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小船 翼(知徳3年)投手 198/112 右/右 





 「春の方が良かったのでは?」





 昨秋の時点でかなり話題になっていたのですが、正直評判ほど良い投手だとは思わなかった 小船 翼 。しかし、一冬越えた春季大会では、だいぶ課題も改善され成長が感じられた。しかし、この夏は2試合ほどみたが、春ほどの良さは感じられないまま終わった夏だった。


(投球内容)

 この夏は、連戦を意識してか? かなりセーブして投げていたのかもしれません。また、緒戦の浜松日体戦では、打球を顔面に当てるというアクシデント。さらに3回戦では、熱中症になるなど、いろいろ巡り合わせも悪い最後の夏となりました。

ストレート 130キロ台後半~140キロ台中盤 ☆☆☆★ 3.5

 
元々もっさりした感じの投手なので、ボールも伸びやキレというよりも、角度と球威で詰まらせるタイプの球質です。かなりシュート回転したり、抜ける球も多くアバウトな印象を受けました。春は、もう少しボール自体に勢いを感じたのですが ・・・ 。春は、150キロ台を連発するなど、力で圧倒していました。

変化球 スライダー・フォーク・カーブなど 
☆☆☆ 3.0

 
曲がりながら沈むスライダーや、シュート回転して決まらないことも多いのですが、フォークも積極的に使ってきます。このフォークが、あまりストンとは落ちずチェンジアップ的に沈むことも少なくありません。それに、さらに緩いカーブのような球もあるように思いました。現状、変化球で仕留めきるといったレベルには無いように思います。もう少し、変化球の精度・キレ自体も良かったように思います。

その他

 
クィックは、1.1秒~1.2秒ぐらいとなり、春より少し遅くなっていました。制球を重視して、そこまで速いクィックを使わないようにしていたのか? 状況に応じて投げるタイミングを変えていたのかもしれません。牽制は適度に鋭いものをまぜ、フィールディングも悪くなかったです。

 
ただこの夏に気になったのは、ランナーを背負うとボールをじっくり持って、走者や打者を焦らそうという意識が強く感じられました。しかし、あまりに間合いが長いので、相手が焦れるよりも、味方のリズムまで乱す感じになっていたのは気になりました。走者に対しては、しっかり目配せしてから投球できていたのですが。いろいろ考えてやろうという意識は感じたのですが、逆にそれが打者に対する集中力が散漫になったり、投球全体にリズム感を損なう形になっていたように感じます。

(投球のまとめ)

 
いろいろ考えて投球しようという意識や、そういったことができるセンスのある選手だと感じます。しかし、なかなかまだ、それが上手く噛み合っていない印象で、春よりもパフォーマンスを低下させる結果となってしまった気がします。


(成績から考える)

 この夏の大会では、
4試合 19回1/3 18安 9四死 19三 防 3.26 という成績に終わります。

1,被安打は投球回数の80%以下 ✕

 被安打率は、93.1% と、投球回数とあまり変わりません。元々空振りを誘える球質ではないので、制球がアバウトだったり、ボールが相当走っていないと力で押し込めない傾向にあります。この夏は、全般にそんな感じだったのでしょう。

2,四死球は投球回数の1/3(33.3%)以下 ✕

 四死球率は、46.6% と、
かなりアバウトです。三振を多く取れる選手なので、40%以内ぐらいならば許容範囲。しかし、それ以上だったので、かなりコントロールにも苦しんだ夏だった感じです。春はアバウトでも、四死球で自滅するような感じではなかったのですが・・・。

3,奪三振は、1イニングあたり 0.8個以上 ◯

 奪三振は、ほぼ投球回数と同じで、0.98個。この点では、一応の評価ができます。ストレートをズバッと良いところに投げ込んで見逃しの三振を奪ったり、縦の変化で上手く三振が取れる時があります。

4,防御率は1点台以内 ✕

 悪いときには悪いなりという粘りの投球ができなかった感じです。先発して長いイニングを投げていたのもありますが、登板した全ての試合で失点していました。

(成績からわかること)

