24ｄｙ-7
24ｄｙ-7
| 吉納 翼（早稲田大４年）右翼 １８０／８７ 右／左 （東邦出身） | |
こと打つことに関しては、昨年の 上田 希由翔（明大-ロッテ１位）と、さほど遜色がないのではないかと思われる 吉納 翼 。この春は、３本塁打・１０打点 を残したものの、打率は．２５６厘 と、好調だったとは言えないシーズンだった。 走塁面：☆☆☆ 3.0 一塁までの塁間は、左打席から４．１５秒前後を記録しドラフト候補としては平均的。リーグ戦では、２盗塁を記録。実際全く動けないわけではないが、基本的に走力でアピールしてゆくタイプではないのだろう。 守備面：☆☆☆ 3.0 打球への反応や落下点までの入りなどを観ていると、無難といった感じで可も不可もない感じ。守備範囲も、そこまでは狭くないかなといった感じだった。特に肩はプロに混ぜても強い部類なので、この点ではアピールポイント。 走力も守備もごく平均的だが、肩に関してはかなり強い。プロの左翼としては上手い部類になると思うが、右翼手としてはやや劣ることになるかもしれない。 （打撃内容） 同じような左の中距離ヒッターのイメージがある 上田希由翔の4年春までの通算打率が.３１３厘 だったのに対し、この吉納は.２６５厘 と、かなり対応力では劣ることがわかった。ここまでの通算本塁打９本は同じだが、６２打点の上田に対し吉納は３６打点と、こちらも差があることに気がついた。 ＜構え＞ ☆☆☆☆ 4.0 前の足を引いて、グリップは下げ気味に添えている。背筋を伸ばしつつ、全体のバランスとしてはそれなりだが、両眼で前を見据える姿勢は良い感じに立てている。 ＜仕掛け＞ 遅すぎ 昨秋までは「早めの仕掛け」を採用していたが、この春は一度ベース側に爪先立ちしてから、リリース直前に動き出す「遅すぎる仕掛け」を採用。そのため、より一発長打を意識したスタイルになり、秋よりも対応力が低下したのが成績にも現れていた。 ＜足の運び＞ ☆☆☆★ 3.5 足を軽く上げて、ベース側に踏み込んで来るインステップ。始動～着地までの「間」がないので、あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さないことが求められる。ベース側に踏み込んで来るように、外角への意識が高いのだと考えられる。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にブレずに我慢。したがって、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができている。昨年まではアウトステップしていたので、外角を寄り逃さず叩こうという意識が高まっていたように思える。 ＜リストワーク＞ ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で力みを感じないのは良いのだが、始動が襲いだけに「トップ」を作るのが遅れないように注意したい。強打者の割には、「トップ」自体が浅いのと、あまりしっかり作って振り出せないのは気になるところ。 バットの振り出しは、上からインサイドアウトに抜けてくる感じに。昨年は、そこまで上から叩いてくる感じではなく、もっとスイングの弧も大きく、バットのしなりを生かしたスイングに見えていたのだが ・・・ 。 ＜軸＞ ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢できているが、思ったほど軸足の内モモに強さが感じられなかった。インステップする分、内角へのさばきが多少窮屈になっているように見えた。昨年の方が、軸足に強さと粘りが感じられたのは残念だった。 （打撃のまとめ） 始動のタイミング・ステップの仕方・スイング軌道など、かなり打撃フォームを根本的に変えてきた。それが必ずしも、良い結果に結びついたとは言えない。しかし、以前にやっていた技術もあるわけで、秋には今のフォームと前のフォームの良いところを活かして、スイングの精度を高めてゆきたい。 （最後に） 上田希由翔に比べると、実績的にも対応力ではやや劣る印象を持った。また彼が内野手だったことを考えると、吉納は左打ちの外野手だけに、評価され難いポジションではあるように思える。 ただし、持っている打撃能力には確かなものがあるので、どの球団に入っても打撃ではポジれる存在になりうるのではないのだろうか。そういった意味では、将来の中軸候補が欲しい球団が中位（３位～５位）ぐらいで評価してくるのではないのだろうか。 蔵の評価：☆☆ （中位指名級） （２０２４年 春季リーグ戦） |
