24sp-7
荘司 宏太(24歳・セガサミー)投手 172/85 左/左 (駿台甲府-国士舘大出身) | |
一昔前に良くみたような、豪快なフォームから投げ込んでくる 荘司 宏太 。ボールの威力は一級品も、制球の粗さも目立つタイプ。果たして、プロでは、どっちの特徴が全面に出てくるのか悩ましい素材だと言えよう。 (投球内容) DeNAの 濱口 遥大 を、さらに力投派にしたようなフォームです。今年の公式戦の成績は、19回2/3 6安 10四死 28三 防 1.37 で、チームではリリーフとして起用されている。 ストレート 145キロ前後~150キロ ☆☆☆★ 3.5 豪快に投げ下ろして来る、ボールの威力は一級品。被安打率は、社会人では破格の 30.5%。1イニングあたりの奪三振は、1.42 個 と突出している。その一方で、最大の欠点はコントロール。四死球は、50.9% と、社会人の打者相手でも相当高い。これが、プロの打者相手ならば、どうなってしまうのだろうかというほど。実際ボールも、かなり暴れている。 変化球 チェンジアップ・スライダー・カーブなど ☆☆☆★ 3.5 特に素晴らしいのは、チェンジアップ。この球は、プロでも充分通用するのではないのだろうか。そのかわり、スライダーの精度はそれほど高くない。スライダーも、曲がりながら沈むカーブのような軌道。暴れる真っ直ぐに比べると、そこまで変化球のコントロールは悪くない。 その他 「あとは、ボールに聞いてくれ!」といった力投派で、細かい駆け引きや投球術は存在しない。クィックは、1.15~1.25秒と素早くないが、左腕だけにそこまで気にすることはないだろう。 (投球のまとめ) 昭和の匂いがする投げっぷりの良さと、確かなボールの威力を持っている。真っ直ぐとチェンジアップという、プロでも勝負できそうな球が2つあることからも、左腕であることも考えると、アリなのではないかと思われる。ただし、かなりリスキーな素材なので、あまり入れ込むのもどうだろうか? (投球フォーム) セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さは並ぐらい。軸足一本で立った時には、膝から上が伸びてしまい力みがち。全体のバランスも、少し トの字 に近くなってしまっている。 <広がる可能性> ☆☆★ 2.5 引き上げた足を地面に向けて、幾分二塁側に送り込んでいる。そのため、お尻の三塁側(左投手の場合)は、甘さが残す。それでも、カーブやフォークといった球が投げられないほどでは無さそう。 「着地」までの地面の捉えは平均的で、体を捻り出す時間は並ぐらい。曲がりの大きな変化球の修得は厳しそうも、現時点でプロで武器にできそうなチェンジアップのキレを誇っているので、そのへんはあまり気にしなくても好いのではないのだろうか。 <ボールの支配> ☆☆★ 2.5 グラブは少し体から離れ気味で、腕も外旋してブンと振って来るので、どうしても軸はブレやすい。そのため、両サイドのコントロールはアバウトになってしまうのではないのだろうか。足の甲では深く地面を捉えているものの、逆に膝小僧が地面に着くぐらいなので、そこまで浮き上がろうとする力を抑え込めていないのでは? 指先の感覚も、正直悪そうだ。 <故障のリスク> ☆☆ 2.0 お尻の落としに甘さを残すが、カーブやフォークといった捻り出して投げる球は滅多に観られないので、そこまで窮屈になることはないのでは? むしろ、ボールを持っている腕が高く上がり、グラブを持っている肩も下がっている上に外旋して来るので、肩への負担は大きいそうだ。フォームも力投派なので、疲労は蓄積しやすいのではないのだろうか。 <実戦的な術> ☆☆☆★ 3.5 「着地」までの粘りは平凡なものの、ボールの出どころは自体は隠せている。腕の振りも良く勢いがあるので、打者としては思わず吊られてしまう。ボールにも体重を乗せてからリリースできており、フィニッシュ時の足の跳ね上がりにも躍動感が感じられる。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「着地」や「球持ち」にもう少し粘りは欲しい。制球を司る動作は、大きく外旋して腕を振ってくるので球筋はブレやすい。故障のリスクも高そうだが、決め手の部分ではチェンジアップという絶対的なものがすでにあるので、そこまで気にする必要は無さそうだ。フォームをみても、制球と故障という部分ではリスキーな素材だと言えよう。 (最後に) 長く活躍するというよりも、爆発的な活躍を短期間するタイプなのかなという印象はあります。しかし、タフそうな体つきと気持ちの強い投球スタイルからも、リリーフとしては面白いと見る球団も出てくるでしょう。リスキーさもあることからも、下位指名ならばこそ妙味がでるタイプなのかなといった気はします。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2024年 都市対抗) |