24ky-18
宇野 真仁朗(早稲田実業3年)三塁 177/78 右/右 | |
この春、3試合で3本塁打を放ち、一躍ドラフト候補として浮上してきた 宇野 真仁朗 。しかし、生で観戦したときには、思ったほどピンと来るものがなかった。果たしてこの男を、どのように位置づけるべきだろうか? 守備面:☆☆ 2.0 三塁手としての動きや地肩自体は悪くなかったものの、腕が横から出てくるスローイングは、試合前練習から気になっていた。球筋が安定しないので、試合でも送球は乱れていた。将来的には、サードよりも外野あたりの方が適正は高いのではないのだろうか? 走塁面:☆☆☆ 3.0 秋は5試合で2盗塁、この春も3試合で2盗塁と、適度に走る意欲は高そうです。実際走力を売りにして行けるほどかは疑問ですが、けして動けない選手では無さそう。一塁到達タイムは計測できなったが、、50メートル・6秒1 というタイムで走れるそうだ。 そういった意味でも、球筋が乱れやすい内野よりも、走力と地肩を生かした外野の方が良いかもしれません。特に、キャッチングよりもスローイングの方に問題がありそうなので。 (打撃内容) この春は、5試合 3本 4点 打率.615厘。私が観戦した試合では、最初の3打席はタイミングあっていませんでした。しかし、4打席目に高めに浮いた球を強烈に引っ張りレフト前ヒット。第五打席には、センターバックスクリーン横に叩き込み、やはり飛ばす能力はあるのだなと実感させられました。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を軽く引いて、つま先立ちして構えます。グリップは高めに添えた強打者スタイルで、腰を深く沈めつつ背筋を伸ばし、両眼で前を見据える姿勢も悪くは無さそうです。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が沈みきったあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を上げて、真っ直ぐ踏み出してます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプか? 踏み込んだ足元を地面にめり込ませ、足元もなんとか動かないように我慢。そういった意味では逃げてゆく球や低めの球にも対応できそうですが、基本引っ張り中心の打者なので、引っ張りきれる程度の甘めの球じゃないと巻き込めない可能性は高まります。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はありません。けしてインサイドアウトにバットが出てくる感じではないのですが、腕をうまく畳んで引っ張ることは下手では無さそう。バットの先端であるヘッドも下がってはいないので、フェアゾーンにもボールが飛びやすい感じはします。 スイングの弧も大きめにしっかり取れていますし、さほどフォロースルーを使ってボールを遠くに運ぶといった感じではありません。それでも体の強さを活かし、うまく引っ張り込めたときには、木製バットでもしっかりオーバーフェンスさせることができます。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げは静かなので、目線の上下動は少なめ。体の開きもなんとか我慢できていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて回転できています。そういった意味では、軸が安定したスイングといった感じがします。 (打撃のまとめ) タイミングの取り方などの対応力が平凡なのと、引っ張り中心の打撃のせいか? 対応力には特別なものは感じませんでした。それでも、うまく引っ張り込めたときの飛距離には見るべきものは持っています。個人的に当て勘に優れたものを持っていないとピンと来ないことも多いので、そのへんが将来的にどうなのかな?という疑問は残りました。 (最後に) 送球の不安定さと対応力の部分では、言われているほどの選手なのかな?という疑問は残ります。それでも、捉えたときの打球は見事ですし、肩・足の能力も水準を満たすだけのものはある。そういった意味では、夏まで追いかけて最終的な判断したいところです。 打席に入るときには、バッターボックスの前で屈伸し、ラインを踏まないように入ってきます。足場の馴らし方にもそれなりにこだわりがあり、自分なりのルーティンを持っているところは好感。早実の選手ですが、プロ志望だと訊いており、最終的にどのような評価でプロ入りできるのか気になるところです。今年は、こういった強打者タイプの選手が不足するだけに、夏もアピールできるようだと、一気に上位候補に浮上してくるかもしれません。 蔵の評価:追跡級! (2024年夏 春季東京大会) |