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川﨑 俊哲(23歳・石川ミリオンスターズ) 内野 173/73 右/左 (輪島出身) | |
独立リーグ参加4年目にして、悲願のプロ入りを達成した 川﨑 俊哲 。阪神との交流戦で本塁打するなどアピールし、夢を実現させた。そんな男とは、どのようなプレーヤーなのだろうか? 走塁面:☆☆☆ 3.0 左打席から、4.2~4.4秒 ぐらいと、タイム的にはけして速くはない。それでもリーグ戦では、39試合で15盗塁を決めるなど、積極的に盗塁を仕掛けてくる。NPBレベルで足を売りにできるかと言われると疑問ではあるが、何事にも前向きなプレースタイルなので、走塁で足を引っ張るということは無さそうだ。 守備面:☆☆☆★ 3.5 今年は、ショートとして出場。特に一年目には、セカンドやサードとしても出場していた。正面にまわって捕球しようとする基本に忠実なプレーヤーで、キャッチング~スローイングまで丁寧にプレーしようという姿勢が感じられる。特に垢抜けて守備範囲が広いとか、グラブさばきが上手いといった感じではないものの、打球への一歩目の反応も悪くない。肩がそれほど強いわけではなさそうなので、NPBだとセカンドあたりが一番適正なポジションなのではないかといった気もする。 守備・走塁に関しては、中~中の上 ぐらいと、際立った印象はない。それでも、チームの層を厚くする、いろいろなところをこなす、ユーティリティプレーヤーとして重宝されるかもしれない。 (打撃内容) 独立4年目の成績は、39試合(117打数) 3本 25点 15盗 打率.282厘 。打数から考えると、NPBのレギュラー打者が400打数以上なので、単純に4倍ぐらいすると、イメージしやすいかもしれない。そう考えると、チームの4番打者を務めていたように、勝負強さが売りの選手といった感じがする。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 左打席から前の足を引いてカカトを浮かせて構え、グリップを高めに少し捕手側に引いて添えられている。背筋を伸ばしつつ、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスもまずまず。打席でも、適度な集中力が感じられる。 <仕掛け> 平均 投手の重心が沈みきった底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離打者や、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングとなる。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいといったタイプではないのでしょうか。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にもなんとかブレずに我慢。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことは可能かと思います。ただし、打球を観ていると、それほどレフト方向にきっちり飛ばすという打球は少なめ。センターからライト方向への、引っ張り気味な打球が多いように思います。 <リストワーク> ☆☆☆★ あらかじめグリップを引き気味に添えられているので、速い球には立ち遅れ難い感じがします。そのへんが、阪神との交流戦でも結果を残せた理由かもしれません。バットの振り出し自体は、それほどインサイドアウトといった感じではないものの、内角寄りの球に対しても、ある程度腕をたたんで本塁打できてました。 外角の球に対しても、インパクトまで遠回りではありません。バットの先端であるヘッドの下がらないので、広い面でボールを捉えていいます。そのため、打球もフェアゾーンに飛びやすいのでは? 長打は引っ張って巻き込んだ時に多いと思うのですが、スイングの前を大きく取り、ある程度打球に角度を付けて飛ばすことができています。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げも小さいので、目線の上下動は少なめ。身体の開きは我慢できていますし、軸足の内モモの筋肉にも強さが感じられます。そのため、打球にも強さがあります。 (打撃のまとめ) 特に当てる能力が素晴らしいとか、物凄く飛ばすとか、そういった感じではありません。ただし、スイングは力強いですし、技術的に悪いクセもないので、全く打てないということ無さそうです。あとは、いかにNPBレベルのレベルに順応するために、何かを掴めるかではないのでしょうか。 (最後に) 何か物凄く特徴を持った選手というよりも、トータルバランスで評価したいタイプ。特に独立で長く揉まれてきた選手で、プレーにも生命感、気持ちの強さが伝わってきます。育成指名だったのは妥当だとは思いますが、何かひかれるものがあった。そういった、球団やスカウトの気持ちも、理解できる指名でした。 (2024年 日本海リーグ戦) |