 高校生相手でも、この夏は力で圧倒できなかったことが伺われます。そのへんは、春に比べると物足りなく映り、それがそのまま、数字にも現れていました。ただし、本調子ではなかったことも考えると、これが = 今の力とは言い切れないようにも思います。


(最後に)

 恵まれたスペックを活かしきれなかった秋から、一冬越えてだいぶ実戦的かつスケール的にも成長が感じられました。しかし、最後の夏は、いろいろ状態が合わず後退してしまった最後でした。春の内容を夏に繋げられていれば、中位(3位~5位)ぐらいにはなっていたかもしれません。そこから後退しての夏で、評価を下げてしまった印象です。

 しかし、春にひあ良かったところも示せていたので、そこまで悲観することは無いようにも思います。まずはしっかり立て直して、そこから上積みを作って行ければと考えます。
いろいろ考えてプレーできる選手だけに、プロ入り後見違えるほどになれるかもしれません。また力で圧倒するパワーピッチを、ぜひプロの世界でも見てみたいものです。良い方が全面に出るようになれば、将来プロでもクローザーを務められる、そんな投手になっても不思議ではスペックの持ち主でした。


蔵の評価:
(下位指名級)


(2024年夏 静岡大会)


 








小船 翼(知徳3年)投手 198/108 右/右
 




 「だいぶ投手らしくなってきた」





 昨年チェックしたときは、時々指にかかった時のボールに良さはあったものの、まだまだ上位指名確実といった内容ではなかった 小船 翼 。しかし、この春の投球の模様を見る限り、だいぶ実戦的な投手へと変わってきた印象なのだ。


(投球内容)

 ノーワインドアップから、
日本人離れした大きな体格から投げ下ろしてきます。春季静岡大会・浜松城北戦では、9回 3安 1四死 14三 無失点と好投し、一冬越えて成長した姿を印象づけた。

ストレート 140キロ台中盤~152キロ 
☆☆☆★ 3.5

 昨年見たときは、常時140キロ~中盤ぐらいといった感じだった。しかし、この春は、コンスタントに5キロぐらい上がっている印象で、ボールにも勢いが感じられるようになっている。今でも空振りを誘うというよりも、
球威で詰まらせたり、ズバッと投げ込み見逃しの三振を奪うといった感じ。まだストライクゾーンの枠の中ではアバウトな印象だが、四死球で自滅するような危うさはなかった。

変化球 スライダー・フォーク 
☆☆☆★ 3.5

 曲がりの大きなスライダーで、しっかるカウントを整えてくる。同じぐらいの頻度で、フォークも多く投げ込んでくる。まだストンと落ちて空振りをというよりも、チェンジアップ的で沈む感じ。それでも、けして
真っ直ぐだけの選手ではないことを印象づけた。こういった変化球もあるので、投球回数を遥かに上回る奪三振が奪えている。

その他

 クィックは1.0秒前後と高速で、牽制も適度に鋭いものを混ぜてくる。特にランナーへの目配せもできており、
大型でも動作が緩慢ではないところは良いところ。そういった意味では、想像以上に自分の身体を自在に操れるタイプなのかもしれない。

(投球のまとめ)

 まだまだ全国レベルの総合力があるかと言われると、コントロールや投球術など含めて、物足りないものはある。それでも、今後の伸び代も含めて考えれば、許容範囲のまとまりと変化球レベルを持っているという判断もできる。夏の大会でしっかり存在感をアピールできれば、上位指名を狙える位置にいるのではないのだろうか。



(投球フォーム)

 
ノーワインドアップから、足を勢いよく高くまで引き上げてきます。最初からエネルギー捻出が高いフォームであり、リリーフタイプに多く見られる入りです。軸足一本で立ったときには、膝にあまり余裕は感じられませんが、全体のバランスとしては並ぐらいでしょうか。

<広がる可能性> 
☆☆☆★ 3.5

 
引き上げた足を地面に向けて下ろすので、お尻の一塁側への落としは甘くなりがち。それでもカーブやフォークを投げられないということはないと思いますが、その変化は鈍くなってしまうかもしれません。

