24sp-9
日渡 柊太(24歳・富山GRNサンダーバーズ) 投手 176/76 右/右 (市立岐阜商-中部大出身) | |
今年の独立リーグの選手達の中でも、好い真っ直ぐを投げるという意味では、この 日渡 柊太 が一番ではないのだろうか。 (投球内容) 今年は、28試合 2勝0敗5S 防 4.09 といった内容で、数字的には際立つものはありません。しかし、中背の体格ながら、爆発力の投球を魅せてくれるリリーフ投手です。 ストレート 140キロ台後半~150キロ台前半 ☆☆☆☆ 4.0 ズバッとコース一杯に決めて見逃し三振を奪ったり、高めの球で吊って空振りを奪えたりと、真っ直ぐの勢い・質という意味では、NPBの一軍でも勝負できそうなものを感じます。まず、真っ直ぐを軸に、NPBの打者相手でもピッチングが組み立てられそうなところは魅力です。 変化球 スライダー・スプリット・カット・カーブなど ☆☆☆★ 3.5 右打者の外角低めに切れ込むスライダーを振らせたり、左打者にはスプリット系の沈む球で空振りが奪えます。また、カット系の球やカーブなども交え、カウントを整えてきます。真っ直ぐだけでなく、変化球で空振りが奪えるところが、この選手の強味ではないのでしょうか。 その他 クィックは、1.15~1.20秒ぐらいと、それほど鋭くはありません。このへんは、ランナーを背負っても、三振で抑えればという意識が強いのかもしれません。それでも、闘争心のあるマウンドさばきは、リリーフ向きだと考えられます。 (投球のまとめ) 投げているボールは一級品なものがあるものの、結構ムラがあるのか? ポカがあるのか? そのへんが気になる材料ではあるように思います。そういった意味では、NPBに入っても、即戦力となりうるかは微妙なのかもしれません。 (成績から考える) 24年度の成績は、29回 21安 9四死 30三 防 4.03 。 1,被安打は投球回数の70%以下 △ 被安打率は、72.4% と悪くないものの、NPBの一軍を意識すると、圧倒的な数字ではない。厳しめのファクターを設定しているのもあるが、現状は 一軍半 クラス と認識しておいた方がいいのかもしれない。 2,四死球は投球回数の1/3以下 ◯ 四死球率は、31.0% と、基準である 33.3%以下で収められており、基準を満たしている。ただし、数字的にはギリギリであるので、そこまで繊細なコントロールがあるわけではない。力投する分、高めに抜けてしまう球も少なくなく、両サイドよりも高低の制球に不安があることは否めない。 3,奪三振は、1イニングあたり 0.9個以上 ◯ 奪三振は投球回数を上回っており、決め手という意味では基準を満たしている。この投手の良さは、真っ直ぐだけでなく変化球で空振りが奪えることではないのだろうか。 4,防御率は 1点台以内 ✕ 登板が限られているリリーフとはいえ、安定感という意味で課題を残す格好となっている。ただしこれは、シーズン開幕直後の3試合で9失点しており、以後の25試合では5失点しかしていないので、それを除けば 防 1.73 と、そこまで悪い成績ではないことがわかる。 (成績からわかること) 良い内容だった阪神戦に比べると、悪い時があったり、絶対的でない部分もあるということは認識しておいた方が良さそう。そう考えると、現時点では即戦力というよりも、一軍半ぐらいと捉えていた方が無難なのかもしれない。 (最後に) 勢いのある真っ直ぐと気迫のこもったマウンドさばきは、まさにプロの素材といった感じはします。しかし、好いときは好いものの、そうではない時もありそう。そのため安定感という意味では、少し割り引いてみておいた方が良さそうです。今年の独立リーガーの投手の中でも、インパクトでは一番。1,2年ファームで育成できれば、石井 大智(高地FD-阪神)クラスの選手に育っても不思議ではありません。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2024年 阪神戦) |