24ky-25
齋藤 大翔(金沢)遊撃 181/76 右/右 | |
180センチ台の体格ながら、自分の体をこれだけ自在に動かせる選手は稀だと言える 齋藤 大翔 。そういった稀少価値からすると、ひょっとすると、何処かのチームから1位で呼ばれる可能性を秘めた遊撃手だと言えるであろう。 (守備・走塁面) 残念ながら、夏の石川大会の模様を3試合ほど見ましたが、一塁までの到達タイムは計測できず。ただし、身のこなしや普段の動きからも 中の上ぐらい の脚力はありそう。それでも盗塁をバシバシするタイプではないものの、50メートル 6.0秒 ということで、けして動けない選手では無さそうだ。 彼の最大の売りは、ダイナックな遊撃守備。180センチ台の大型内野手とは思えないほど、捕ってからも素早く、足さばきにも優れ、高校生のショートとしては上手い部類です。しいて気になる点をあげるとすれば、非常に肩は強いものの、送球が時々乱れる場面が見られるといったところでしょうか。 (打撃内容) この夏の石川大会では、3試合 9打数4安打 1二塁打 0本 5点 打率.414厘 と、勝負どころではセンター中心打ち返し、タイムリーなり犠牲フライを飛ばせていました。長打で魅了するタイプでもないのですが、自分の役割をしっかりこなせる能力はありそうです。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を軽く引いて、後ろ足に体重を預けつつグリップの高さは平均的。両眼でしっかり前を見据えられているので、錯覚を起こすことなく球筋を追いやすいです。 <仕掛け> 遅すぎ 一度ベース側につま先立ちして、本格的に動き出すのはリリース直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。そのため、プロレベルの球速の球に対しては、木製バットで打ち返すのには遅すぎるように思います。そういった意味では、プロのスピードやキレに順応するのには時間がかかりそうです。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 小さくステップして、前に真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」がないので、それだけ狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」が求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。 踏み込んだ前の足は、なんとかブレずに我慢できています。そのため、逃げてゆく球や低めの球に対しても、ある程度ついて行けそうです。見ている感じでは、高めの球の方が好きそうには見えました。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、始動の遅さをある程度は補えています。バットの振り出しも、特に内から出てくるというほどではないものの、インパクトまで大きなロスは感じられません。 バットの先端であるヘッドの下がりも少なく、大きな弧を描いて振り抜いてきます。そのため、上手く引っ張り込めた時にはセンターからレフト方向に大きな打球は飛ばせます。ただし、まだ振り込んできた量が足りないのか? まだまだスイング自体に、凄みみたいなものは感じられません。 <軸> ☆☆☆ 3.0 足の上げ下げが小さい割には、目線の動きはそれなりにあります。体の開きはなんとか我慢できていますが、軸足の形は崩れ気味。体が突っ込んだり、自分からボールにぶつかりゆかないように注意したいところではあります。 (打撃のまとめ) まだまだ筋力・体幹の強さなどに物足りなく、大きなスイングに体がついてきていないように感じました。当て勘に優れているとか、ボールを飛ばせる術を持っているとか、そういった特別なものは感じられず、センター中心にはじき返す打者ではないのでしょうか。体ができてくれば、長打も比例して増えてきそうなスイングの弧の大きさはあるのですが ・・・ 。 (最後に) 守備のスケールに関しては、歴代の高校生ショートでも屈指の動きの良さや身体能力の高さを感じます。ある意味、日本人のスケールを超えたワールドクラスのショートになれる可能性を秘めています。 その一方で、打撃はひ弱さが残り、何か特別のものを感じさせてくれるまでには至っていません。ただし、根本的に肉体のポテンシャルを持った選手といった感じなので、体ができてきた時に、どんな打撃を魅せてくれるのかといった楽しみは感じます。そのため、将来的には、打撃がネックになって大成を阻むとか、そういったことは無いように感じます。段階を踏んでゆけば、それなりには打てるようになれるのではとみています。 (最後に) 守備はある程度のレベルまで来ていますし、まだまだ良くなる余地を感じます。打撃に関しては、これからといった感じで、時間は5年ぐらいはかかるのではないのでしょうか。そういった覚悟を持った上で指名できる球団に、進んで行って欲しい気がします。上手くゆけば、今までにないスケールの守備を魅せる大型ショートが、日本に誕生するかもしれません。 蔵の評価:☆☆☆ (上位指名級) (2024年夏 石川大会) |