24ky-15
藤本 陽毅(京都国際3年)遊撃 170/69 右/右 | |
選抜に出場していたショートの中でも、この選手は面白いのではないかと思ったのが、この 藤本 陽毅 。初戦で敗れてしまったが、もう少し見てみたかった選手だった。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 試合で打球が飛んできたのは一回だけだったが、試合前のノックから細かいステップが刻め、動作の切り返しも素早く動きの良さが目立った。バウンドの合わせ方も上手く、補球も丁寧。守備に多くの時間を割く京都国際のショートらしく、非常に上手い選手との印象を受けた。地肩も基準レベル以上のものがあり、高校生のショートとしてはかなり上手い部類の選手ではないのだろうか。 走塁面;? チームでは、これまで一番を担うことが多かった。残念ながら一塁到達タイムを計測する機会が、選抜の試合ではなかった。それでも出塁すれば盗塁を決めたり、長打でも積極的な走塁が目立った。少なくても動けない選手ではなく、走塁も基準レベル~それ以上があるのではないかと思わせてくれる。この辺は、夏に向けて確認したい部分。 (打撃内容) 選抜では3番打者として4打数3安打だったが、引っ張り中心の打撃だった。秋は、ウィルス性肝炎を患い、出場も限られていた。その鬱憤を、甲子園の舞台でぶつけた形となった。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスとそれなりといった感じだが、構えたときに体を動かすなどの「揺らぎ」の動作が見られないので、少し柔軟性に欠けるようにも見えなくはない。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下るときに動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足を上げて回し込み、真っすぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。真っすぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプではないのでしょうか。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にブレません。引っ張りのときにも足元が開かないので、少し内角の厳しいところは窮屈かもと。それでも、意識次第では逃げて行く球や低めの球に対しても、食らいついてセンターから右方向にも打ち返すことが期待できそうだ。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めている。構えた時の揺らぎの動作が見られなくても、けして固いといったほどでは無さそうだ。 バットの振り出しに癖がないので、インパクトまでロスなく振り下ろすことができている。引っ張りだけでなく、センターから右方向にも、素直にバットが出てくるのではないのだろうか。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げはあるものの、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢でき、軸足を起点に綺麗に回転できている。軸足の形が崩れていないので、比較的安定した打撃が期待できそうだ。 (打撃のまとめ) 特に悪い癖がないスイング軌道や、技術的に大きな欠点が見当たりません。特に当て勘が非凡だとか、スイングに凄みは感じられませんでしたが、素直に伸びて行ける素材ではないかと思います。そういった意味では、高いレベルにも順応して行ける、そういった可能性を感じさせます。 (最後に) 選抜は初戦で敗れてしまって、正直もう少し見てみたかったというのはあります。そのため、夏まで追跡して評価しようと思っていました。しかし、試合前練習のノックの模様を確認したり、打撃フォームを分析するなかでの癖の無さなどを考えると、それ以上の能力を秘めた選手ではないかと感じました。 スカウト的な評価は育成クラスあたりなのかもしれませんが、個人的には支配下級の評価をしても良いのではないかと春の時点で感じます。できれば一度、生で見てみたい選手でした。夏までの内容次第では、本会議で指名される評価になってくるかもしれません。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2024年 選抜大会) |