24ky-5





 今坂 幸暉(大阪学院大高3年)遊撃 178/80 右/左





 「想像よりずっと良かった」





 オフに、映像をみて寸評を作成してみた 今坂 幸暉 。一冬越えた彼を、春季近畿大会で観に行ってきた。そこで見る彼は、私のイメージより、遥かに良い選手だった。

走塁面:☆☆☆ 3.0

 昨年図ったときも、一塁まで左打席から 4.2秒前後と平凡だった。この春も計測したときは、多少緩めたのもあるものの、セカンドゴロの際に 4.45秒強ぐらいと遅い。しかし、
ベースランニングなどをみるとかなり速そうで、出塁すれば積極的に盗塁を仕掛けてくるなど、持っている走力は水準以上であるのは間違い無さそう。普段の動きを見ていても、日本人離れしたバネを感じさせる素材だ。プロに入って走力への意識や技術がついてくれば、走力でもアピールできる可能性を秘めているとみる。

守備面:
☆☆☆ 3.0

 昨年見たときは、守備に垢抜けたものはなく送球も不安定だった。今回みて思ったのは、
キャッチングはやや危なかしくは見えるものの、動き自体は良く、特に補球を丁寧にしようという姿勢が強く感じられた。また一塁までの球筋は衰えがなく、一直線に伸びてくるのは素晴らしい。そういった地肩の良さは一級品であるのは間違いないだろう。

 この身体能力が、
プロでショートして生きるのか? と言われると微妙な印象は受けている。しかし、肩・足の能力は高そうで、将来的には外野手あたりで大成するタイプではないのだろうか。それだからといって、内野手としての動きもけして悪くはなかった。守備のイメージは、一冬越えてかなり印象は変わってきている。


(打撃内容)

 確か観戦した試合では、セカンドゴロ・レフトフライ・四球・ファーストゴロと、打つ方では結果は残せなかった。ただし、二打席目のレフトフライの当たりは悪くなかった。春季大阪大会では、
10打数7安打と打ちまくっていたようだ。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 前の足を引いて、カカトを浮かせて構えます。グリップを高めに添えた強打者スタイルで、背筋を伸ばしつつ立ちます。両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスも良く、
理にかなった構えができています。構え自体は、昨年から変わっていない感じがします。

<仕掛け> 早すぎ

 投手の重心が下りはじめる前から動き出す、「早すぎる仕掛け」を採用。重心が下がり始める前に動き出す、投手が投げるタイミングを変えることができるので、タイミングが狂わされる恐れがあり難しい。彼なりのタイミングの取り方なので無理に変えることはないと思うが、少しそのことは頭の片隅に入れておいても良いのかもと。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を上げて、少しアウトステップ気味に踏み出してきます。始動~着地までの「間」は充分あるので、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応できる。少しアウトステップすることからも、内角への意識が強いのかも。それでも、しっかりレフト方向へも打球が飛んでゆく。

 踏み込んだ
足元も、インパクトの際にはブレずに止まっている。したがってアウトステップでも、甘めの外角球や高めの球ならば、無理なくスイングはできるはず。始動は早いものの、そこまでタイミングを上手く図ってくるといった感じではない。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」を作るのは早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配は無さそう。けして、インサイドアウトにバットが出てくるタイプではないものの、
外の球に対してはロス無くスイングできている。その分、バットのしなりを生かしたスイングができていて、木製バットでも打球が飛んでゆきそうなプロ仕様なスイング。バットの先端であるヘッドも下がらないので、フェアゾーンにもボールが飛びやすい。けして、打球に角度を付けて飛ばすタイプではないが、最後まできっちり振り抜いて来るし、スイングにも鋭さが感じられる。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げも静かで、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定している。そういった意味では、調子の波は少ないタイプかもしれない。
軸足の内モモの筋肉も適度に発達しており、強い打球を生み出す原動力になっている。

(打撃のまとめ)

 思った以上に技術的な欠点はなく、素直に筋力と経験を積んでゆけば、上のレベルでも通用しそうなスイングです。かなり荒れ荒れの素材をイメージしますが、けしてそんなことはありません。
抑えるべきポイントは、しっかり抑えられています。


(最後に)

 現時点では、まだ攻守に粗さは残します。それでも
確かな身体能力があり、打撃にも悪いクセがありません。この辺の身体能力の高さが、素直にプレーに結びつくようになると、大化けする可能性も感じます。球団やスカウトによって意見は別れるかもしれませんが、想像以上に高い評価をしてくる球団があっても不思議ではありません。ただし、現時点では、そこまで突出しているわけではないので、そこをどう未来像を描くかで変わってきそうです。


