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関 浩一郎(青森山田3年)投手 187/81 右/右 | |
今年の選抜大会の中でも、ボールの質の良さという意味では、この 関 浩一郎 のボールが一番ではないかと思えた。そうだからといって、即プロ入りの評価と言われると、そこは難しい判断となる。 (投球内容) 選抜では3試合に登板し、19回1/3 16安 4四死 10三 防 3.26 と、数字だけみれば、特筆すべきものではなかった。大きな身体から投げ下ろしてくる、オーソドックスなフォームの投手である。 ストレート 130キロ台後半~MAX147キロ ☆☆☆ 3.0 球速的には、140キロ前後と驚くほどのものはない。しかし、回転の好い質の好い真っすぐを投げ込み、打者も差し込まれることも少なくない。多少高めに行ったりバラツキはあるものの、四死球で自滅するようなそういった危うさがある投手でもない。19回1/3イニングで16安打が示すように、ボールの質の割に若干被安打率が高めで、むしろ合わされやすいフォームの方に原因があるのではないのだろうか。 変化球 カーブ・スライダー・チェンジアップなど ☆☆☆ 3.0 110キロ前後の変化球でカウントを整えて来ることが多いのだが、この球がカーブなのかスライダーなのか見極めが難しい。他にも横滑りする球があり、これがスライダーなのかカットなのかもよくはわかりません。またチェンジアップなのか沈む球も持っています。どの球でもカウントを整えることができますが、19回1/3イニングで10三振の数字が示すように、それほど打者を仕留めきれる球がないのも確かです。 その他 クィックは、1.1秒前後とそれなりで、大型ですがフィールディングも基準レベルはありました。それほど「間」を使った投球術とか、微妙なとこを突くコントロールはまいものの、全体的に外角に集められる制球力はあります。 (投球のまとめ) 真っすぐの質が素晴らしく見える反面、その割に被安打が多かったり、三振が少ないなどの物足りなさがあります。その辺が、彼の今後の課題だとも言えるのではないのでしょうか。そのため全体でトータルでみると、指名が確実だとか、プロ入り後大化けしそうといった確信的なものまでは私自身も感じませんでした。 (投球フォーム) セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さはそれなりにあります。そういった意味では、本質的にはリリーフタイプなのかもしれません。軸足一本で立ったときにも、膝から上がピンと伸び切ることがないので、力み無く投げることができています。 <広がる可能性> ☆☆☆★ 3.5 お尻は適度に一塁側に落とせており、体を捻り出すスペースもそれなりには確保できています。そういった意味では、カーブやフォークといった捻り出して投げるような球でも無理は無さそうです。 「着地」までの地面の捉えもそれなりで、適度に体を捻り出す時間も確保。そのため多彩な球種を操れるだけでなく、適度に曲がりな大きな変化球も習得できるのではないかと考えられます。 <ボールの支配> ☆☆☆★ 3.5 グラブは最後まで内に抱えられており、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができています。したがって軸はブレ難く、両サイドのコントロールはつけやすいのでは? 足の甲での地面の捉えが若干浅いので、まだまだ力を入れて投げるとボールが上吊りやすいのかもしれません。それでも「球持ちが」が好いので、指先でボールがコントロールできる可能性を感じます。 <故障のリスク> ☆☆☆★ 3.5 お尻もある程度落とせているので、カーブやフォークといった球種を投げるのにも、あまり窮屈になることは無さそう。腕の送り出しも、角度を付けて投げていますが、肩に負担がかかるほどではないように見えます。フィニッシュの形は見事ですが、そこまで力投しているようにも見えませんでした。そういった意味では、疲労を溜めやすいということも無さそうです。 <実戦的な術> ☆☆☆★ 3.5 「着地」までの地面の捉えもそれなりですが、ボールの出どころとしては並ぐらい。そういった意味では、打者としてはそこまで打ち難いフォームでは無さそうです。その辺が、ボールの質の割に被安打が多めや三振の少なさにも影響しているのかもしれません。 腕はしっかり振れて体に絡んでくるので、もう少しボールの出どころが隠せるようだと、打者も吊られるようになりそう。リリースも我慢して体重を乗せてから放すことができているので、地面を強く蹴り上げるなどエネルギー伝達も悪くありません。 (フォームのまとめ) フォームの4大要素である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「開き」に改善の余地があるように感じました。制球を司る動作も悪くないですし、故障のリスクも高いフォームには見えません。将来的には、もっと武器になる球を習得して行けても不思議ではありません。大型ですが、技術的には高いレベルでまとめられており、意識次第ではまだまだ良くなって行けそうです。 (最後に) 現在はあくまでも発展途上の段階であり、これからどんどん良くなって行ける、そういった肉体的・技術的余地が残されています。ただし、それだからといって高校からいきなりプロに入るのが好いのか?と言われると、意見が別れるところではないのでしょうか。個人的には、大学などでワンクッションおいて、大きく才能が開花してからでも、プロ入りは遅くないのかなといった気はします。この球質に、確かな球速と技術が伴った時こそ、プロ入りの旬の時期ではないのでしょうか。 (2024年 選抜大会) |