24ky-42
澤田 遥斗(京都国際3年) 中堅 170/68 右/両 | |
相手投手が左投げというのもあったと思うが、夏の甲子園・札幌日大戦での 澤田 遥斗 の打撃は、右方向への打撃に徹した打ち方だった。ただし、他の試合では引っ張ってもいたので、相手によってそういった打撃をしていたのだと考えられる。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁までの塁間は、右打席から 4.05秒前後。このタイムは、左打者に換算すると、3.8秒前後に相当するプロでも上位のタイム。この夏の京都大会では、6試合で一盗塁。甲子園での6試合でも、0盗塁で終わっている。脚力はあっても、現状盗塁をバシバシ仕掛けて来るタイプではないようだ。 守備面:☆☆☆★ 3.5 打球への反応や落下点までの入りには余裕があり、けして下手な外野手ではないようだ。送球を観ても、圧倒的ではないにしろ、中継まで強く低い送球ができていた。そういった意味では、守備でも肩でも 中の上 クラスはあるのではないのだろうか。 (打撃内容) 3年夏の甲子園では、6試合(24打数) 0本 0点 打率.375厘 の好成績で、チームの3番打者で活躍しました。長打で魅了するというよりも、センターから右方向へのはじき返すタイプの打球が目立つ選手でした。 <構え> ☆☆★ 2.5 右打席から幾分クローズドスタンス気味に構え、グリップは高めに添えます。腰はあまり据わらず、両眼での前の見据え方や全体のバランスとしては、もう一つといった感じです。ただし構えからは、右方向に徹底的に打ち返そうという強いこだわりが感じられました。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が下がりきった底のあたりで、一度つま先立ちします。本格的に動き出すのは、リリース前後という「遅すぎる仕掛け」を採用しています。日本人の筋力やヘッドスピードを考えると、ここまで遅いタイミングでの始動ではプロレベルの投手への対応は厳しいのでは? 打撃スタイルは、最初の動き出しで決まるので、中距離打者から勝負強さを売りにするポイントゲッター的な色彩が強いのかもしれません。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 小さくステップして、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」がないので、狙い球を絞り、その球を逃さないことがより求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にブレずに我慢。そのため、逃げてゆく球は低めの球にも食らいつくことができます。また打球も、右方向中心にきっちり打ち返せます。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」の形は、早めに作れています。したがって、始動の遅さを補うことはできています。しかし、バットの振り出しは、少し遠回りに出てきます。そのため、インパクトまでにはロスは感じます。 それでもバットの先端であるヘッドは下がらないので、ドアスイングにはなっていません。広い面でボールを捉えることができているので、打球はフェアゾーンに飛びやすいのではないのでしょうか。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは静かなのですが、少し自分からボールに向かってしまう傾向が観られます。身体が突っ込まないように、注意したいところです。身体の開きも我慢でき、軸足の形も大きくは崩れてはいません。そういった意味では、調子の波は少ないタイプなのではないのでしょうか。 (打撃のまとめ) かなりクセのある打撃をしているので、評価は別れるタイプかと。しかし、そういった打撃を状況に応じたりとか、こだわりを持って行っているので悪くありません。けして長打で魅了するタイプではありませんが、根本的なミート能力は低く無さそうです。ただし、プロで指名されるほどのインパクトがあるのか? と言われると微妙です。 (最後に) 守備や走力には一定の能力があり、打撃も箸にも棒にもといった感じではありません。なんか、味のあるニ番打者あたり育ちそうな可能性は感じますが、本会議で指名するほどのインパクトはありませんでした。大味になりやすいプロの打線の中で、つなぎや進塁打が打てる、そういったタイプをチームに混ぜたかったのかもしれませんね。こういった選手が、プロでどのような役割を果たしてゆくのか?個人的には興味深く見守りたいところです。 (2024年夏 甲子園) |