蔵の評価:
☆☆ (中位指名級)


(2024年 春季近畿大会)


 








今坂 幸暉(大阪学院大高2年) 遊撃 178/78 右/左





「ドラフト候補には入ってきそう」





 福留 孝介(PL学園-日本生命-中日-阪神)2世 とも話題になっている 今坂 幸暉 。それはともかく、来春に向けてドラフト候補の一人としてマークできる素材であるのは間違い無さそうだ。


(守備・走塁面)

 夏の大阪大会で3試合ほどみたが、一塁までの到達タイムは、左打席から4.2秒ぐらいで、ドラフト候補としては 中の下 ぐらいのタイム。ただし、出塁すればすかさず次の塁を狙いにゆく姿勢であり、
3試合で8盗塁を記録している。結構ガッチリ体格の選手で、それほどスピード感は感じられない。そういった意味では、対戦の相手のレベルが高い時に、どのぐらいの走力を魅せられるかは微妙な印象は受けている。

 ショートとしての動きも、まだ下級生だったこともあり、格別垢抜けたものはなかった。また3試合の中でも、結構
スローイングが乱れるケースがあり、送球には不安を残した。地肩は水準以上はありそうだったが、上のレベルでショートを任されるのかには疑問が残った。

 走力同様に守備面でも、最終学年にどのぐらいのパフォーマンスを魅せてくれるのか気にして行きたい。現状は、ドラフト候補としても守備も走塁も 並みぐらい なのかなといった印象だった。


(打撃内容)

 夏の大会では2番打者として、
10打数7安打 1本 7打点 打率.700厘 と打ちまくった。なみはや戦では、右中間スタンドに一発を放っており、打球も想像以上に伸びてくる。この選手の売りは、現状打撃にあると言えそうだ。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 左打者で、前の足を引いてグリップを高めに添えた強打者スタイル。腰の据わりもどっしりしていて、背筋も伸ばし、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスも悪くない。

<仕掛け> 早過ぎ

 投手が重心を下げだす前から足を引き上げているような選手であり、この段階で動き出すと投手に投げるタイミングを変えられる可能性があるので注意はしたい。それでも、ボールを捉えるまでの「間」は充分あるので、
対応力を重視したスタイルなのだろう。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を引き上げて、ベースから離れた方向にアウトステっプしてきます。始動~着地までの「間」は取れているので、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。アウトステップするように、内角への意識が強いようには見えます。

 踏み込んだ前の足も、
インパクトの際に止まってブレません。したがって逃げてゆく球や低めの球にも食らいつき、レフト方向へ流した打球が想像以上に伸びてゆきます。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みがないところは好いところ。ただし、
バットを引くのが遅れないように注意したい。

 バットの振り出しは、けしてインサイドアウトではありません。むしろ外角の球をバットのしなりを活かす感じのスイングで、流した打球が伸びるのそのせいかもしれません。アウトステップするのは、内角を引っ張りたいというよりも、あまり内角のさばきが得意ではなく、ある程度スペースを確保しておきたいというのがあるのかもしれません。

 インパクト後も、大きな孤を描いて力強く振りってきます。バットをボールの下に潜り込ませて、打球に角度を付けているように見えます。そのためヘッドを立てて、フェアゾーンに落とすが上手いとか、そういった感じのスイングでは無いように見えました。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げはありますが、目線の上下動はそれなり。体の開きは我慢できており、軸足も地面から真っ直ぐに伸びていて安定しているように感じました。そういった意味では、調子の波も少ないのかもしれません。
内モモの筋肉も発達しており、強烈な打球を生み出す原動力になっています。

(打撃のまとめ)

 ボールを捉える能力が突出しているというよりも、捉えた時の打球が強烈であり、
破壊力が対応力よりも勝っている感じがします。夏の大会では、格下の相手から打ちまくっていたので、最終学年ではレベルの高い投手から、いかに結果を残せるかではないのでしょうか。


(最後に)

 夏の大会で3試合みても、何処らへんに能力がありそうなのかは掴めていません。ただし、秋の時点では、守備や走力にそこまで特別ものは感じられませんでした。やはりこの選手は、打撃で何処まで評価を得られるのかといったタイプではないかと思います。現状は、上位候補かどうかまではイマイチ掴めないまま終わりました。春になっても良さそうだったら、春季大会に足を運んで確認してみたい一人です。


(2023年夏 大阪大会)