| 吉納 翼（早稲田大３年）右翼 １８０／８５ 右／左 （東邦出身） | |
吉納 翼 のスイングを観ていると、バットの出にロスがなく、どのコースでも素直にバットが出てくる印象がある。打球はセンター方向に中心に広角に飛ばせることができるのだが、その打球もグングン伸びてゆく。 （守備・走塁面） 一塁までの塁間は、計測できたもので左打席から ４．５秒台とかなり遅い。もう少し速いタイムでも駆け抜けられるのかもしれないが、大学進学後はここまで５１試合に出場し、通算で３盗塁。基本的に、足を売りにしてゆくタイプではないのは間違い無さそうだ。 右翼手としては、この脚力なので守備範囲は広くは無さそう。落下点までの入りやキャッチングなどを観ていると無難といった感じで、特に下手な印象はない。ライトからの返球はまずまず強く、プロに混ぜても 中の上 クラスの地肩はあるのではないのだろうか。 （打撃内容） ２年秋に、リーグ２位となる打率．３６４厘をマークしたものの、それまでは目立った実績はなかった。この秋は、３本塁打 ９打点 ２盗塁 打率.３２４厘 と、長打力を兼ね備えて本格化してきた印象だ。 ＜構え＞ ☆☆☆★ 3.5 前の足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。それほど腰は屈まず、全体のバランスとしてはそれなりだが、両眼ではしっかり前を見据えられている。そのため、球筋を錯覚を起こすことなく追うことができている。 ＜仕掛け＞ 早め 投手の重心が沈み始める時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。 ＜足の運び＞ ☆☆☆☆ 4.0 足を軽く上げて、地面をなぞるように回し込んで、ベースから離れた方向にアウトステップで踏み込みます。始動～着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でも、スピードの変化には対応しやすい。アウトステップするように、内角への意識が強いタイプなのだろう。ただし、強引に内角を巻き込んで来るイメージは薄く、苦手な内角をさばきやすくする意味合いが強いのかもしれない。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にブレずに我慢。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができる。また、センターからレフト方向へ素直に飛ばすことができ、その打球は良く伸びてゆく。 ＜リストワーク＞ ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力み無くボールを呼び込めている。バットの振り出しも、けしてインサイドアウトではないものの、外角の球に対しては、ロスなくボールを捉えている。スイングの弧も大きめで、バットの先端であるヘッドの下がらないので、フェアゾーンにボールが飛びやすい。 フォロースルーをなどを使って打球に角度を付けるといった長距離打者ではないものの、センターからレフト方向への打球はグングンと伸びてゆく。 ＜軸＞ ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げ静かなので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢でき、軸足にも粘りと強さが感じられる。軸足の内モモの筋肉にも強さが感じられ、強烈な打球を生み出す原動力になっている。 （打撃のまとめ） 「間」もそれなりに取れているし、スイング軌道にも癖がなく、受け止める下半身もしっかりしている。ボールを的確に追う形もできており、長距離打者ではないものの、しなりを生かしたスイングで強くボールを叩けている。技術的には、すでに高いレベルに到達しているのではないのだろうか。 （最後に） 打撃は間違いなくプロ級だと評価しますが、左打ちの中距離タイプの打者。それだけに、守備や走力のアドバンテージに乏しく、よほど打力でアピールしないと、中途半端な位置づけになりかねない。それだけに、最終学年でモノの違いを示すかが、プロ入りへの条件となりそうだ。そういった打撃を期待できるだけの素材だと思うが、果たして背負うものが多い最終学年に、それを成し遂げることができるだろうか？ （２０２３年秋 早慶戦） |
