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小針 大輝(日大鶴ヶ丘3年) 一塁 191/81 左/左





「思ったよりも好打者寄り」





 強烈な打球で、二塁打・三塁打が多いタイプの強打者のイメージがあった 小針 大輝 。しかし実際は、想像以上に膝を柔らかく使って低めの球を上手く拾ったりする好打者の色彩の強い打者だったことに驚かされた。


走塁面:
☆☆☆★ 3.5

 一塁までの塁間は、左打席から 多少緩めても 3.95秒前後で到達したのには驚いた。積極的に盗塁を仕掛けて来るイメージは薄いものの、
想像以上に脚力がある選手と観て良いだろう。ベイスターズで言えば、梶原昂希 のような存在なのかもしれない。

守備面:
☆☆☆ 3.0

 夏の予選では、背番号8を付けて出場。1年生のときは中堅を守っていたが、公式戦では一塁を守っている。一塁手としての動きは、可も不可もなしといった感じ。ただし、非常に背が高い選手なので、送球する内野手としては有り難い。ただし、一塁手なので、あまりノックなどを観ていても、肩が強いかはよくわからなかった。まだ、外野手としての打球勘やキャッチングに関してはも不明。ただし、球団としては、一塁というよりも、外野手としての起用を考えているようだ。





(打撃内容)

 3年夏の成績は、
2試合で、8打数3安打(2二塁打) 0本 2打点 1盗塁 打率.375厘 といった成績で終わっている。チームの3番打者を務め、セーフティバントで投手を揺さぶったりと、大型だけれども好打者タイプのプレースタイルに見えてくる。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前の足を引いてカカトを浮かし、グリップを高めに捕手側に引いて構えられている。背筋を伸ばし、両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスとしては、それなりといった感じがします。大きな選手ですが、打席で威圧感を放つ、そういったタイプではありません。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下がり始める時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視した、アベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそれなりで、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応できます。ただし、始動は早いのですが、上手くタイミングを合わせて来るとか、そういった動作はさほど観られません。

 真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプ。踏み出した足元は、
インパクトの際にもブレずに我慢できていました。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができ、左方向に流す打球にも無理がありませんでした。特にこの選手の特徴としては、膝を柔らかく使えるところで、低めの球にもしっかり対応できるところにあります。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」は自然体で、力みなくボールは呼び込めていました。振り出しは、バットを寝せて広い面で対応しようとします。ヘッドも下がっておらず、打球もフェアゾーンに飛びやすいのではないのでしょうか。

 スイング軌道にも、大きなロスは感じられません。ただし、手足が長いタイプなので、さほど内角のさばきは上手いわけではないのかもしれません。それほど引っ張りの打球は目立たないのですが、元々の肉体の力があるので、巻き込めた時には飛距離と打球の速さは感じられます。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 目線の上下動はそれなりで、身体の開きも適度には我慢できています。軸足の形も大きくは崩れていませんし、内モモの筋肉も適度に発達しています。そのため、強烈な打球を生み出す原動力になっているのでしょう。


(打撃のまとめ)

 タイミングの取り方だとか、ボールの合わせ方に特別なものを感じるわけではありません。それでも膝を柔らかく使うことで、低めの球にも対応できます。元々肉体的にも恵まれていて、オーバーフェンスこそ少ないのですが、
二塁打・三塁打などは多そうなタイプではあります。この身体ですが、現状はホームランを期待する、そういった打者ではないように感じました。


(最後に)

 
この体格ながら確かな脚力があるという稀少価値があり、さらに大化けを期待してという側面もあるように思います。とりあえず当てる能力は悪くないので、そういったところから長打力がついて来ると面白そうな素材という見方もできます。ただし現状は、支配下で獲得するほどの圧倒的な内容ではないので、 を付けるまでの評価には至りませんでした。上手くプロで秘めたるポテンシャルが花開けばといった、育成枠らしい指名ではないのでしょうか。


(2024年夏 西東京大会)