24ky-23
山根 大翔(昌平3年)中堅&投手 183/88 左/左 | |
試合前練習から、センターからの返球には目をひくものがある 山根 大翔 。また、しっかり捉えた時の飛距離は確かで、春の関東大会では、1試合で2本塁打を放って存在感を示した。 (守備・走塁面) 中堅手としては、打球への反応・キャッチング・守備範囲などは、可も不可もなしかなといった印象。しかし、投手としても140キロ台を記録するように、センターからの返球には確かなものがある。この点では、プロでもアピールできる強味となるはずだ。 走力に関しては、残念ながら計測する機会はなかった。プロの基準レベルぐらいで走れる走力はありそうには見えるが、積極的に盗塁を試みるなど、走力でのアピール度はさほど高いとは言えない。今後もう少し、守備・走塁に関しては、夏の大会もみて、その能力を見極めてゆきたい。 (打撃内容) 春季関東大会の東海大菅生戦では、レフト前へのヒット。その後は、四球や外野フライで終わり、武相戦のような派手な活躍は見られませんでした。 <構え> ☆☆☆ 3.0 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップを高めに添えた強打者スタイル。少し前かがみ気味しながら腰を沈め、全体にクセのある構えとはなっている。しかしながら、両眼で前を見据える姿勢はしっかりできており、錯覚を起こすことなく球筋を追うことができている。 <仕掛け> 平均 投手の重心が下がりきったところで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足をあまり上げず、地面をなぞるようにして真っ直ぐ踏み込んできます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角の球でもさばきたいタイプのようです。 踏み込んだ足は、しっかりインパクトの際にはブレません。したがって、逃げてゆく球や低めの球に対しても、食らいつくことは可能だと考えられます。打球も、どの方向にも飛ばすことができていました。 <リストワーク> ☆☆★ 2.5 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めているところは良いところ。ただし、グリップが少し体の奥に入り過ぎて、さらにバットの振り出しも遠回りに出てきます。そのため、内角をさばくには、ある程度ボールと体とのスペースを確保しないとさばけません。 インパクトの際のヘッドの下がりはそれほど気にならないのですが、スイングの弧が凄く大きいとかフォロースルーを使ってというほどには見えませんでした。それでもバットのしなりを活かして振れるのので、まともにタイミングが合えば飛ばすことができるのでしょう。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが静かなので、目線の上下動は小さめ。体の開きも我慢でき、軸足の形も大きくは崩れていませんでした。特に軸足の筋肉に強さが感じられるので、それほど強振しなくても強烈な打球を飛ばせるのかもしれません。 (打撃のまとめ) 構えにクセがあったり、バットが遠回りに出てくるため、内角のさばきなどに課題は感じます。特にタイミングの取り方などに非凡なものは感じられないものの、両眼で前をしっかり見据えていたり、目線の上下動が小さなフォームなので、錯覚を起こさずにボールを呼び込める点は光ります。遠心力を生かしたスイングと軸足の強さからくる力の伝え方からも、非凡な長打力を示せるのかもしれません。ただし、打球は強烈ですが、現状は中距離ヒッターなのかなというイメージはあります。 (最後に) 投手としては、結構変化球を多めに混ぜるなど荒れ荒れの素材ではありませんでした。またフォームも思ったよりも滑らかですし、夏はサウスポーという観点からも、注目してみたいかなと感じる部分はあります。現状は、育成で指名があるかないかぐらいではないかと思っていますが、肩と長打力という魅力があるだけに、プロ志望であれば、何かしらの形で指名される可能性はあるのではないかと見ています。個人的な評価は、夏の大会を改めて見てみて、判断してゆきたいところです。 蔵の評価:追跡級! (2024年 春季関東大会) |