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竹内 翔汰(立命館大4年)中堅 173/86 右/左 (創志学園出身)
 




「完成度は高い」





 これまであんまり気にして見たことがなかったのだが、じっくり見てみると、攻守に高いレベルにあることに気がつかされた 竹内 翔汰 。一体どのような選手なのか、考えてみた。


(守備・走塁面)

 
走力に関しては、今回の観戦ではしっかりは計測できず。しかし、以前測ったときには、左打席から 4.2~4.3秒ぐらいだったかと記憶している。このタイムは、ドラフト候補としては速いとは言えない。それでもリーグ戦では、3年春のシーズンに5盗塁を記録。実際には、もう少し速いラップでも駆け抜けられそうだし、全く動けない選手ではなさそうだ。

 その証に、センターとしての守備範囲はかなり広い。打球への反応、落下点までの入り、キャッチング等含めて、
守備はかなり上手いのではないのだろうか。気になるのは、キャッチング全般よりもスローイングの類。送球の形や地肩というのは、正直気になった。

 私自身、走力や送球の部分で充分に把握できているとは言えない。この部分を、もう少し秋に詰めて最終評価を下してゆきたい。






(打撃内容)

 豆タンクのような体型から、
上手さとパンチ力を兼ね備えた打撃をする。チームの4番打者として、この春は、0本 3点 ながら、打率.333厘を記録。この成績で、首位打者を獲得している。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合、両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスとしてもまずまずといった感じ。全体的に構えに余裕がなく、
少し窮屈そうに見えるのが気になるところだろうか?

<仕掛け> 平均

 投手の重心が沈みきった底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の対応力と長打力を兼ね備えた中距離打者や、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングとなる。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を上げて、真っ直ぐ~少しベース側に踏み込んで来る。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出して来るように、内外角を意識したスタイルだが、幾分踏み込みこともあるので外角への意識の方が強いのかもしれない。打球は、右に左へと強く打ち返すことができる。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、ボールを力みなく呼び込むことができている。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトではないものの、外角の球に対してはロスなく振り抜けている。スイングもヘッドが下ることもなく、最後まで力強く振ることができる。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げも静かで、目線の上下動は少なめ。したがって、
錯覚を起こすことなく球を追うことができる。体の開きも我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定している。そのため、調子の波も少なそう。軸足の内モモの筋肉も強く、強烈な打球を生み出す原動力になっている。

(打撃のまとめ)

 
ボールを捉える技術や甘い球を逃さない集中力など、打撃能力はかなり高い。技術的にも課題は少なく、高いレベルの野球にも順応して行けそう。それでいてひ弱さもなく、比較的早い段階からファームレベルであればプロでも入ってゆけそうだ。


(最後に)

 
それほど長打力で魅了するといったタイプではないので、左打ちの外野手だけに能力ほど評価されない恐れはある。それでも、打撃能力だけでなく、守備は安心して見て入れられるレベルにあり、この点は大きなアドバンテージ。本人が、どの程度の順位まで許容してプロ入りを考えているかわからないものの、入れてみればプロでも存在感を示せる打者になっても不思議ではない。上位指名でという垢抜けたタイプではないものの、一軍でも活躍できる、そういった打者になって行けるのではないのだろうか。なかなか、打つことに関しては、面白い存在になれそうだ。あとは、私自身がもう少し守備・走塁への理解を深めて、最終寸評を秋に作成してみたい。


蔵の評価:
☆☆ (中位指名級)


(2024年 春季リーグ戦)