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竹下 海斗(敦賀気比3年) 投手 180/75 左/左





「内海哲也に似ている」





 左腕から繰り出す、角度のある球筋は、何処となく同校の先輩でもある  内海 哲也(元巨人)に似ている感じがする 竹下 海斗 。また、サウスポーというだけでなく、打者としての才能にも恵まれた選手だった。


(投球内容)

 この夏の福井大会では、
2試合で 17回 13安 4四死 11三 防 2.12 といった内容だった。

ストレート 常時135キロ前後 
☆☆★ 2.5

 ドラフト候補としては、常時135キロ前後といったことで、
やや物足りないものを感じた。それでも上記に書いたように、角度を感じさせる球筋と、両サイドに投げ分けて来る確かなコントロールがある。

変化球 スライダー・カーブ・チェンジアップ 
☆☆☆ 3.0

 どの変化球でもカウントを整えられる一方で、打者を仕留めきる程の球は見当たらなかった。そのへんは、17イニングで11三振の示す通り、基本的には
コースに丹念に散らせて、打たせて取る投球が身上な感じがする。

その他

 クィックは、1.15~1.20秒前後と平均的で、普段は軽い牽制が多いのだが、時々素早いものを入れてアウトにしたりする。間合いも適度にボールを長く持ったりし、走者はスタートが切り難い。ベースカバーなどにも素早く入り、そういった
投げる以外の技術もしっかりしていた。

(投球のまとめ)

 現状驚くような球はないものの、淡々両サイドに散らせて来られる制球力と試合をある程度作れる野球センスを持っている。素直に肉付けし、球速が上がって来ると、投球の土台はできているだけに一軍で通用する投手にまでなれるかもしれない。





(打撃内容)

 その一方で、むしろ大成するのであれば、野手の才能かもしれない。敦賀気比の4番にすわり、この夏も 
15打数4安打 1本 2点 1盗 を記録を残している。長距離打者という感じではないが、左打席から鋭い当たりを連発していた。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 左打席から前の足を軽く引いて、グリップは高めに添える強打者スタイル・背筋を伸ばしつつ、全体のバランスはまずまずで、両眼で前を見据える姿勢は並ぐらいといった感じだろうか。打席では、
適度にリラックスして構えらているところは好いところ。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を軽く引き上げ回し込み、ベース側に踏み込んできます。始動~着地までの「間」は取れているので、速球でも変化球でもスピードの変化には対応されやすい。インステップして踏み込んで来るように、外角への意識が強いタイプではないのだろうか。

 踏み込んだ
前の足はしっかり止まってブレないので、逃げてゆく球や低めの球にも食らいついてゆくことができていた。ただし、左打者がインステップすると、最初の一歩目が遅くなるので、率は少し残り難いかもしれない。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」を作るのは早めに出てきており、速い球に立ち遅れる心配は無さそう。バットの振り出しは、インサイドアウトに出てくるわけではないので、ある程度
ボールと身体との距離を確保してスイングしたいタイプではないのだろうか。そのため、内角寄りのさばきは少し窮屈になる危険性は感じる。

 バットの振り出し自体は、外角の球を捉えるのにはロスは感じられない。バットの先端であるヘッドも下がらないので、広い面でボールを捉えられフェアゾーンに飛びやすいのでは? それほどボールに角度を付けてとか、フォロースルーを使って遠くに運ぶといったタイプではなく、
ライナー性の当たりではじき返すタイプの打者ではないのだろうか。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げが小さいので、
目線の上下動が少なめ。そのため、錯覚を起こすことなく球筋を追うことができている。身体の開きも我慢できており、軸足の形も大きくは崩れない。したがって、調子の波も少ないタイプではないのだろうか。

(打撃のまとめ)

 
スイングに悪いクセがなく、比較的高いレベルの投手へも短期間で対応できるようになるかもしれない。ただし、左の好打者の割にインステップするので率が残り難かったり、内角のさばきは少し窮屈になるのではないかという心配がある。特に塁間は、左打席から少し緩めて 4.45秒前後と、足を売りするタイプには見えなかったのも気になるところ。


(最後に)

 
まずは、稀少価値の高いサウスポーとして様子を見るのではないのだろうか。そこで何年かやって目処がつかに場合は、打力を活かして野手にコンバートという可能性はあるのではないかと観ている。ただし、それほど長打を売りにするタイプではないわりに、足が速いわけでも無さそうなので、打撃では好いものを持っているものの、野手として特徴を見出だせるかどうかは微妙な印象は受ける。

 そのため現状は、投打で 
(支配下級) とまでの評価には至らず、育成枠での指名は妥当だった気はします。投打に基礎的な部分はしっかりできている選手だけに、プロのスピードや環境に慣れ、身体ができた時にどんなパフォーマンスを魅せれるかに懸かっているように感じました。


(2024年夏 福井大会)