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松本 龍之介(20歳・堺シュライクス) 捕手 177/83 右/右 (東海大山形出身)
 




 「攻守にバランスのとれた捕手」





 目を見張る強肩だとか、圧倒的に打力が高いとかそういった派手さはないものの、攻守に適度な能力を兼ね備えている 松本 龍之介 。一体どのような選手なのか、考えてみたい。





ディフェンス面:☆☆★ 2.5

 ちょっと構えた時に、ドカッと座り過ぎなのかな?というのが気になるものの、適度にフットワークは良く、一塁へのベースカバーなどにも素早く入ることができていました。特に、ガンガン引っ張ってゆくとか、ジェスチャーで細かくやりとりをするという感じではなく、
淡々と自分の仕事をこなしてゆく感じです。

 普段のキャッチングが悪くないのですが、コースから外れた球に対しては、あまり
全身で止めにゆこうというのは感じられません。特にミットを下に降ろすクセもないのですが、ドカッと座りがちなのか? ワンバウンド処理の際に少し反応が遅れがちに見えました。スローイングに関しては、1.9秒前後ぐらいと平均で、速い時には1.8秒台中盤を記録していました。地肩が圧倒的というよりも、送球のコントロールが安定しており、走者の滑り込んでくるところに上手く投げ実戦で刺せるタイプだと思います。

 全体的には、コース外のキャッチング・ワンバウンド処理などに物足りなさは残しますが、その辺はまだ若いので、プロの環境で磨いて行ければ、NPBでもやって行けるディフェンス力は身についてゆくのではないかと考えています。






(打撃内容)

 高卒1年目は、打率.186厘に終わったものの、2年目の今年は 
46試合(154打数) 5本 47点 37盗 打率.370厘 と、打撃成績を大幅に伸ばした一年となりました。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 右打席から、ほぼ両足を揃えたスクエアスタンスで、前の足のカカトを浮かせて構えます。グリップを下げて添えつつ、腰の据わり具合や全体のバランスとしては並ぐらいも、
両眼ではしっかり前を見据えられていた。錯覚を起こすことなく球筋を追うことができ、打席でもリラックスして構えられているところは好いところ。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を大きく引き上げて、真っ直ぐ~少しインステップ気味に踏み込んできます。始動~着地までの「間」は取れているので、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。真っ直ぐ~少しインステップ気味に踏み込んで来るので、意識や若干外角寄りにあるのかもしれません。

 踏み込んだ前の足は、なんとか我慢できているように思います。ただし、打球は引っ張り中心のように見えるので、それほど逃げてゆく球や低めには強くないのかもしれません。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で力みは感じないのですが、低い位置に添えていたグリップを高い位置まで引き上げる
「ヒッチ」する動作が観られます。早い段階でヒッチするのは構わないのdすが、完全に打撃動作の段階にこれが入ってしまっていると、本当に速い球には立ち遅れる要因になりかねません。彼なりのタイミングの取り方なのかもしれないので簡単に直した方がいいとは言えませんが、少し気になる部分ではありました。

 バットの振り出しは、インパクトまでロスは感じられなく
理想に近い振り出しです。インサイドアウトというほどでもなく、それでいてバットのしなりを活かせないほどでもない、程よいスイングです。バットの先端であるヘッドも下がらないので、広い面でボールを捉えることができる。けして、打球に角度を付けて飛ばすタイプではないのですが、フェアゾーンにボールが飛びやすいスイングです。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足は大きく上げ下ろししているように見えましたが、目線は思いのほか動いていませんでした。身体の開きも我慢できていますし、
軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定していました。そのため、調子の波は少ないタイプなのではないのでしょうか。

(打撃のまとめ)

 多少ヒッチする部分と引っ張り中心の打撃で、右方向へはどうなのか?といった部分は気になります。しかし、タイミングの合わせ方も悪くないですし、何よりスイング軌道が素晴らしく、軸も安定してキレイに回転できている点には好感が持てます。


(最後に)

 捕手としては、キャッチング中心に改善は必要だと感じます。しかし、まだ若いですし身軽さはあるので、充分に改善可能だとみます。それ以上に光るのは打撃の部分であり、
ボールを捉える能力には光るものを持っています。リーグ戦でも46試合で37盗塁という脚力もありますし、打撃が目立つようだと、将来のコンバートも視野に入れての指名なのかもしれません。

 
 (支配下級) とまでは評価できませんが、育成ならば面白いかもと思わせるものもあり、今後どうなってゆくのか見守って行きたい選手でした。特に打撃の部分から、存在感を高めてくるかもしれませんね。


(2024年 リーグ戦)