24ky-23
坂口 優志(樟南) 遊撃 180/75 右/右 | |
今年は、「高校生ショートの当たり年」ということで、春先からいろいろな選手を見てきた。しかし、夏までチェックできていない選手の中でも、最も気になったのが、この 坂口 優志 だった。 走塁面:☆☆★ 2.5 一塁までの到達タイムは、右打席から 4.55秒前後。これを左打者に換算すると、4.3秒前後に相当するタイムで、けしてドラフト候補としては速いタイムではない。この夏の鹿児島大会でも、5試合で盗塁は1個と、走力でアピールするタイプでは無さそうだ。タイム的には、もう少し速いものが出ても不思議ではなかったが。 守備面:☆☆☆★ 3.5 足の運びなどを見ていても、まずまずの動きの良さを魅せていた。特に彼の素晴らしいのは、送球が安定していたところ。少々難しい体勢からでも送球が乱れず、持っている地肩も基準以上なのだろう。そんなに動き回って派手な守備を魅せるわけではないが、プロでも二遊間で勝負して行ける素材だとみる。今後の成長次第では、プロの世界でも守備で存在感を示して行けるのではないのだろうか。 (打撃内容) 下級生の頃から中軸を任されている選手ではあるが、ホームラン連発といったタイプではない。試合を見ていても、センターや右方向に打ち返すなど、基本に忠実な打撃をするタイプといった気がした。ちなみに3年夏の鹿児島大会では、5試合で 二塁打1本を含む、0本 1点 打率..357厘 といった内容だった。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を引いてカカトを浮かし、後ろ足に体重をかけて構えます。グリップを高めに添えつつも、背筋を伸ばし、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスはまずまずといった感じです。 <仕掛け> 平均 投手の重心沈みきったあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離ヒッターや、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を大きく引き上げて、ほぼ真っ直ぐ踏み込んできます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応しやすいです。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。 少々足の動きが大きく忙しいでの、将来的にはもう少し、シンプルで小さな動きに変えてゆくことが求められるのかもしれません。それでも、踏み込んだ足はしっかり止まっているので、開きを我慢して逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことが期待できます。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めています。あとは、バットを引くのが遅れないように注意したいところ。また「トップ」自体も深く取れているので、弓矢の弓を強く引くがごとく、強い反発力が期待できます。 バットの振り出しも、内から出てくる感じで悪いクセはありません。バットの先端であるヘッドも下がりも少なく、フェアゾーンにボールが飛びやすいのでは? 最後まで、力強く振り切れています。 ただし、それほどボールに角度を付けて打つタイプではないので、長打よりも鋭い打球ではじき返すタイプだと考えられます。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げはそれなりにあるので、目線の上下動は並ぐらい。それでも体の開きは抑えられていますし、軸足の形も大きくは崩れないので、調子の波は少ないのではないのでしょうか。 (打撃のまとめ) スイング軌道が良く、トップの深さやスイングの弧が大きく、しっかり最後まで振り切れているところは好感。特別当て勘が素晴らしいとか、ボールを遠くに飛ばせるといった突出したものは感じられないものの、基本に忠実でありながらキッチリした打球を飛ばせる選手だと評価できます。 (最後に) 派手な攻守で魅了するタイプではないのですが、自分の仕事をきっちりこなすタイプとして好感が持てます。ドラフト的には、4位前後ぐらいの指名になるのではないかと見ていますが、右打ちのショートだけに本会議中に指名されるのではないのでしょうか。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2024年夏 鹿児島大会) |