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古川 遼(日本学園3年)投手 190/80 右/両 





 「まだまだだったけれど」





 春季東京大会で、最速144キロ記録したと話題になっていて確認に行ったのが、この 古川 遼 。 190センチの恵まれた体格の大型右腕であったが、まだまだこれからといった感じの未完成な投手だった。


(投球内容)

 
手足の長いスラッとした投手体型が目をひきますが、大きな身体を活かしきれず、発展途上の投手だとパッと見て思いました。むしろ投手としての総合力では、対戦相手の 吉田 健汰(日体荏原)という投手の方が、球はビシッとミットに収まっていて上でした。

ストレート 130~MAX143キロ 
☆☆★ 2.5

 普段は130キロ前後~中盤ぐらいで、ドラフト候補のそれではありませんでした。しかし、走者を背負うと
右打者の内角の厳しいゾーンに、135~140キロ強のボールを投げ込んでいたのに驚きました。まだ凄味みたいなものは感じられませんでしたが、そういった投球を意図的にできる点は買えます。ちなみに1球だけでしたが、マイガンで89マイル(143キロ)まで記録していました。

変化球 スライダー・カーブ・フォークなど 
☆☆★ 2.5

 横滑りするスライダーで、カウントを整えてきます。主な変化球はスライダーですが、他にも緩いカーブやフォークなどもあるようです。現状はまだ、
空振りを狙って奪えるほどの球はないので、そういった球を真っすぐ含めて身につけられるかが鍵ではないのでしょうか。

その他

 大型ですが、牽制は適度に鋭いです。クィックも1.0秒前後と高速で、見た目のイメージとは裏腹に素早く投げ込みます。まだ細かい駆け引きができる投球術や「間」をとってという意識はないものの、要所で内角を厳しく攻められるように、
いろいろなことができる資質があるのかもしれません。

(投球のまとめ)

 まだ大きな身体から投げ込むという、
今後の可能性に期待しての素材だと言えるでしょう。現状は、育成枠での指名があるかないかのレベルだと言えます。ただし、投球以外の部分や要所での投球、恵まれた体格などを加味すると、将来大きく化ける、そういった可能性を秘めているのかもしれません。そのへんを、土台となるフォームから探ってみましょう。


(投球フォーム)

 ノーワインドアップから、足を引き上げる勢いや高さのあるフォームです。軸足一本で立った時には、バランス良く立てていました。少し元にした映像が見難かったので、わかりずらい部分もあったのですが、ご了承くださいませ。

<広がる可能性> 
☆☆☆☆ 4.0

 引き上げた足を高い位置でピンと伸ばしているので、お尻の一塁側へのスペースは確保できています。したがって、カーブやフォークといった捻り出して投げる球種も、それほど無理なく投げられるフォームです。

 「着地」までの地面の捉えも、悪くないように見えます。そういった意味では、将来的に
曲がりの大きな変化球の習得も期待できるのではないのでしょうか。

<ボールの支配> 
☆☆☆ 3.0

 
グラブは最後まで内に抱えられ、外に逃げようとする遠心力を内に留めている。そのため軸はブレ難く、両サイドへのコントロールはつけやすい。映像的に見難いのだが、足の甲での地面の捉えは浅いように見える。したがって、浮き上がろうとする力は抑えきれず、力を入れて投げるとボールが上吊りやすい。「球持ち」は並ぐらいに見え、それほど指先も優れているようには見えない。

<故障のリスク> 
☆☆☆☆ 4.0

 お尻の落としはできているので、カーブやフォークといった球種を投げても窮屈にはなり難そう。また、腕の送り出しにも、それほど無理は感じられない。そういった意味では、肩・肘への負担は少ないのでは? また、現状は、力投派でもあないので、疲労も溜め難いのではないのだろうか。

<実戦的な術> 
☆☆☆★ 3.5

 「着地」までの粘りも適度に作れており、ボールの出どころもある隠せています。そういった意味では、長身を活かした角度も相まって、
打者としては捉えやすい投手ではないように思います。

 
腕も投げ終わったあと体に絡んでくるなど、打者としては吊られやすいフォームかと。腕の振りがもっと強くなり、ストライクゾーン~ボールゾーンに逃げて行く球を覚えられれば、効果的に使える可能性があります。まだ投げ終わったあと一塁側に重心が流れるなので、作り出したエネルギーをロスしてしまい、指先までしっかり力を伝えきれていないのは残念なところ。股関節の柔軟性を養いつつ下半身の筋力を強化できれば、もう少しステップ幅も確保でき「体重移動」も効率的になりそうです。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、
「体重移動」に課題があり、全体的にもう少し粘りは欲しいところです。足の甲の捉えが浅いために、高低の制球に課題を残します。しかし、故障のリスクは少なそうですし、将来的に良い変化球を習得して行けそうな下地はあります。そういった意味では、グングン伸びて行ける可能性は秘めています。


(最後に)

 実際のパフォーマンス的には、高校からプロは時期尚早かなと思える部分はあります。しかし、運動神経も高そうで、恵まれた体格を活かせる可能性を感じます。土台となるフォームも悪くないので、ひょっとすると育成枠あたりで指名してくる球団があるかもしれません。夏までの成長ぶりを気にしつつ、最終的な評価を判断して行けたらと考えています。


蔵の評価:
追跡級!


(2024年 春季東京大会)