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ウメビンユオ・オケム明(旭川志峯3年) 右翼 184/77 右/右 | |
ナイジェリア人の父と日本人の母とのハーフの選手で、高い身体能力が魅力の ウメビンユオ・オケム明 。ただし、試合を観る限り、まだその能力を充分には出し切れていない印象を受けた。 走塁面:☆☆☆ 3.0 3年夏の最後の試合となった白樺学園戦の際に、最後の打席となったショートゴロの際の一塁到達タイムは、右打席から 4.35秒前後だった。これを左打者に換算すると、4.1秒前後とドラフト候補の基準タイム。この夏は、5試合で1盗塁と、現状は50メートル5秒8と言われる脚力の片鱗は、試合からは伺えなかった。 守備面:☆☆☆ 3.0 打球への反応、落下点までの入りなどを観ていると、動きに迷い感じられず、打球勘などは悪くないように思えた。遠投100メートルとのことだが、小さめなテイクバックから投げ込むスローイングで、長い距離の送球はどうなのかな?といった印象は受けた。確かに地肩自体は悪くは無さそうだがったが、試合では遠投で強い送球をするというよりも、近くの内野手に素早く返球する、そういった返球に終始していたように見える。 脚力も肩もあるのだろうが、まだその能力を試合で活かすだけの技術には課題を残しているようだ。そういった部分を、プロの指導で、何処まで引き出してあげられるかではないのだろうか? (打撃内容) この夏の北北海道大会では、チームの4番にすわり 5試合(14打数) 1本 5点 1盗 打率.286厘 と内容だった。本塁打こそ一本だったが、二塁打・三塁打を一本ずつ放っている。 <構え> ☆☆☆ 3.0 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合・全体のバランスとしては可も不可もない感じだったが、両眼での前の見据える方は悪くなかった。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が下がりきって、前に移動する段階でベース側につま先立ち。本格的に動き出すのは、リリース前後といった感じで「遅すぎる仕掛け」を採用している。ハーフ特有の身体の強さはあるのだろうが、ここまで遅い段階での始動で、プロレベルのスピードに対応できるのだろうか? <足の運び> ☆☆☆ 3.0 小さくステップして、ベース側に踏み込むインステップを採用。始動~着地までの「間」はなく、あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さないことが求められます。インステップするように、外角への意識が高いのではないのでしょうか。 それでも踏み込んだ前の足は、インパクトの際にブレずに止まっています。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことは可能です。ただし、何処まで右方向への意識があるかは微妙で、引っ張り中心の打撃であるように思います。それだけに、引っ掛ける打球も多くなる危険性は感じます。 <リストワーク> ☆☆★ 2.5 打撃の準備である「トップ」の形は自然体で力みを感じないのは好いのですが、始動が遅すぎる上に「トップ」の作りも遅れてしまうのではないかという心配はあります。バットの振り出しも、少し身体からバットが離れて出てくるのでロスは感じます。 それでもバットの先端であるヘッドまで下がっていないので、そこまでドアスイングにはなっていないこと。また、内角寄りの球は肘をたたんでさばけているので、引っ張りの打撃は下手ではありません。むしろ、腕をしっかり伸ばして打つ時に、打ち損じが少なくさばけるのかの方が気になります。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は小さめ。身体の開きも我慢でき、軸足の形も崩れず、軸を起点に回転できているところは好いところです。 (打撃のまとめ) 打撃に関しても、かなり時間がかかることが予想されます。ただし、根本的な当て勘みたいなのは悪く無さそうで、結構芯でしっかり捉えている打球も多く、思ったほど脆さを感じないところは好いところ。そういった部分と、秘めたるポテンシャルが上手く融合できると、結果も伴ってくるのではないのだろうか。 (最後に) 脚力・地肩の強さというのは、ちょっとプレーを見る限りはよくわからなかった。打撃も、打球は強いものの、それほど飛ばし屋といった感じでもないので、プロの中でどういった部分を売りにしてゆくのか未来像がまだ見えて来ない。時間はかかると思うので、球団も腰を据えて長い目で見守って頂きたいと願いたくなる選手だった。ある意味、育成枠らしい育成選手といった感じの素材型です。 (2024年夏 北北海道大会) |