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藤澤 涼介(横浜国大3年)外野 186/86 右/右 (佐野日大出身) | |
国立大の横浜国大に、ドラフト候補になりうる強打者がいる、その男の名前は 藤澤 涼介 。神奈川リーグでは通算5本塁打を放ち、秋の大学日本大学合宿にも招集され、連日の紅白戦でヒットを放って魅せた。 (守備・走塁面) 一塁までの正確なタイムは計測できなかったが、合宿参加メンバー中2位となる、5.97 をマーク。昨年は、2シーズンで5盗塁を記録するなど、徐々に脚力を活かすプレーができるようになってきた。 外野手としての守備・キャッチング・反応などは並といった感じで際立つものはなかった。また、外野からの返球は、ドラフト候補としては、やや物足りない印象を受けた。走力は確かだが、守備・肩には物足りなさを残している。 (打撃内容) 3年秋のシーズンは、13打点をあげて、リーグの打点王に輝いている。どちらかというとと、スラッガーというよりも、広角に打ち返す中距離・ポイントゲッタータイプではないかとみている。打球も、右方向への打球が目立つ。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスと悪くないが、構えた時に体のどこも動かさず「揺らぎ」の動作がないせいか? 何処か固いというか脆い印象は受ける。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が下がりきった、前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、できるだけボールを引き付けてから叩くので、天性のスラッガーや生粋のニ番打者などに多くみられる仕掛けです。今のところ、彼がどちらなのかは正直わかりません。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 足を小さくステップさせ、真っすぐ踏み出してきます。始動から着地までの「間」が短いので、狙い球を絞ってその球を逃さないことが求められます。真っすぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたい意志の現れか? 真っすぐ踏み出した足は、インパクトの際にもブレずに止まっています。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくができます。ただし、腰が早めに開くので、そこまでそういった球が得意ではないのかもしれません。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れているので、速い球に立ち遅れ難くなっています。バットの振り出しは、少し遠回り出てくるので、腰が早く開く割に、内角のさばきが得意では無さそう。外角も腰が開く分、そこまで逃げてゆく球や低めに強いわけではないのかもしれません。 それでもバットの先端であるヘッドはそこまで下がっていませんし、インパクト後は大きな孤を描きながら、しっかり振り切れています。タイミングさえ合えば、右方向へ大きな打球が飛ぶタイプなのかもしれません。 <軸> ☆☆☆ 3.0 足の上げ下げは静かなので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢できているのですが、軸足の形が少し崩れがちなのと、内モモの筋肉にはまだ強さが感じられません。この辺が強くなってくると、打球の速さや飛距離も変わってきそうです。 (打撃のまとめ) 内角や外角厳しいところは難しそうな感じで、さばけるゾーンは狭いのかなといった印象を受けます。スイング軌道がやや遠回りなのも、気になる部分もあります。しかし、ポイントが後ろの方で、右方向にも大きな打球が飛ぶタイプなのかもしれません。 (最後に) 脚力があったり、大きな打球を飛ばせたりと、素材としての魅力はあります。ただし、国立大の選手のせいか? まだ体つきやスイング自体に弱さが感じられ、ドラフト候補としてはやや物足りません。最終学年でどのぐらい変わってくるかだと思いますが、大学から直にというよりも、社会人などを経由してからといった候補になってゆくかもしれません。いずれにしても、神奈川リーグでは注目の打者だと思うので、注視して見守って行きたい一人です。 (2023年 松山合宿) |