24ky-33
田内 真翔(おかやま山陽3年)遊撃 178/77 右/右 | |
昨夏は、下級生ながら核弾頭として、チームを甲子園の準々決勝まで牽引した 田内 真翔 。あれから一年の間に、だいぶ身体も大きくなって、確かな成長が感じられた。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの塁間は、右打席から 4.35秒前後で到達。これを左打者換算すると、4.1秒前後とプロの基準レベルのタイムとなる。プロで足を売りにするほど絶対的なものは感じられないが、適度に動ける走力は持っていそうだった。 守備面:☆☆☆ 3.0 昨夏甲子園に出場していたときは、三塁手だった。最終学年では遊撃を守るようになり、正面にまわる基本に忠実なプレーを心がけている印象。地肩は、中の上 ぐらいはありそうで、元々動きや球際での強さは下級生の時から悪くなかった。しかし、送球に不安定なところを見せていたが、だいぶこの一年で安定はしてきたのではないのだろうか。ただし、プロの世界だとショートで生き残るというよりも、いろいろな内野のポジションを守るといったユーティリティプレーヤー的な起用になるのではないのだろうか。 (打撃内容) 3年夏の岡山大会では、3番打者として出場。高校通算18本塁打と突出した数字ではないが、適度なパンチ力を秘めている。基本は、野手の間や内野手の頭の上を越えてゆくような、はじき返す打撃が持ち味のように思える。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。適度に腰は据わりは良くバランスは悪くないが、両眼でしっかり前を見据えるというよりも、肩口からボールを見る感じで立っている。昨年はグリップをかなり捕手側引いていたが、今年はオーソドックスな構えになっていた。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が沈みきったところで動き出す「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離打者や、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く観られる始動のタイミング。昨夏は、投手の重心が下がり始める前から動き出す「早すぎる仕掛け」を採用していた。始動の部分でも、オーソドックスな動き出しに変わってきている。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプか。 踏み込んだ前の足も、インパクトの際に止まってブレません。腰は少し早めに開くものの、足元が動かないことで、ある程度のところで開きを抑えられています。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも、食らいつくことができそうです。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形を早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配は少ないです。以前は、あらかじめグリップを引いていて少し力みがちだったのですが、そういった部分は薄れています。 バットの振り出しは、インパクトまで大きなロスは感じません。バットの先端であるヘッドも下がっておらず、それでいてスイングの弧は大きく取れて、最後まで振り切っています。 特にボールを捉える能力が特別だとか、物凄く遠くに飛ばせるとか、そういったスイングではないのですが、悪い癖がないのは好いところ。特に、昨年よりもだいぶ身体が大きくなっており、スイングにも力強さが出てきました。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げも静かで、目線の上下動も少なめ。身体の開きもある程度の我慢でき、軸足が崩れずにスイングできています。特に軸足の内モモの筋肉が凄く発達しているとか、そういった特別なものは感じられませんでした。そのため、プロの身体を作るのにも、少し時間が必要そうです。 (打撃のまとめ) 特にボールを捉える能力が非凡だとか、物凄く打球が速いとか、そういった何か特別なものを打撃で感じることはありませんでした。しかし、悪い癖もないので、今後の取り組み次第では、どんな選手に変貌してゆくのか楽しみです。。 (最後に) 現状は、守備・走塁・打撃と、どれも突出したものはない感じがします。そのため、プロでどのような部分を売りに生き残って行けるかが鍵になりそうです。ただし、スイングにはクセがないのと、昨夏に比べると目に見えて身体は大きくなり、力強さも増してきました。 打撃の課題にも真摯に向き合ってきた跡が観られますし、かなり内面が強そうな選手で、そのへんがあえて支配下で彼を獲得に動いた最大の理由かもしれません。時間はそれなりにかかるでしょうが、どこまで野球が上手くなって行けるか、見届けて行きたいと思わせてくれる選手でした。実力的に育成枠レベルだと思うので、あえて ☆ は付けませんが、スカウトが賭けてみたくなる、そういったものを秘めた選手なのかもしれません。 (2024年夏 岡山大会) |