24ky-6
森 駿太(桐光学園3年)遊撃 186/80 右/左 | |
この春観戦したの時の 森 駿太 は、第一打席に甘い球を逃さずセンター前ヒット、第二打席には、少々打ち上げた感じだと思った打球が、そのままライトスタンドまで飛んでいった。その後は、死球のあとセンターフライといった感じで、この日の内容では、もっと高いレベルの投手と対峙したときに、どんな打撃を見るのか見たかったといった印象が残った。 走塁面:☆☆☆☆ 4.0 186センチと大型選手なので、そこまで俊敏には見えない。しかし、一塁到達タイムは、速いときで 3.85秒前後と、プロに混ぜても上位クラス。現状は、そこまで走力を全面に出したプレースタイルではないものの、持っている走力は相当高いと考えられる。今後の意識やセンス 守備面:☆☆☆★ 3.5 秋は、怪我のため一塁での出場だった。この春観戦した試合では先発で、試合前練習でも守備は確認できず。マウンドを降りたあとに、無難にショートゴロをさばく場面が見られた。この選手が良いのは、大型の割に細かいステップが刻めること。あまり打球を正面で捕りたがらないのは気になるが、送球も垂れずミットに突き刺さる。投手としては、常時130キロ台中盤~後半ぐらいで、驚くほどの強肩ではないものの、ドラフト候補としても、中の上 ぐらいの肩の強さはありそうだ。 この春見て思ったのは、想像以上に脚力があること。守備の成長具合は正直よくわからない部分はあったので、このへんは夏にもう少し詰めて行きたい。将来的にプロで二遊間を担えるほどかと言われると微妙だと思うが、高校生のドラフト候補としては、標準的な守備力と、基準以上の身体能力を秘めていると見て良さそうだ。 (打撃内容) 秋には関東大会にも出場していたが、怪我のため精彩を欠いていた。スラッガーという感じではないのだが、時々ビックリするような飛距離の打球を放つことがある。ちなみに、2年春の春季大会では、杉山 遥希(横浜高-西武3位)左腕からも特大のホームランを放っている。3年春の神奈川県大会では、4試合で 14打数7安打 という記録を残している。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を大きく引いて、グリップを高めに添えバットは寝せて構えます。腰の据わり具合・全体のバランスとしては並ですが、両眼で前を見据える姿勢はしっかりできています。それだけ球筋を、錯覚を起こすことなく追うことができます。昨年に比べると、構えは変わっていました(下記の寸評を参考に見比べてください) <仕掛け> 遅すぎ 開いていた足を一度ベース側に戻し、投手がリリースを迎えるあたりで動き出す「遅すぎる仕掛け」を採用。そのため、プロレベルのスピードやキレのある球を投げる投手に対しては、対応に苦労するかもしれません。昨年は、投手の重心が沈み始める前に動き出す「早過ぎる仕掛け」だったので、極端に始動のタイミングが変わってきています。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 足を小さくステップさせ、真っすぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」がないので、狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」が求められます。真っすぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。 追い込まれまでは、前の足も動いてしまうぐらいにフルスイングしてきます。しかし追い込まれてからは、少し動作を小さめにして、足元もブレずにセンター中心にはじき返すなど切り替えた打撃ができる選手です。そういった意味では、追い込まれるまでは引っ張り中心なのかもしれませんが、追い込まれてからは逃げて行く球や低めの球にも食らいつくことができます。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は早めて作れているので、始動の遅さを補うことができています。バットの振り出しは、けしてインサイド・アウトではないので、ある程度ボールと体との距離はとりたいタイプ。それでも外角の球に対しては、ヘッドが下ることなく、大きな弧を描きつつ最後までしっかり振り切っています。基本的に長打は、引っ張って巻き込む時が多いのではないのでしょうか。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は小さめ。体の開きも我慢できているし、軸足も地面から真っすぐ伸びて安定しています。軸足の内モモの筋肉も発達しているので、捉えた打球は強烈です。 (打撃のまとめ) 昨年に比べると、始動のタイミングや構えが大きく変わっていました。一見粗っぽいフルスインガーに見えるのですが、追い込まれてからは、スイングを切り替えて確実性を重視します。