24sy-10





 宮崎 竜成(24歳・ヤマハ)二塁 173/85 右/左 (創志学園-立命館大出身)





 「どのぐらいやれるか楽しみ」





 立命館大時代は、リーグ戦で3割を記録したことのなかった 宮崎 竜成 。しかし、社会人で見事才能が花開き、上位での指名を実現した。


走塁:
☆☆☆ 3.0

 一塁までの塁間は、左打席から 4.05秒前後 。この脚力は、ドラフト指名される左打者としては僅かに基準を上回るぐらい。今年度の16試合で盗塁は4個と、そこそこ動ける脚力はありそうだ。ただし、プロで足を売りにする、そういったほどには見えなかった。以前よりも体付きもゴツくなって、スピード感はさほど感じられない。

守備面:
☆☆☆ 3.0

 二塁手としては、可も不可もなしといった感じです。
打球を丁寧に処理しようという部分は感じますが、上記に記したように体つきがゴツくなっているので、軽快といった感じではありません。今シーズンも16試合で5失策と、けして安定感が高いわけでもありません。三塁あたりならば、もっと安定感があるのか? 長い距離での送球に不安があるから二塁なのか、そのへんは気になります。

 守備・走塁の能力は、プロに混ぜると 平均 ぐらいというイメージを持っています。むしろ、より守備力が求められる、プロのセカンドで評価を得られるかは微妙な気がしました。この選手の場合は、打撃でのアピールで評価を得てゆくタイプだとみています。






(打撃内容)

 24年度の公式戦では、
16試合で、3本 12点 打率.321厘 。社会人の場合、打数も少ないので参考にし難いのですが、打率3割5分で一流、4割台で超一流といった感じがします。そういった意味では、残している成績的には、そこまで突出したものはありません。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 左打席から、前の足を少しだけ引いてグリップの高さは平均的。腰の据わり具合や全体のバランスは並ぐらいですが、
両眼での前の見据えは悪くありません。錯覚を起こし難く、正確に球筋を追う姿勢はできています。

<仕掛け> 遅め

 投手の重心が下がりきって、前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、ボールをできるだけ引き付けてから動き出すのは、生粋のニ番打者か天性の長距離打者に多くみられる始動のタイミングです。彼の場合、前者の可能性が高いのではないかとみています。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を軽く上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は短く、より甘い球を逃さない「鋭さ」が求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプです。

 踏み込んだ前の足は、
インパクトの際にブレずに我慢。そのため、逃げてゆく球や低めの球に食らいつくことができます。特に膝を柔らく使え、低めの球を上手く捉えることができていました。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れないようにできています。バットの振り出しを観ても、インパクトまでのスイング軌道にロスは感じません。バットの先端であるヘッドも立てることができるので、
上手く上体を残しながら、レフト方向に打ち返すことができていました。

 時々上手く巻き込めた時には、
ビックリするようなホームランを放ちます。流して大きな当たりが打てるような長距離打者には見えませんが、自分のツボにハマった時には、飛距離を出せる長打力を秘めています。ただし、スイング自体は、それほど打球の上がるスイングではありませんした。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げが静かなので、
目線の上下動は小さめ。身体の開きも我慢できていますし、軸足の形も大きくは崩れません。

(打撃のまとめ)

 特に目をひいたのは、低めの球のボールの見極めなどの
「眼」の良さがあること。そして、膝を柔軟に使える選手で、低めの球を捉えるのが上手い点です。この辺の部分に関しては、特別なものを感じます。逆に長打は、上手く引っ張って巻き込めた時であり、普段は長打を売りにするというよりも、対応力が勝ったタイプなのかなといった気はしました。


(最後に)

 守備・走力は平凡な印象で、いかに
打撃で存在感を示せるかだと思います。ただし、打撃には面白いものを持っていると思います。左の好打者を見抜くのが上手いロッテが、高く評価したのも頷けるところです。2位で評価したのはどうなのかな?と思う部分は残りますが、打撃が良い選手を獲得したなという印象は受けています。果たして、どのぐらいの数字をプロで残せるのか? 今後も気にしてみたいと思わせてくれる選手でした。


蔵の評価:
☆☆ (中位指名級)


(2024年 日本選手権)