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塩士 暖(門前3年)投手 185/75 右/右 | |
非常に理にかなったフォームで投げ込む 塩士 暖 。投手としてのセンスも兼ね備えていて、将来楽しみな本格派だった。 (投球内容) この夏の石川大会では、3試合 14回2/3 8安 5四死 21三 防 1.84 と安定していました。 ストレート 常時135キロ~MAX143キロ ☆☆★ 2.5 球速的には、まだドラフト指名される選手としては球威・球速面では物足りない。ただし、ビシッとした球を両サイドに投げわけることができており、課題は高低のコントロールのバラツキの方ではないのだろうか。身体がビシッとしてくれば、球筋も球質も、もっと良くなってくることが期待される。 変化球 スライダー ☆☆☆ 3.0 横滑りするスライダーとのコンビネーションといった感じで、このボールは身体の近くでキュッと曲がって実戦的。ボールが引っかかっただけなのか? それとも縦の変化もあるのかよくわからなかったが、現状頼れる変化球はスライダーといった感じの内容だった。 その他 クィックは、1.15秒前後と平均的だったが、鋭い牽制を入れられ上手い。ボールを長く持ったり、マウンドさばきも上手く投手としてのセンスの良さが感じられる投手だった。 (投球のまとめ) 現時点では、驚くような球威・球速はないものの、まだまだ身体ができてくれば、その辺も変わってきそう。変化球も現状はスライダーぐらいだが、そのスライダーのキレも良く、マウンドさばきなどからも、投手としての筋の良さを感じる好投手だった。 (投球フォーム) セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さのある躍動感のある入り方。軸足一本で立った時にも、膝から上がピンと伸び切ることなく、力みを感じないところは好いところ。全体的に、バランス良く立てている。 <広がる可能性> ☆☆☆☆ 4.0 お尻も適度に一塁側に落とせており、身体を捻り出すスペースを確保。そのため、身体を捻り出して投げるカーブやフォークといった球種にも適していると考えられる。 「着地」までの地面の捉えにも適度な粘りが作れ、身体を捻り出す時間も確保できている。したがって、曲がりの大きな変化球の修得も期待できるのではないのだろうか。 <ボールの支配> ☆☆☆☆ 4.0 グラブは最後まで内に抱えられており、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができている。そのため、両サイドのコントロールはつけやすいのではないのだろうか。 ちょっと見難い部分もあったのだが、足の甲での地面の捉えも悪くないように見えた。ただし、まだリリースが安定していないのか? 高低のバラツキは激しそう。そのへんも、リリースが固まってくれば、徐々に改善して行きそうだった。 <故障のリスク> ☆☆☆★ 3.5 お尻の落としはできているので、カーブやフォークなどを使っても窮屈になることは無さそう。まして現状は、スライダーぐらいしか投げておらず、肘への負担は少ないと考えられる。 腕の送り出しに関しても、肩への負担は感じられない。しいて言えば、結構身体を使って投げ込む力投派なので、疲労を溜めやすい恐れはある。その反動で、思わぬところに出たりする可能性は否定できない。 <実戦的な術> ☆☆☆★ 3.5 「着地」までの粘りも作れていて、ボールの出どころも隠せている。そういった意味では、打者からは合わせやすいフォームでは無さそうだ。もう少し、振り下ろした腕が身体に絡みつくような粘っこさは欲しいかなと思ったが、ある程度体重を乗せてからリリースできており、地面の蹴り上げも悪くない。そういった意味では、最後までしっかりエネルギー伝達ができているのではないのだろうか。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「球持ち」に少し改善の余地が残されているかもしれない。制球を司る動作も悪くないので、身体ができてくれば球筋も安定してきそう。故障のリスクも、少々力投派の部分を除けば不安は少ない。将来的にも、武器になる変化球の修得も期待できそうなだけに、非常にしっかりした土台のフォームだと評価できる。 (最後に) 全体の指名でも最後の選手ではあったが、その将来性は明るい。順調に伸びて行けば、一軍まで駒を進めても不思議ではないという気もするだけに、あえて ☆ (支配下級)の評価をしてみたい。イメージ的には、 若田部健一(元ダイエー)に近いタイプになることをイメージしている。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2024年夏 石川大会) |