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清水 智裕(中部大3年)捕手 181/90 右/右 (大垣日大出身) | |
昨年の大学選手権では、ホームランを放ち、12月の全日本松山合宿にも招集されていた 清水 智裕 。「打てる捕手」として、面白い存在ではないのだろうか。 (ディフェンス面) 投手と、細かくやりとりのできる捕手です。ミットをしっかり示し、グラブを下げるような癖はありません。キャッチングもブレずにしっかりしていますし、ワンバウンドするような球にも素早く反応できていました。少々、腕を伸ばしただけで捕りたがるなど、全身で止めようという意識が薄いのが若干気になるぐらい。 捕ってから投げるまでの動作に無駄がなく、コンパクトの腕の振りから、二塁まで1.8秒前後するなど、大学選手権ではドンピシャな形で走者をアウトにしていました。インサイドワークも悪くは無さそうですし、ディフェンス面に関しては、プロを意識できそうな素材です。 (打撃内容) 6月の大学選手権では、7打数3安打 打率.429厘 を記録。チームの4番打者を任されるなど、強打の捕手です。 <構え> ☆☆☆ 3.0 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップを高めに添えます。腰の据わり具合は悪くないですが、全体のバランスとしては並ぐらいで、両眼で前を見据える姿勢としてはどうでしょうか? <仕掛け> 早め 投手の重心が下るときに動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を引き上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は取れているので、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応しやすい。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。 踏み込んだ足は、インパクト際にブレません。そのため、逃げてゆく球や低めの球に食らいつくことができています。気になるのは、腰が早く逃げるので、足元が止まる割には、逃げてゆく球や低めの球をきっちり叩けない恐れはあります。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れているので、速い球に立ち遅れる心配はありません。大学選手権の富士大戦でもホームランを放っていたように、引っ張った時には上から素直にバットが出てきます。 その一方で、外角の球に対しては、腰が早く逃げてバットもバットも遠回りにでてきます。バットの先端であるヘッドも下がり気味で、確実性という意味ではどうでしょうか? それでも、最後まで力強くは振り切ってきます。 <軸> ☆☆☆ 3.0 足の上げ下げはありますが、目線の上下動は少なめです。ただし、体の開きは我慢できているものの、軸足の安定感という意味ではもう一つ。前に傾きがちなので、体がツッコまないように注意したいところです。 (打撃のまとめ) 捕手というポジション柄、そこまで高い打力が求められるわけではありません。真ん中~内角寄りの球を引っ張る時には悪く有りませんが、外角の球に対してはどうでしょうか? 結構癖があって、打てる球と打てない球の差が激しいタイプかもしれません。 (最後に) 適度に守れる選手ですし、送球も素早く無駄がありません。打撃もパワフルですし、打力のある捕手なのは間違いないでしょう。ただし、欠点があってそこを攻められたときはどうなのか? そういった外角への対応は、もう少し見極めたいポイントです。それでも、今年の大学生捕手の中では、ドラフト候補になりうる数少ない一人ではないのでしょうか。 (2023年 大学選手権) |