24ky-29





谷村 剛(和歌山東3年)三塁 177/79 右/左
 




「強打者より好打者のイメージ」 





 長打で圧倒するというよりは、技術で魅了するタイプの 谷村 剛 。夏の和歌山大会でも、見るたびにヒットを打っていた印象が強い。しかし、敗れた近大新宮戦では、結果を残せず最後の夏を終えてしまった。

走塁面:
☆☆★ 2.5

 一塁までの到達タイムは、左打席から 4.3秒台 と、ドラフト候補としては 中の下から~下の上 ぐらいのタイムしか記録できなかった。実際もう少し動けそうなイメージはあるものの、夏の大会では4試合で0盗塁。それだけに現状は、足でアピールするタイプではないのだろう。

守備面:
☆☆☆★ 3.5

 その一方で、三塁守備では魅せていた。打球への反応もまずまずで、地肩も基準クラス。何より、
とっさの判断力が良さが光っていた。高校生の三塁手としては、上手い部類ではないのだろうか。





(打撃内容)

 最後の夏は、
4試合 1本 7点 打率.500厘 。高校通算は24本塁打で、ツボにハマればスタンドインのパンチ力は秘めるものの、本質的には飛距離を売りにするタイプでは無さそうだ。

<構え> 
☆☆☆ 3.0

 前の足を引いてカカトを少し浮かし、グリップの高さは平均的で捕手側に引いて添えています。腰の据わり具合や全体のバランスとしては平均的で、両眼で前を見据える姿勢はそれなりといった感じでしょうか。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が沈み始める時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多く見られる始動のタイミングです。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を軽く上げて、地面をなぞるように回し込んで真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は取れているのですが、少し
地面を捉えるのが速いのか? ステップが狭めにも見えます。そのため、始動の早さを、あまり活かしていないようにも見えます。

 真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプ。踏み込んだ
前の足はしっかり止まっているので、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができます。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の位置にあらかじめグリップがあるので、速い球に立ち遅れることはありません。ただし、トップを作るまでの遊びがないので、意外にタイミングが上手く計れていないように感じました。

 バットの振り出しは、けしてインサイドアウトではないものの、インパクトまでに大きなロスは感じられません。バットの先端である
ヘッドを上手く残し、フェアゾーンにボールを落とすことはできているのですが。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 
足の上げ下げが静かなので、目線の上下動は小さいのが特徴。球筋を、錯覚を起こすことなく追うことができています。体の開きも我慢できていますし、軸足にも粘りが感じます。あとは、ステップをもう少し取れると、打てるポイントが広がりそうです。

(打撃のまとめ)

 特にスイングにクセはないですが、思ったよりも
タイミングの合わせ方に課題があり、柔軟性にも欠けるかなと感じました。試合を見ているとミート力もあるし、柔らかく対応してくるタイプだと思っていたので、そのへんはむしろ驚きでした。今後、どうやって上手くタイミングをとったり、さばける球を広げて行けるかではないのでしょうか。


(最後に)

 三塁守備の動きが良く、打撃もセンスも悪くありません。ただし、長打で魅了するタイプではないので、そこまで高い評価は難しいかもしれません。そういった意味では、ドラフトでも育成枠での指名があるかないかぐらいなのかなとは見ていますが、果たして当日はどうなるでしょうか?


(2024年夏 和歌山大会)