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森口 大雅(汎愛3年)投手 182/80 左/左 | |
均整の取れた体格から、ゆったりしたモーションから投げ込む 森口 大雅 。本格派左腕として、その将来が楽しみな存在だ。 (投球内容) この夏は、大阪大会で 2試合 16回 9安 4四死 20三 防 2.25 。初戦の箕面自由戦では、7回を無失点に抑えている。 ストレート 135キロ前後~140キロ台前半 ☆☆☆ 3.0 球速的には、140キロ前後と驚くほどのものはまだない。それでも結構ビシッとした球は投げ込めており、高めの球には勢いがあって空振りも誘える。時々高めに抜けてしまうことはあるが、両サイドに球を投げ分けることができ、制球に大きな破綻はない。 変化球 カーブ・スライダー・チェンジアップなど ☆☆☆ 3.0 速球中心の配球ではあるが、時々スライダーやチェンジアップなども織り交ぜて、それが特に悪いわけではない。ただし、まだ真っ直ぐの方が信頼度が高いのか? 多くは使って来ない。そのため、打者を仕留められるほどの威力は、変化球にはないように思える。 その他 牽制は確認できず、走者への目配せもそれほどといった感じはしなかった。それだけに、レベルが上がると隙を突かれる危険性は感じる。クィックは、1.15~1.25秒 ぐらいと、左腕としては平均的。まだ細かい投球術やコントロールはないが、特に走者が出たらバタバタするような感じではなかった。 (投球のまとめ) 現状は、恵まれた体格で、破綻のない投球をしてくるサウスポーといった感じです。しかし、まだまだ球速上がりそうですし、投球術や変化球も磨かれてきそう。特に制球が悪いわけではないですし、精神的にもムラを感じさせる選手でもありません。素直に体を作って、段階を踏んで技術も身につけてゆけば、一軍戦力になって行ける、そういった可能性は感じさせてくれる素材です。 (投球内容) ノーワインドアップから、足を引き上げる勢いや高さは並ぐらい。軸足の膝にはさほど余裕は感じないものの、全体的に適度にバランスを保って立ててはいる。 <広がる可能性> ☆☆☆★ 3.5 引き上げた足を地面にグッと伸ばすので、お尻の三塁側(左投手の場合は)への落としは甘くなりがち。カーブやフォークなどの捻り出して投げる球種を投げられないほどではないが、その変化は鈍くなりがち。 前に大きくステップすることで、「着地」までの時間は稼げています。したがって、体を捻り出す時間は確保でき、スライダーやチェンジアップなどを中心に、キレの好い変化球を身につけても不思議ではありません。 <ボールの支配> ☆☆☆★ 3.5 グラブは最後まで内に抱えられており、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができている。そのため軸はブレ難く、両サイドへのコントロールはつきやすい。足の甲での地面の捉えもできているように見えるので、浮き上がろうとする力を抑えることができている。その割にボールが抜けたり、高めに集まりやすいのは、まだまだリリース時にボールが押し込めていなかったりして、球離れが早いからではないのだろうか。しかし、土台はしっかりできているので、リリースが安定してきたら、もっと高低の制御もつくのではないかとみている。 <故障のリスク> ☆☆☆ 3.0 お尻の落としに甘さはあるものの、カーブやフォークといった球種を使う頻度が少ないので、窮屈になる機会は少なそう。ただし、ボールを持っている肩が上がり、グラブを持っている肩が下がりがちで腕を振ってくるので、極端ではないが肩のケアには注意を払っていた方が良さそうだ。現状、それほど力投派というよりも、まだ体が使い切れていないので、疲労を溜めやすいというほどではないように思える。 <実戦的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りも作れており、ボールの出どころも隠せているので、打者としては合わされやすいということはないだろう。ただし、腕が投げ終わったあと体に絡んで来ないなど、「球持ち」の粘っこさには物足りなさが残る。また、広くステップを取り過ぎているのか? 重心が後ろに残ってしまっている。この辺が、上手く体重移動できるようになると、打者の手元までの勢いや球質も変わってくると思われる。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「球持ち」と「体重移動」に課題を残している。制球を司る動作は、リリースでの押し込みに課題は残すものの、将来的には安定してきそう。故障のリスクとしては平均的、今後好い変化球も習得して、投球の幅を広げてゆくことが期待できそうだ。現状は、特別嫌らしさを感じるフォームではないものの、悪いクセは少なく素直に伸びて行きやすい素材ではないのだろうか。 (最後に) ドラフトでは、育成枠で指名されるかされないかぐらいだとはみている。しかし、もしプロ志望であれば、育成枠あたりならば、将来性の高そうな左腕ということで、指名はありではないかと思わせる。まだ学ばないと行けないことが多いのも確かで、ワンクッション置いてからという進路を選ぶのもありだと思うが、俺が関係者なら指名してみたいかなと思わせる左腕だった。 (2024年夏 大阪大会) |