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 寺岡 丈翔(24歳・徳島IS)外野 177/85 右/右 (東福岡-福岡大出身)
 




 「派手さはないけれど」





 井上 絢登(DeNA)と同じ福岡大からインディゴソックスに進み、プロ入りを目指す 寺岡 丈翔 。井上のようにフルスイングが持ち味というわかりやすいタイプではないが、残した成績では引けをとらない。四国アイランドリーグの野手の中でも、最もNPBが近い存在だと言えるのではないのだろうか。


走塁面:
☆☆☆★ 3.5

 一塁までの塁間は、右打席から 4.4秒強(左打者換算で4.15秒強)ぐらいと、ドラフト候補としては平均的なタイムだった。しかし今年アイランドリーグでは、
68試合で25盗塁を記録。実際スライディングのスピード感なども感じられ、このタイム以上の脚力は持っていそうだ。NPBで足を売りにできるかは微妙だが、けして動けない選手ではないだろう。

守備面:
☆☆☆★ 3.5

 外野ならばどこまで守れるし、内野も三塁のみならあず二塁や遊撃までこなす融通性がある。特に外野手としては守備は安定しており、
肩も強いものがある。井上以上に、守備の融通性や守備力があることが、一つ大きな強味ではないのだろうか。





(打撃内容)

 今シーズンの成績は、
68試合 9本 65点 25盗 打率.333厘 をマーク。前年が、68試合 4本 27点 10盗 打率.232厘 と、大幅に成績を伸ばしてきたことが伺われる。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前の足を軽く引いて、グリップは高めに添えた強打者スタイル。腰の据わりぐらい・両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスなど、まずまずといった感じの構えになっている。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が沈み始めると動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、アベレージヒッターに多く観られる始動のタイミングであり、根本的には
長打よりも対応力の色彩が強い打者ではないのだろうか。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を軽く上げて、ほぼ真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの「間」も取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプではないのだろうか。

 踏み込んだ前の足も、
インパクトの際にブレずに我慢。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも、食らいつくことがでいます。特にタイミングの取り方などに非凡なものは感じませんでしたが、非常にオーソドックスな動きをする選手との印象です。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めている。バットの振り出しにもクセはなく、インパクトの際にもバットの先端であるヘッドが下がらず、広い面でボールを捉えられている。したがって、フェアゾーンにもボールが飛びやすい。

 特にフォロースルーを使ってボールを遠くに運ぶとか、スイングの弧が大きいとかいうことはなく、
無理なく広角に打ち返す感じのスイングで、それほど長打を全面に出したスイングといった感じではない。このへんは、フルスイングが迫力満点だった井上と比べると、長打よりも確実性が高そうといった印象を受ける。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げは平均的で、目線の上下動もそれなり。体の開きも我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定している。特別軸足の内モモの筋肉が発達しているとかいった凄みは感じられないものの、
空振りをしたあとでも型が崩れることなくスイングできている点は非凡だ。難しい球を捉えるよりも、自分の打てる球を逃さず叩く、そういった打者なのではないのだろうか。

(打撃のまとめ)

 基本に忠実で、
クセのない打撃ができている。技術的にも完成度は高く、プロのスピードにも順応して行けるのではないのだろうか。一年目から、一軍半ぐらいの活躍が見込めそうな技術は持っていた。


(最後に)

 右打ちの外野手というだけでなく、内野の融通性もあり、充分に内野手としてもやって行けそうな選手ではある。内外野できるユーティリティプレーヤーとして重宝されそうだが、器用貧乏で終わらないように願いたい。そのためにも、自分の売りは何なのか? 明確に意識して取り組んでゆくことが求められそうだ。6位指名だった井上以上に、右打ちの上に、外野の守備や二遊間への融通含めて評価されやすい条件は揃っている。


蔵の評価: (下位指名級)


(2024年 リーグ戦)