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森 駿太(桐光学園2年)遊撃 186/80 右/左 





「上位で行ける可能性が」





 今年の高校生遊撃手の中でも、全国で3本の指に入りそうなのが、この 森 駿太 。今後のアピール次第では、ドラフト上位でのプロ入りも充分意識できる素材だろう。


走塁面:
☆☆☆★ 3.5

 大型故にそれほど俊敏には見えないものの、一歩ずつが大きいのか? 速い時には左打席から4.0秒前後で一塁に到達する脚力がある。試合で盗塁を仕掛けてくるということはないのだが、
持っている脚力はプロの基準を上回る

守備面:
☆☆☆★ 3.5

 打球をあまり正面では捕りたがらない傾向はあるものの、大型の割に細かいステップも刻めるし、
強肩なので送球が乱れないのが好いところ。垢抜けて動きが好いわけではないが、大型でも動きが緩慢に見えないなど、ドラフト候補としての基準を満たすだけの守備力は有している。





(打撃内容)

 秋は、怪我などもあり一塁手として出場。確実性はそれほど高くないが、
捉えた時にビックリするような飛距離のホームランを放つことがある。


<構え> ☆☆☆★ 3.5

 
両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。背筋を伸ばしつつ、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスとしてはそれなりといった感じがする。

<仕掛け> 早すぎ

 投手のが重心を下げ始める前から足を引き上げてくる、「早すぎる仕掛け」を採用。このタイミングで始動すると、投手がまだ投げるタイミングを変えて投球ができるので、崩されややすい。ただし、この選手は、
足を引き上げながらタイミングを合わせることができるので、あまり影響を受け難いのかもしれない。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げて、真っすぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は充分取れ、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。真っすぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプなのだろう。

 踏み込んだ前の足も、
インパクトの際にしっかり止まっている。したがって逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができる。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れ難い。バットの振リ出しも、けしてインサイドアウトではないものの、外角の球にはロスなく振り抜いてくる。バットのヘッドも下がらずボールを捉えられているので、フェアゾーンにも打球は飛びやすい。大きな孤を描き、最後までしっかり振り切ってくる。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げはあるが、目線の上下動はそれなり。体の開きも我慢できているが、しいて言えば、少し
ステップが狭いせいで窮屈には感じられる。この辺が、打撃の幅という意味ではどうだろうか? それでも内モモの筋肉も適度に強そうで、強い打球と飛距離を生み出す原動力になっている。

(打撃のまとめ)

 まだ対応力という意味では、そこまで突出はしていない。それでも、しっかり捉えた時の打球は見事だし、
スイング自体にも悪い癖は見当たらない。素直に振り込み、野球を探求して行ければ、最終学年でまだまだ良くなって行けるだろう。


(最後に)

 守備でも打撃でも、秋の時点でドラフト候補としての許容範囲のレベルに到達している。
走力・地肩・飛距離など、素材としての潜在能力の高さも感じさせるだけに、高校からプロ意識できるポテンシャルを秘めている。あとは、内から滲み出てくるような凄みが出てくると、いよいよ最上位でのプロ入りも狙えるようになるのではないのだろうか。持っているポテンシャルは、高校球界でも屈指のショートではないかとみている。


(2023年秋 神奈川大会)