24ky-7
箱山 遥人(健大高崎3年)捕手 176/78 右/右 | |
圧倒的に肩が強いだとか、打撃が凄みとかそういった素材としての凄みこそ感じられないものの、攻守に高いレベルでまとまっているのが、この 箱山 遥人 。高校から、プロ入りを意識できる素材ではないのだろうか。 (ディフェンス面) ガンガン俺について来いといったタイプではなく、投手と対話しながら試合を作ってゆくタイプの捕手です。投球に対しても、しっかり立って返球するなど、プレーに雑なところは見られません。 際どいコースへのキャッチングなども、フレーミングなどを意識でまずまず。それほどフットワークが機敏に見えないものの、必要に応じて動ける選手ではあります。ただし、一度ミット地面の方に下げてしまう癖があるので、少しワンバウンド処理の際に反応が遅れたり、左投手のワンバウンドして逃げてゆく、最も難しいと言われるボール処理をミスしたりはしていました。それほど、体全体でボールを止めにゆこうという意識が弱いので、ワンバウンド処理に関してはプロでかなり鍛えないと行けないかもしれません。 リード面は、結構相手の打者の動作から裏をかくことができていました。送球に関しては、まだ精度などに課題を残すものの、ハマった時には 1.8秒台中盤を記録するなど、地肩・素早さなども基準以上のものがあります。圧倒的だとは思わないものの、高校からプロでやって行ける、そういったディフェンス力はあるのではないのでしょうか。 (打撃内容) このセンバツでは、タレント揃いのチームの中でも4番を務め、5試合で 打率.444厘 6打点 を稼ぎ、打撃でも存在感を示せました。けして長打で魅了するタイプではないのですが、新基準バットでもあわやホームランというフェンス直撃の長打も放っています。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰のすわり具合・全体のバランスはまずまずでしたが、両眼で前を見据えるといった意味では並ぐらいでしょうか。 <仕掛け> 平均 投手の重心が下がりきった底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。昨年は、「早めの仕掛け」を採用していたので、若干始動が遅くなった気もしますが、たまたまなのかもしれません。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を引き上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも幅広く対応したいタイプかと。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にもブレずに我慢。したがって逃げてゆく球や、低めの球にも食らいついたり、右方向にも打ち返すことができます。ただし、昨年見た時のほうが、もう少し「間」が上手くとれタイミングをあわせるのが上手かったように見えました。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形は自然体で、力みなくボールを呼び込めています。スイング軌道も外角の球を叩く際には、インサイドアウトではないものの、内角の球をさばく時には上手くインサイドアウトで出てくるなど、スイングを使い分けています。 インパクトの際にも、バットの先端であるヘッドが下がらないので、広い面でボールを捉えられています。したがって、フェアゾーンにボールが飛びやすいのではないのでしょうか。スイングの弧も大きめで、けして角度を付けて飛ばす感じではありませんでしたが、最後まできっちり振れています。 <軸> ☆☆☆ 3.0 足の上げ下げはありますが、目線の上下動はそれほどでも。体の開きも我慢できていますが、軸足は少し内が窮屈そうには見えました。自分からボールに向かって行きそうになったり、軸足の形が崩れたりと、調子の波は以外に激しいタイプかもしれません。 (打撃のまとめ) それほど長打で魅了するというよりは、二塁打などが多い中距離・ポイントゲッターといった感じでしょうか。昨年のほうが、上手く「間」が取れていた印象はあるものの、スイング軌道に癖がないところは好いところ。ホームランで圧倒する凄みはありませんが、下位打線で自分の仕事はきっちりこなすだけの打力はあるのではないかと見ています。 (最後に) 上位指名でゆくほどの、攻守に凄みは感じませんでした。それでもディフェンスも水準以上のものがありますし、打撃もドラフト候補としての水準をクリアできているように思います。攻守で指名レベルにあるという捕手は、今年の高校球界でも貴重な存在です。順調にアピールを続けて行ければ、本会議での指名も現実味を帯びてきそうです。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2024年 センバツ大会) |
箱山 遥人(健大高崎2年)捕手 177/83 右/右 | |
下級生の頃から甲子園などに出場し、捕手としてのセンスの良さを魅せてきた 箱山 遥人 。秋は、4番・捕手でキャプテンという重責を見事に全うしている印象で、24年度のドラフト候補に位置づけられそうな選手だった。 (ディフェンス面) 何か気がついたことがあると、すぐにマウンドに駆け寄る対話を重視するプレースタイルです。ミットを投手に示し、グラブを地面に着けるような癖はありません。際どいコースのミットの出し方に、ワンバウンド処理なども素早く反応できています。それほど機敏に動く素軽さは感じられませんが、必要なときには動ける、そういった選手です。 リードも、結構相手の打者の動作から、裏をかくことができていました。イニング間の二塁までの送球は、1.9秒台とタイムは平凡でだったものの、送球の精度や地肩の強さは水準以上。相手が警戒して、なかなか走ってくれないので、試合中での送球は確認できず。実戦の中での送球の精度・タイムなども、ぜひ最終学年では確認してみたいところです。ディフェンス力は、ドラフト指名を意識できる水準に、到達しつつあるように感じました。 (打撃内容) 2年春の選抜では、3打数2安打を放ち全国大会でも打力の片鱗を示した。広角に打ち返すポイントゲッターで、それほどオーバー・フェンスで魅了するとか、そういったタイプの打者ではないような。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 両足を揃えたスクエアスタンスで、前の足のカカトを浮かせて構えます。グリップの高さは平均的で、腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスと、それなりといった感じがします。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下がりはじめるときに動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足を引き上げて回し込み、真っすぐから少しベース側に踏み込んできます。始動~着地までの「間」の取り方はうまく、真っすぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプか。 踏み込んだ前の足も、インパクトの際にブレずに止まっていません。したがって、逃げてゆく球や低めの球に対しても、食らいつくことができます。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形は自然体で、力みなくボールを呼び込めています。バットの振り出しは、低めや内角をさばくときはインサイドアウトで出てくる感じで、外角の球をさばくときはロス無く振り抜けているように感じました。ヘッドの下がらないので広い面でボールを捉えられているので、フェアゾーンにボールが飛びやすい。大きな孤を描ききっちり振り抜いて来るので、打球も想像以上に伸びていた。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 自分から少しボールに向かって行ってしまうのがあるので、体が突っ込まないように注意したい。体の開きは我慢できており、軸足も地面から真っすぐ伸びており、安定感のある打撃を実現している。 (打撃のまとめ) 長打で魅了するいったタイプではないが、「間」の図り方が上手く、対応力の高い打撃を実現しています。勝負どころでも、自分の役割をしっかりこなせる打力も兼ね備えているのではないのだろうか。 (最後に) 高校の先輩である 清水 叶人(広島)のような、圧倒的な飛距離や地肩はないように見える。しかし、捕手としての総合力や打者としての確実性という意味では、上を行ける素材といった気がする。上位指名されるほど垢抜けたものを示せるかは微妙だが、攻守にバランスのとれた捕手として、高校からのプロ入りも充分意識できる素材ではないのだろうか。 (2023年秋 群馬大会) |