24sy-21
根岸 辰昇(24歳・ノースカロライナA&T州立大) 一塁&中堅 180/100 左/左 (慶応義塾高出身) | |
慶應義塾高校時代には、甲子園にも出場していた 根岸 辰昇 。卒業後はアメリカに渡り、様々な環境で力を伸ばしてきた。そして今年、ヤクルトに指名され、NPB入りを決断した。 (守備・走塁面) 今シーズンは、ノースカロライナA&T州立大に在籍し、51試合に出場し2盗塁。内野ゴロのタイムを計測した時は、左打席から4.65秒前後と、極めて遅いタイムだった。それだけに、NPBで足を売りにしてゆくとか、盗塁をバシバシ仕掛けて来る。そういったことは、期待できないのではないのだろうか。 元々は、中堅手としての評価も高かった。しかし今は、かなりもゴツくなり一塁手となっている。それでも守備に関しては、それなりの評価は得ているようだ。NPBでも、一塁&左翼あたりであれば、こなせて行けるレベルにあるのかもしれない。 正直、守備・走塁のサンプルが少なく、現状の能力は掴みきれない。元々は守備に定評のある選手だったらしいので、現状でも守備範囲はともかく、球際では強いレフトあたりは期待できるのではないかと。 (打撃内容) 今シーズンは、51試合(194打数) 8本 37点 打率.371厘 と、日本人歴代NO.1の OPS 1.065 を記録したとされている。そこでわからない部分も多いので、打撃フォームを分析してみたい。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 左打席から両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合・全体のバランスとしては並ぐらいだが、両眼で前を見据えて立てている。したがって、錯覚を起こすことなく球筋が追いやすい。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が下がりきって前に移動する段階でつま先立ちし、本格的に動き出すのはリリース前後という「遅すぎる仕掛け」を採用。NPBレベルの投手に対し、このタイミングでの始動で対応するのは、日本人のヘッドスピードや筋力だと厳しいのではないのだろうか? <足の運び> ☆☆☆ 3.0 小さくステップして、ベース側にインステップして来ます。始動~着地までの「間」が無いので、狙い球を絞り、その球を逃さないことが求められます。踏み込んで来るように、外角への意識が強いと考えられます。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にもブレずに我慢。そのため、逃げてゆく球や低めの球には喰らいついてゆくことが可能です。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 早めに打撃の準備である「トップ」の形を作ることができ、始動の遅さを補おうとしています。バットの振り出しは、インサイドアウトのスイング軌道で、上から振り下ろして来る感じ。真ん中~内角寄りの球を引っ張るには適していて、最短距離でボールを捉えられます。そのぶん外角へのさばきでは、バットのしなりを活かせないので、その辺どう対処して来るのか気になるところではあります。 スイングも払うような感じで、ちょっと日本人にはみない感じのスイングになっています。これでも、日本よりパワー野球であるアメリカでやってきた選手なので、それなりにはやれると思いますが。むしろ複雑な配球や、変化球を巧みに織り交ぜた変化球の方に課題がある選手なのかもしれません。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが静かなので、目線の上下動は小さめ。身体の開きも我慢でき、軸足も安定し、内モモの筋肉も発達している。調子の波は少なそうなタイプで、強烈な打球を生み出す原動力になっている。 (打撃のまとめ) ボールを極力錯覚を起こすなく追いかける姿勢ができており、インサイドアウトで最短距離で振り降ろしてくるのでボールを捉える能力は高そう。しかし、始動が極端に遅すぎるなど、打てるポイントは狭そうな印象は受ける。それだけに、いかに自分の打てる球を、打ち損じなく仕留められるかではないのだろうか。3Aレベルで好成績を残した打者でも、今のNPBに対応するのは厳しいだけに、今後いかにNPBに対応できるように、今の打撃を進化させて行けるかではないのだろうか。 (最後に) これだけの成績を残してもNPB入りしたのは、やはり守備位置の問題や走力の部分が大きく影響していたのかもしれない。元々が守備力がある選手なので、今でも上手いレフトぐらいにはなれそうなもの。NPBレベルの順応には何年かかかるかもしれないが、高校までは日本で野球をやってきた選手だし、甲子園にも出場していたほどの選手。それだけに、まるっきりダメで終わるということも無さそうだ。問題は、一軍レベルまで行けるだけの存在感を示せるのか? それは、混ぜてみないとわからないというのが率直なところではある。個人的には、判断材料が揃わないので、未確認扱いとさせて頂きたい。 蔵の評価:未確認 |