、
捕手としての適正やボールに食らいつく泥臭さもあり、数年後には厳しい競争の中から這い上がって来られるかもしれません。


蔵の評価:
 (下位指名級)


(2024年 BCリーグ公式戦)