24ky-39
広瀬 結煌(市立松戸3年) 遊撃 182/75 右/右 | |
夏の大会緒戦では、再三転がってくる打球に対し、ミスをすることなくそつなくさばいていた 広瀬 結煌 。この安定した守備こそが、この選手がプロ入りに漕ぎ着けた最大の要因だろう。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの塁間は、右打席から 4.40秒前後(左打者換算で 4.15秒前後)。多少一塁と交錯しそうになって緩めたのも考慮すると、ほぼドラフト指名される選手としては、平均的な脚力の持ち主ではないのだろうか。チームの1番打者を担っていたが、3試合で盗塁は記録していない。出塁しても、そこまで脚力でガンガンアピールしてくる、そういったタイプには見えなかった。 守備面:☆☆☆★ 3.5 垢抜けて動きが機敏だとか圧倒的に肩が好いとは感じはしなかった。適度に打球への反応まずまずで、打球への入り方は良く、送球を乱すことも少ない。派手さがある動きではないが、堅実で玄人好みするタイプの守備ではないのだろうか。守備に関しては、プロレベルでも二遊間を担って行ける選手ではないかとみている。 (打撃内容) 今後ネックになりそうなのは、打撃の方にある。夏の千葉大会では、3試合 0本 1点 打率.333厘 と数字的には悪く無さそうに見える。しかし、キッチリ捉えていた打球は少なかった。 <構え> ☆☆☆ 3.0 右打席から前の足を引いてカカトを浮かし、グリップは下げ気味に添えている。腰の据わり具合や両眼で前を見据える姿勢は悪くないものの、全体的にはあまりバランスの取れた構えにはなっていなかった。 <仕掛け> 遅め 投手の重心が下がりきって、前に移動する段階で動き出す、「遅めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、できるだけボールを引き付けてから動き出すので、生粋のニ番打者か天性の長距離打者に多くみられる始動のタイミングです。彼の場合は、前者のタイプだと考えられます。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 足を上げて、ベース側にインステップして踏み込んできます。始動~着地までの「間」は短く、狙い球を絞りその球を逃さない「鋭さ」が求められます。インステップするように、外角への意識が強そうです。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にはブレません。したがって逃げてゆく球や低めの球にも食らいつけますが、打球は引っ張りにかかることが多いので、引っ掛けてしまう打球も少なくないです。そのため、しっかり叩けるポイントは狭いのではないかと考えられます。 <リストワーク> ☆☆★ 2.5 打撃の準備である「トップ」を作るのが遅れがちで、速い球に立ち遅れやすいのが気になります。スイングの際にもバットが身体から離れてでくるので、どうしても遠回りに出てきます。それでも、バットの先端であるヘッドまでは下がっていないでの、ドアスイングにはなっていないようです。広い面でボールは捉えられるので、打球はフェアゾーンに飛びやすいとは思うのですが。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げはそれなりで、目線の上下動は大きくはありません。身体の開きも我慢できているのですが、インステップするぶん内角が窮屈なのか? 軸足の形が崩れがちです。そういった意味では、調子の波は激しいタイプなのかもしれません。 (打撃のまとめ) 始動が遅い割に、トップを作るのもバットを引くのが遅れて立ち遅れてしまっています。また、バットの振り出しも少し遠回りで、その辺で、今後そういった打撃を改善して行けるのかは気になります。この打力がネックになってしまい、早期の退団にならないか心配にはなります。 (最後に) 打撃では時間がかかりそうなので、その間にいかに守備で存在感を示せるかではないのでしょうか。ソフトバンクの育成力と、自分の居場所を見つける嗅覚が求められそうで いろいろと難しい立ち回りになりそうです。遊撃の守備を評価した、育成枠らしい育成指名だったのではないのでしょうか。 (20224年 千葉大会) |