24ky-40
福尾 遥真(学法石川3年)遊撃 181/77 右/左 | |
選抜大会でも、3安打を放ち存在感を示していた 福尾 遥真 。この夏の福島大会でも、打率.625厘 とヒットメーカーぶりは健在だった。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの塁間は、左打席から 4.15秒前後とドラフト候補としては 中~中の下 ぐらいのタイム。この夏の大会でも、5試合で0盗塁と、けして足で揺さぶって来るタイプでは無さそうだ。現状、プロで足を売りにする姿は見えて来ない。 守備面:☆☆☆★ 3.5 打球の正面に回り込むことを重視し、基本に忠実なプレーをする遊撃手。捕球~スローイングまでの動作にも余裕が感じられ、安心して観ていられるタイプ。しかし、普段の送球から緩いものが多く、急いで強い送球を投げようとすると、乱れてしまう恐れがあるのかもしれない。そのためプロでは、ショートよりもセカンド向きの選手なのかもしれない。 (打撃内容) やはり彼の最大の魅力は、コンタクト能力に優れた打撃にある。この夏は、5試合 0本 5点 打率.625厘 ながら、10本のヒットのうち5本がツーベースだった。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 左打席からの足を引いて構え、グリップは平均的な高さでバットを寝せて添えられている。背筋を伸ばしつつ全体のバランスもまずまずで、何より両眼でしっかり前を見据えられているところは好いところ。そのため、錯覚を起こすことなく球筋を追うことができている。 <仕掛け> 遅すぎる 投手の重心が沈む時、開いていた足をベース側に持って行きつま先立ち。本格的に動き出すのは、リリース直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。このタイミングでの始動は、日本人のヘッドスピードや筋力を考えると厳しいかもしれない。打撃スタイルとしては、最初に動き出すタイミングに起因するので、中距離・ポイントゲッタータイプというのが、この選手の本質なのかもしれない。ただし、プレーを観ている限りは、生粋のアベレージヒッターに見えてくる。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 小さくステップして、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」がないので、狙い球を絞りその球を逃さない「鋭さ」がより求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプなのでは? 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にしっかりとつま先が閉じられて踏み込めています。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができます。ただし、打球は、流し打ちよりも引っ張ったときの方が、鋭く強い打球が打てていました。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」を作るのは早めにできており、始動の遅さを補おうとしています。バットの振り出しも、上からインパクトまでロスなく振り下ろして捉えることができています。ただし、外角の球に対しては、ヘッドが下がってしまってファールになってしまうことも多いのかなと思う部分もあります。長打を放つ時も、おそらく引っ張った時が多いのではないのでしょうか。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げがほとんどないので、目線はほとんど動きません。また、身体開きも我慢できています。その一方で、ステップの幅が狭すぎるからなのか?後ろ足が、やや持て余し気味なのは気になりました。 (打撃のまとめ) ボールを捉え能力は高く、この点では高校生でも上位のレベルにあるように思います。その一方で、始動が遅すぎたり、ヘッドが下り気味だったり、ステップが狭すぎたりとか、外の球をキッチリ叩くという部分では課題を感じる部分があります。 (最後に) 足はそこまで速そうではないのと、守備も悪くはないのですが、送球を見る限りセカンド向きなのではないかと。また、打撃もプロの球威・スピードに対応するのには数年かかるのではないかといった気がします。しかし、根本的な当て勘の良さとボールのさばきの上手さはあるので、このへんは時間が解決してくれることを期待します。あとは、そういった中で、埋もれないで特徴を出して行けるのか? そこに懸かっているように思います。ミートセンスには良いものは持っていますが、☆ (支配下級)とまでのインパクトは受けませんでした。 (2024年夏 福島大会) |