24sy-12
山中 稜真(24歳・三菱重工East)一塁 177/80 右/左 (木更津総合-青学出身) | |
正直青学時代も、社会人に進んでからも、気にしたことがなかった 山中 稜真 。一体この選手の何処をスカウトは評価して指名に至ったのだろうか? 走塁面:☆☆☆★ 3.5 青学時代は、55試合に出場して盗塁は僅かに2個。いま行われている日本選手権での一塁到達タイムは、4.05秒前後と基準以上のタイムは出している。また、昨年の公式戦では、31試合で15盗塁と走りまくっている。しかし、今年になっての16試合で2盗塁程度なので、何処まで足を売りにして行けほどかは微妙な印象は受けている。 守備面:☆☆☆ 3.0 ルーキーイヤーだった昨年は右翼を守ることが多かったが、今年度は一塁での起用が多い。実際一塁手としては動きは良い選手なので、ファーストならば申し分なさそう。ただし、プロでは外野での起用が想定されるのでどうなのだろうか? 垢抜けて足が速いわけではないので、守備範囲的には両翼向きなのかもしれない。肩は悪くないと記憶しているが、指名時には捕手で指名されていてビックリした。その地肩に、捕手としての可能性を感じたのだろうか? もしやるにしても、やらせてみないとこちらとしても判断しかねるところはある。 そういった意味では、滅法足が速いだとか守備が上手いといった選手ではなかったかと。捕手としての可能性については良くわからないが、少なくても何処まで守備・走力の能力を買ってでの指名だったのかは、私にはよくわからなかった。 (打撃内容) 柔らかい膝の送りから、右に左に鋭い打球を飛ばす選手。東都通算では4本塁打で、適度にパンチ力を兼ね備えている。今年の直近での10試合では、打率.333厘 と、際立って抜けた成績を残していたわけではなかったようだ。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 左打席から前の足を引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合、全体のバランスとそれなりで、両眼ではしっかり前を見据えられている。錯覚を起こすことなく球筋を追える姿勢で、適度にリラックスして構えているところは良いところ。 <仕掛け> 早すぎ 投手の重心が下がり始める前から動き出すので、投手がまだ投げるタイミングを変えられる段階なのは気になる材料。始動が早いので、典型的なアベレージヒッターの始動だと考えられる。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を上げて、真っ直ぐ踏み出して来る。始動~着地までの「間」は充分とれ、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。真っ直ぐ踏み出してくるように、内角でも外角でもさばきたいタイプなのだろう。 踏み出した足元は、なんとかブレずに我慢。そういった意味では、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことできる。打球も、レフト方向にも無理なく打ち返すことができていた。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めているところは良いところ。ただし、バットを引いて「トップ」の形を作るのが遅れないようには注意したい。 バットの振り出しも、インサイド・アウトではないものの大きなロスは感じられない。外角の難しい球でも、ヘッドを残して上手く対応できていた。普段のスイングでも、スイングの弧は大きく最後までしっかり振り切れている。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げの際に、少し目線の動きが大きめなのが気になった。そのため、ボールを追う際に狂いが生じる可能性は捨てきれない。それでも、身体の開きは我慢できており、軸足にも粘りが感じられる。膝も柔らかく使えるので、低めの球にも上手く対応できそうだ。 (打撃のまとめ) 長打で魅了するというよりも、対応力が勝ったタイプのように思いました。特に打撃に大きな欠点は無さそうで、大学・社会人と強豪を渡り歩いてきた選手だけに、プロでの戸惑いは少ないのではないのでしょうか。 (最後に) ただし、プロに混ぜてしまうと、何を売りにしてゆくのか? そういった部分が見えてきません。打撃も悪い選手ではないのですが、プロで打撃を売りにしてゆく、そこまでの絶対的なものまでは感じませんでした。この辺、スカウトの眼力が問われる指名となりそうです。そのため個人的には、☆(支配下級)の評価にまでは至りませんでした。担当スカウトや球団には何が見えていたのか? 個人的には気になるところです。 (2024年 日本選手権) |