24sp-15
下川 隼佑(24歳・オイシックス新潟) 投手 176/88 右/右 (湘南工科大附-神奈川工科大出身) | |
昨年あたりから、ドラフト候補として名前の上がっていた 下川 隼佑 。所属するオイシックス新潟が、今年からイースタン・リーグに参戦。そこでの投球で、大いにプロ入りを手繰り寄せた。 (投球内容) シーズン序盤は、先発だったが結果は出ず。その後、リリーフでの登板にかわってから、成績も安定しはじめた。 ストレート 125キロ~135キロ ☆☆☆★ 3.5 下手から浮き上がる独特の球筋で、ボールにも適度な切れ味が感じられる。いつもいうように、サブマリンの体感は、プラス15キロぐらい。そのため、打者からすれば、140キロ~150キロ ぐらいの球を投げ込んでくる投手だと考えれば妥当な感じだろうか。それほどゾーン内での制球力に繊細さなものはなく、制球よりもボールキレで勝負してくるタイプのサブマリンと言えるのではないのだろうか。 変化球 スライダー・カーブ・シンカーなど ☆☆☆ 3.0 打者の空振りを誘うような、大きな変化はしてこない。あくまでも、真っ直ぐとの見極めな困難な感じの小さな変化が多い。ただし、110キロ台のカーブを交えることで、多少緩急も利かせることができている。 その他 クィックは、1.05秒前後~1.25秒前後ぐらいと幅広い。これは、投げるタイミングを意図的に変えているのだろうか? 牽制は観られなかったが、走者への目配せは忘れていない。また、ある程度ボールも長く持てるので、意外に走者はスタートが切り難いのかもしれない。 (投球のまとめ) 打者を仕留めきれるほどの変化球がないので、勝負どころでは速球でといった投球スタイル。それだけに、長いイニングだと苦しくなってしまう。相手の目が慣れるまでに、しっかり役割を全うするといった投球が、この選手の役割ではないのだろうか。 (成績から考える) 今シーズンは、イースタン・リーグで 40試合 4勝8敗 112回 108安 53四死 102三 防 3.86 といった内容でした。ちなみに昨年は、BCリーグで11勝をあげ、防 2.38 で全体で3位の防御率でしたが指名されませんでした。 1,被安打は投球回数の80%以下 ✕ 被安打率は、96.4% と高め。いつも言うように、二軍での被安打率は、80%以下で圧倒できないようでないと苦しいと書いている。そういった意味では、一軍の打力に対しては、かなり厳しいことは否定できない。 2,四死球は投球回数の1/3(33.3%)以下 ✕ 四死球率は、47.3% とかなり高い。三振が多く取れる選手ならば、40%以内ぐらいまでは許容範囲。しかし、その数字をも越えてしまっている。 3,奪三振は、1イニングあたり 0.9個以上 ◯ 1イニングあたりの奪三振は、0.91個。先発の場合は0.8個以上であり、リリーフの基準でもクリアできている。そんなに絶対的な変化球はないのだが、この浮き上がる球筋とキレのある球で、要所でも三振が奪えているということなのだろう。 4,防御率は 2点台以内 ✕ 信頼できる先発ならば、2点台。さらにリリーフならば、2.50以内 ぐらいにまとめないと苦しい。一軍と二軍の防御率の差は、1点ぐらいは最低でもありそうなので、3.86 だとかなり厳しいのではないのだろうか。 (成績からわかること) イースタンリーグの成績からも、かなり即一軍で通用するのは厳しいことが伺われる。プロ入り後は、さらなる成長が求められるのではないのだろうか。ただし短いイニングで、それも 中川颯(DeNA)のような、右打者中心にといった限定的な起用ならば、活路を見出して行けるかもしれない。 (最後に) こういった投手がチームにいなく、投手陣のバラエティを増やしたいという意味では、指名の意図もわからなくはない。ただし、完成度はある程度のものはあるものの、即一軍で使えるほどの実力はまだ厳しいと考える。あとは、いかに使い方を限定して、ピンポイントで起用することで、彼の良さを引き出して行けるかではないのだろうか。そういったこともあり、 ☆ (支配下級) までの評価には至らなかった。 (2024年 イースタン・リーグ公式戦) |