 着地までの地面の捉えは、適度に前にステップできていて、体を捻り出す時間は確保。したがって、カーブやフォークといった以外の変化球のキレ・曲がりは良いものが期待できます。昨年よりも、前へのステップを取れるようになり、粘りが出てきた気がします。


<ボールの支配> 
☆☆☆★ 3.5

 
グラブは最後まで内に抱えられ
ており、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができています。そのため、両サイドへのコントロールはつけやすいのではないのでしょうか。足の甲での地面の捉えは、昨年よりも良くなっているものの、まだ捉えている時間が短めに見えます。したがって浮き上がろうとする力を充分抑え込めず、力を入れて投げるとボールが上吊ったり高めに集まりやすい恐れはあります。「球持ち」に関しては、平均的なレベルでしょうか。ただし、一冬越えて、だいぶ制球力は改善されてきました。

<故障のリスク> 
☆☆☆ 3.0

 
お尻の落としに甘さは残すものの、カーブやフォークが投げられないほどでは無さそう。ただし、かなりフォークの頻度が高いので、そういった意味では肘への負担は窮屈になりがちで大きくなるかもしれません。

 腕の送り出しをみると、極端ではないにしろボールを持っている肩は上がり気味で、グラブを持っている肩は下がりがち。肩への負担を、感じないわけではありません。それでも力投派というほどではないので、疲労は溜め難いのではないのでしょうか。


<実戦的な術> 
☆☆☆★ 3.5

 
「着地」までの粘りはそこそこで、体の「開き」も早すぎることはありません。巨体から投げ下ろされる圧と角度によって、打者としては打ち難い側面はありそうです。

 
腕の振りは相当以上に良く、投げ終わったあと体に絡んできます。したがって勢いで、打者は吊られて空振りは誘えそう。ボールにもある程度体重を乗せてからリリースできており、投げ終わったあとの地面の蹴り上げなども良くなってきている。もう少しリリース我慢して投げられるようになれば、打者の手元までの勢いも増してくるのではないかと期待します。

(フォームのまとめ)

 
フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」でも、どれでも極端に優れているわけではないが、大きな欠点は見当たらない。さらに、動作が全体的に粘っこくなれば、かなり実戦的なフォームになって行けそう。制球を司る動作はそれなりで、一冬越えた成長が感じられる。故障のリスクは並ぐらいだが、「着地」までの粘りが作れるようになってきて、いわゆる下が使えるフォームに成長してきている点は買いたい。


(最後に)

 秋は恵まれた体格から投げ込んでいるだけといった感じで、正直それほど特別な存在には思えませんでした。しかし、この春は、制球力も改善され、下半身が使えるようになり、フォーム全体・ボールの質など、
全体的に総合力が引き上がってきている気がします。そういった意味では、実際のパフォーマウンスにも成長が感じられ、良い感じで最後の夏を迎えようとしているのではないのでしょうか。さほどじっくり見られた選手ではないので、この春の評価はしませんが、順調に夏の大会アピールできれば、上位でのプロ入りを意識できそうな素材に見えます。


(2024年 春季静岡大会)









小船 翼(知徳2年)投手 197/108 右/右
 




「まだ上位確定といったほどでは」 





 秋には150キロを記録したと評判の 小船 翼 。ただし、秋の投球を確認する限り、上位指名が確定的だとか、そこまで圧倒的なものは感じられなかった。


(投球内容)

 秋季大会・常葉菊川戦の模様をみてみた。

ストレート 常時140キロ前後~140キロ台中盤ぐらい 
☆☆☆ 3.0

 あくまでも目測での印象だが、常時140キロ前後~指にかかった時のボールが140キロ台中盤ぐらいまで出ているかも?といった感じで、ボールの質・制球含めて、絶対的なものは感じられない。それほどまだ細かいコースの投げ分けも出来ておらずストライクゾーンに投げ込んでくるといった投球スタイル。確かに
指にかかった時のボールには見るべきものがあるが、それほど打者から空振りを誘うというよりも、力で詰まらせるタイプの球質だった。

