24ky-10


 




正林 輝大(神村学園3年)右翼 179/84 右/左 





 「技術は高い」





 選抜の舞台では、ホームランを含む打率.556厘と打ちまくり、世代を代表する外野手であることを示した 正林 輝大 。夏に向けて、上位指名も期待される素材なのだ。


走塁面:
☆☆☆ 3.0

 一塁までの塁間は、左打席から 4.1秒前後。このタイムは、プロに入る左打者のタイムとしては平均的で、それでも選抜では2盗塁を決めるなど、
走塁への意識も変わってきている。けして足でアピールするタイプではないと思うが、強打者でもある程度動ける身体能力を持っている。

守備面:
☆☆☆ 3.0

 打球への反応や落下点までの入りを観ていると、余裕を持って処理できていました。そういった意味では、卒のない守備力はあるように思います。
地肩自体はそれなりに強いのですが、送球の形が悪く、制球・精度という意味ではどうでしょうか? けして守備的なアピールがあるタイプではないのですが、無難な守備力と地肩はあるので、プロでも両翼あたりならば任せられるようになりそうです。

 昨夏みた時は、守備・走塁 共に 中の下 ぐらいに見えました。そのため、いかに打撃で突き抜けられるかが鍵だと思いましたが、最終学年になり、守備・走塁でも成長を魅せ、平均クラス になってきたのではないのでしょうか。



(打撃内容)

 昨年の夏も、甲子園で
5試合に出場し、打率.435厘と打ちまくり、打撃は全国レベルであることを示していました。一冬超えて、さらに磨きがかかってきた印象です。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前の足を大きく開いて構えいるが、投球モーションに入る頃には、軽く引いた爪先立ちになっている。グリップの高さは平均的。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスと、まずまずのように見えます。昨夏から、構え自体はほとんど変わっていない。

<仕掛け> 遅め

 投手の重心が下がり切って、前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、できるだけボールを引き付けてから始動するので、天性のホームラン打者や生粋の二番打者に多くみられる始動のタイミング。彼の場合は、前者のタイプなのだろう。始動のタイミングも、昨夏と同じだった。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 小さく足を浮かし、真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの「間」は短く、狙い球を絞りその球を逃さない「鋭さ」が求められる。そういった打撃ができる選手なので、その点は問題は無さそう。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプ。

 踏み込んだ前の足は、
インパクトの際に止まっている。したがって逃げてゆく球や、低めの球にも食らいつくことができる。低めの球をうまくすくったり、レフト方向への打球も可能にしている。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込むことができている。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトといった感じではないものの、外角の球を捉えるのには大きなロスは感じられない。


 インパクト後も前を大きく取れるスイングで、さらにフォロースルーを使って打球を遠くに運ぶことができている。また内角の球に対して、ダウン軌道のスイングにして、それほど内からバットが出てくるわけでもないのに、上手くさばけていた。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げが静かなので、目線の上下動は小さめ。体の開きも我慢でき、
軸足の内モモの筋肉にも強さが感じられる。そのため、捉えた打球は強烈。少々軸足の形が窮屈に見えるので、本当に厳しい内角のさばきは苦しいかもしれない。

(打撃のまとめ)

 昨夏と、基本的な動作に大きな変化は観られない。さらに経験を積んで、その精度が高まった気がする。けして長距離打者ではないが、体の強さとフォロースルーを活かして、ボールを遠くに飛ばすこともできている。
中長距離打者になりうる、可能性を秘めているのかもしれない。


(最後に)

 選抜初戦の作新学院戦では、一打席目にカットボールで三振をきした。しかし二打席目には、そのカットボールに上手く対応して、ライトスタンドに叩き込んで魅せるなど、技術の高さが伺われる。高校からプロに入るべき素材であり、ドラフトでも3位前後での指名が期待できるのではないのだろうか。夏までに、さらに凄みを増すようだと、上位指名も見えてくるかもしれない。


蔵の評価:
☆☆(中位指名級)


(2024年 選抜大会)


 








正林 輝大(神村学園2年)右翼 178/82 右/左 
 




「横田クラスになれるかも」





 正林 輝大 を観ていると、亡くなわれた同じ鹿児島出身の 横田 慎太郎(鹿児島実-阪神)外野手を彷彿とさせる。高校時代の横田選手と比べても、打撃の潜在能力はヒケをとらない素材ではないのだろうか。


(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、左打席から 4.25秒前後。このタイムは、ドラフト候補の左打者としては 中の下 ぐらいと驚くほどタイムではない。けして動けない選手ではないが、プロで足を売りにする、そういったプレースタイルでは無さそうだ。

 旧チームから右翼を守り、秋もライトを守っていた。打球への反応、落下点まで追い方などをみると、さほど上手い外野手には見えない。
スローイングの形も好いとは言えないので、地肩は弱いとは思わないものの、長い距離の送球ではコントロールには不安を残す。

 現状は、走力も守備力も、中の下 ぐらいなのかなという感じではみている。やはりこの選手は、
打撃でアピールしてなんぼなのだろう。





(打撃内容)

 夏の甲子園では、
5試合 23打数 10安打 5打点 で、右に左に鋭い当たりを連発していた。秋の国体では、ホームランも放っている。

<構え> 
☆☆☆ 3.0

 前の足を大きく開いて構えいるが、投球モーションに入る頃には、軽く引いた爪先立ちになっている。グリップを高めに添えつつ、腰の据わり具合、全体のバランスとしては平均的だが、
両眼ではしっかり前を見据えられている。そのため球筋を、錯覚を起こすことなく追うことができる。

<仕掛け> 遅め

 投手の重心が下がり切って、前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、できるだけボールを引き付けてから始動するので、天性のホームラン打者や生粋の二番打者に多くみられる始動のタイミング。彼の場合は、前者のタイプなのだろう。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 小さく地面をなぞりながら、ほぼ真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの「間」は短く、狙い球を絞りその球を逃さない「鋭さ」が求められる。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプか。

 踏み込んだ前の足は、
インパクトの際に止まっている。したがって逃げてゆく球や、低めの球にも食らいつくことができる。低めの球をうまくすくったり、レフト方向への打球も可能にしている。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込むことができている。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトといった感じではないものの、外角の球を捉えるのには大きなロスは感じられない。

 インパクトの際には、少しバットをボールの下に潜らせる感じで、打球に角度を付けて飛ばしてくる。確実性は損ないやすいが、大きな孤のスイングでフォロースルーも使いボールを遠くに運ぶことができている。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げが小さく、目線の上下動も少なめ。体の開きも我慢でき、軸足も強く安定している。特に
内モモの筋肉が発達しており、強烈な打球や飛距離を支えている。

(打撃のまとめ)

 確実性の高いスイングというよりも、多少ロスがあっても一発長打を狙えるスイングになっている。始動の遅さ・打球に角度を付けて飛ばせるスイング・フォロースルー・軸足の内モモの筋肉の強さなどからすると、
プロで飛距離を売りにして行ける、そういったスラッガー候補ではないおんだろうか。


(最後に)

 守備や走力でのアピール度は高いとは言えないが、打撃には非凡なものを持っています。それも中距離・ポイントゲッターというよりも、スラッガー候補というのが興味深い。低反発バットが導入されるなか、どんなバッティングを魅せてくれるのか、選抜の楽しみにしたい打者の一人だと言えそうだ。


(2023年夏 甲子園)