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陽 柏翔(19歳・BC茨城) 遊撃 173/75 右/左 (明秀日立出身)





 「まだまだ素材型だけれども」





 茨城の明秀日立には、高2の春に台湾から編入した 陽 柏翔 。高校卒業後は、地元の独立リーグ・BC茨城に在籍。一年目から積極的に起用され、祈願のプロ入りを果たした。


走塁面:
☆☆☆★ 3.5

 一塁までの塁間は、4.1秒~4.2秒ぐらいと、タイム的にはドラフト候補としては平均的。それでもリーグ戦では、54試合で21盗塁(10失敗)を決めるなど、積極的に足でアピール。そういった意味では、
盗塁技術や走る勇気にはそれなりのものを持っているといえるだろう。ただし、NPBの一軍レベルでも、足を売りにできるほどかは微妙なラインではあるように思える。

守備面:
☆☆★ 2.5

 特に打球への反応が鋭いとか、動作が機敏だとかそういった感じはしない。むしろ、常に余裕を持ってプレーしている感じで、無理な大勢からの送球でも正確に送球するなど、
足腰の強さなどは日本人には見れないプレーを見せる。そのため、54試合で15失策と、まだまだ安定感・精度に課題があり、いろいろ学ばないと行けないことは多いだろう。NPBでは、他のポジションを担ってゆくことになるかもしれない。





(打撃内容)

 BC茨城リーグ参加一年目の成績は、
54試合(180打数) 0本 20打点 打率.250厘 といった成績だった。

<構え> 
☆☆☆ 3.0

 左打席から前の足を大きく引き、グリップは下げ気味に構えます。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスとして並ぐらいですが、
適度にリラックスして立てていることは良いところかと。

<仕掛け> 遅すぎ

 投手の重心が沈み込んだあたりで動き出し、本格的に動き出すのはリリース直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。日本人の筋力やヘッドスピードだと、ここまで遅いタイミングだと立ち遅れそうだが、身体の強い台湾人の血筋ならば、ある程度このタイミングでも使いこなせるかもしれない。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 小さく足を浮かし、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」がないので、あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さないことが求められます。アウトステップするように、内角への意識が強そうです。

 踏み込んだ前の足は、
インパクトの際にブレずに我慢。アウトステップでも、甘めの外角球や低めの球ならば捌くことができると考えられます。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」は早めに作れており、始動の遅さを補っている。バットの振り出しは、上からインサイドアウトでバットが出てくる。ボールを捉えるまでにはロスは感じられないが、ボールを捉えるのが
線でなく点なので、確実性は高いとは言えない。

 それでもボールを捉えてからは、大きな弧を描きながらインパクト後もフォローでグリップ高い位置まで上がってくるなど、角度を付けて打球を飛ばせるスイングにはなっている。まだまだオーバーフェンスする機会は少ないが、身体ができてくれば長打も期待できる選手に変貌するのではないのだろうか。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げが小さいので、
目線の上下動は安定。身体の開きも我慢でき、軸足も大きくは崩れない。

(打撃のまとめ)

 まだまだ技術的にも粗く、
確実性には課題を残す。しかし、恵まれた資質もあり、身体もできてくると、いろいろ可能性は広がりそう。特に、もっと長打が増え強打者タイプになって行くのではないのだろうか。あとは、いかに対応力を身につけて行けるかではないのだろうか。


(最後に)

 守備でも走塁でも打撃でも、まだまだ発展途上といった感じで、
ポテンシャルの高さと若さという可能性に賭けての指名だと考えられる。現時点では、まだ二軍でも、まともに成績を残すのは厳しいレベルではないのだろうか。そんな中、いかに一軍で使えるような選手に仕立ててゆくのか? 球団の育成力が問われる指名となりそうだ。個人的には、まだ「旬」の時期だとは思えず、 (支配下級) の評価にまでは至らなかった。


(2024年 BCリーグ戦)