変化球 スライダー・チェンジアップ? 
☆☆★ 2.5

 スライダーも使ってくるが、どうも、チェンジアップ系の小さく沈む球を結構使投げ込んでくる。これは、曲がりが鈍いフォークなのかもしれないが、現状打者の空振りをバシバシ空振りを誘う、そういった絶対的な球種は見当たらない。

その他

 牽制は適度に鋭いものがあり、走者を出すと結構じっくりボールを持てる選手。クィックも、0.9秒台で投げ込めるなど、
大型右腕ではあるが動けないとか、体のキレが悪い選手ではない

(投球のまとめ)

 まだまだ素材型の粋を脱しきれず、一冬越えた時にどのぐらい圧倒的なものを身につけているかではないのだろうか。現状は、一ドラフト候補といった感じで、特別なものは感じられなかった。ただし、これだけのスペックですでにある程度できる選手なので、伸び代も含めると楽しみな選手という期待感はいだきたくなる。






(投球フォーム)

 今度は、フォームの観点から将来像を考えてみた。ノーワインドアップから、クィッと足を勢いよく高く位置まで引き上げて来る。軸足の膝はピンと伸び切ることなく力みは感じられないが、全体のバランスとしては並みぐらいだろうか。

<広がる可能性> 
☆☆☆ 3.0

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻の一塁側にへの落とすは甘さが残す。そのため体を捻り出すスペースは充分ではないので、カーブやフォークといった球は投げられないことはないが、曲がり鈍くなりやすい。

 「着地」までの地面への捉えも並みぐらいで、体を捻り出す時間も平均的。こうなると大きな曲がりの変化球よりも、球速のある小さな変化を中心に、ピッチングの幅を広げてゆくことになりそうだ。

<ボールの支配> 
☆☆☆ 3.0

 グラブが最後まで内に抱えられ、外に逃げようとする遠心力を内に留めている。したがって軸はブレ難く、両サイドへの投げ訳はつけやすいのでは? しかし、実際は、そこまで両サイドへのコントロールもまだ安定していない。

 
足の甲での地面の捉えが浅く見えるので、浮き上がろうとする力を充分には抑えられていない。ボールが高めに集まりそうなのものだが、実際のところはそこまで高めに集まっているというよりも、バラついている感じ。「球持ち」も並みぐらいで、現状はストライクゾーンの枠の中に投げ込んでくるといった投球に終始している。

<故障のリスク> 
☆☆☆ 3.0

 お尻の落としには甘さを残すものの、それほどカーブやフォークを投げ込まなければ負担は少なそう。ただし、チェンジアップのような沈む球がフォークだった場合、かなりの頻度で投げているので、肘などへの負担も生じているのかもしれない。

 多少ボールを持っている方の肩が上がり、グラブを持っている方の肩が下がり気味。これも極端ではないのと、それほど力投派ではないので、現状はそこまでなーバスになる必要はないのかもしれない。

<実戦的な術> 
☆☆☆ 3.0

 「着地」までの粘りは平均的で、ボールの出どころも並みぐらいだろうか。フォームとしては苦になるような感じではないが、長身を活かした角度で、打者は芯でしっかりは捉え難いかもしれない。

 
振り下ろした腕はしっかり体に絡んで来るなど、粘っこさが感じられる。そのため打者としては、適度に吊られやすいのかもしれない。ボールにもある程度体重を乗せてからリリースできているように見えるが、まだまだ改善の余地は残されていそうだ。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、いずれも平均的なフォームだった。それだけまだ、伸び代を残しているとも判断できる。制球を司る動作も、故障のリスクも平均で、将来的に武器になるほどのボールを身につけられるかは微妙。それだけに伸び代感じさせる一方で、
特徴を見出だせずに伸び悩むリスキーさも持ち合わている。


(最後に)

 
まだまだ素材型の粋を脱しておらず、全ては一冬越えた成長次第といった感じがする。そのため、春からチェックしに行って、その成長具合を確認してみたい。果たして、どのような選手に育っているのか? 今から、楽しみな素材であった。


(2023年 秋季大会)