始動の遅さからも、レベルの高い投手相手に苦労しそうですが、捉えた時の飛距離なども含めて、非常にスケールの大きいそうなスイングをする選手です。 (最後に) とにかくイケイケで積極性がある反面、集中力などがどうかな? と観ていて思うところはあります。それでも、誰よりもいち早く守備位置に着く姿勢を、点差に関係なく続けるなど、意志の強さは感じられます。こういった個性を活かしてあげられる球団であれば、大きく化けるかもしれない。そういったポテンシャルの高さを感じさせてくれる選手であり、夏までに守備や打撃の能力を、もう少し見極めて最終的な評価はしたいところです。春の時点でも4位前後の評価をしても良いのかなと感じましたし、夏のアピール次第では上位も狙えるかもしれない。 蔵の評価:☆☆(中位指名級) (2024年 春季神奈川大会) |
森 駿太(桐光学園2年)遊撃 186/80 右/左 | |
今年の高校生遊撃手の中でも、全国で3本の指に入りそうなのが、この 森 駿太 。今後のアピール次第では、ドラフト上位でのプロ入りも充分意識できる素材だろう。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 大型故にそれほど俊敏には見えないものの、一歩ずつが大きいのか? 速い時には左打席から4.0秒前後で一塁に到達する脚力がある。試合で盗塁を仕掛けてくるということはないのだが、持っている脚力はプロの基準を上回る。 守備面:☆☆☆★ 3.5 打球をあまり正面では捕りたがらない傾向はあるものの、大型の割に細かいステップも刻めるし、強肩なので送球が乱れないのが好いところ。垢抜けて動きが好いわけではないが、大型でも動きが緩慢に見えないなど、ドラフト候補としての基準を満たすだけの守備力は有している。 (打撃内容) 秋は、怪我などもあり一塁手として出場。確実性はそれほど高くないが、捉えた時にビックリするような飛距離のホームランを放つことがある。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。背筋を伸ばしつつ、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスとしてはそれなりといった感じがする。 <仕掛け> 早すぎ 投手のが重心を下げ始める前から足を引き上げてくる、「早すぎる仕掛け」を採用。このタイミングで始動すると、投手がまだ投げるタイミングを変えて投球ができるので、崩されややすい。ただし、この選手は、足を引き上げながらタイミングを合わせることができるので、あまり影響を受け難いのかもしれない。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を引き上げて、真っすぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は充分取れ、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。真っすぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプなのだろう。 踏み込んだ前の足も、インパクトの際にしっかり止まっている。したがって逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができる。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れ難い。バットの振リ出しも、けしてインサイドアウトではないものの、外角の球にはロスなく振り抜いてくる。バットのヘッドも下がらずボールを捉えられているので、フェアゾーンにも打球は飛びやすい。大きな孤を描き、最後までしっかり振り切ってくる。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げはあるが、目線の上下動はそれなり。体の開きも我慢できているが、しいて言えば、少しステップが狭いせいで窮屈には感じられる。この辺が、打撃の幅という意味ではどうだろうか? それでも内モモの筋肉も適度に強そうで、強い打球と飛距離を生み出す原動力になっている。 (打撃のまとめ) まだ対応力という意味では、そこまで突出はしていない。それでも、しっかり捉えた時の打球は見事だし、スイング自体にも悪い癖は見当たらない。素直に振り込み、野球を探求して行ければ、最終学年でまだまだ良くなって行けるだろう。 (最後に) 守備でも打撃でも、秋の時点でドラフト候補としての許容範囲のレベルに到達している。走力・地肩・飛距離など、素材としての潜在能力の高さも感じさせるだけに、高校からプロ意識できるポテンシャルを秘めている。あとは、内から滲み出てくるような凄みが出てくると、いよいよ最上位でのプロ入りも狙えるようになるのではないのだろうか。持っているポテンシャルは、高校球界でも屈指のショートではないかとみている。 (2023年秋 神奈川大会) |