24dy-21
坂本 達也(富士大4年)捕手 172/78 右/右 (博多工出身) | |
春のオープン戦に観たときは、捕手ながら4番に座っていた 坂本 達也 。しかし、打撃への意識は薄そうな感じで、この選手はディフェンス重視の捕手なのだなと強く実感したのを覚えている。 (ディフェンス面) 細かく周りに指示を出したり、投手とも手振り身振りで意思疎通図って来るタイプの捕手です。ミットを示してたあとに、一度グラブを下げてしまうのは気になります。そのため、ワンバウンド処理の際にワンテンポ立ち遅れる心配はあるものの、全身で止めに行ったり、反応もまずまずといった感じはします。 普段のキャッチングやフットワークなどもまずまずで、多彩な投手陣をリードするセンス・視野の広さなどを観ていると、捕手らし捕手であるように感じます。スローイングは、二塁到達まで1.9秒前後とドラフト候補としてはビックリするタイムではないものの、捕ってからの動きにも無駄がなく、走者の滑り込んで来るところに安定して送球できるなど、実戦的な送球ができます。ことディフェンス面に関しては、安心して任せられるレベルにあり、ファームであれば違和感なくプレーできそうです。 (打撃内容) リーグ通算.250厘と平凡で、この秋も打率.207厘と、打撃に関しては物足りません。この辺意識が低いだけなのか? 打撃へも意識が傾けられれば改善できるのかは微妙だと言わざるえません。ただし、右打席から 4.25秒前後(左打者換算で4.0秒前後)で走り抜けられる脚力があり、捕手ながら動ける走力があることは覚えておきたいポイントではあります。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり・全体のバランスはそこそこも、両眼で前を見据える姿勢はしっかりできていた。 <仕掛け> 遅め 投手の重心が沈み込んで、前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、ボールをできるだけ引きつけてから動き出すのは、生粋のニ番打者か長距離打者に良く観られる始動のタイミングとなる。彼の場合は、前者である可能性が高そうだ。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 足を軽く引き上げて、真っ直ぐ踏み出して来る。始動~着地までの「間」は短く、狙い球を絞り逃さないことがより求められることになる。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプなのではないのだろうか。 踏み込んだ前の足も、インパクトの際にもなんとかブレずに我慢。そのため、逃げてゆく球や低めの球にもある程度は食らいつけそう。ただし、率が上がらないのは、基本的にそういった球を引っ張りにかかって、引っ掛けてしまうことが多いからではないのだろうか? <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みがないところは良いところ。そのため、バットを引くのが遅れないようには注意したい。バットの振り出しにもクセはなく、大きなロスは感じられない。 バットの先端であるヘッドを残す意識もあるので、しぶとく食らいつく、そういった打撃は期待できそうだ。特にボールを捉えるのが上手いとか、ヘッドスピードが鋭いとか、捉えれば飛んでゆくとか、そういった特徴はない。あくまでも、はじき返すといった打撃に終始している。 <軸> ☆☆☆★ 3.0 足の上げ下げ静かで、目線の上下動はそれなり。身体の開きも我慢できているが、やや軸足の形が崩れてしまっていることが多い。それだけに、突っ込んだりしないように注意したい。 (打撃のまとめ) 打撃の潜在能力が低いというよりも、意識の問題や引っ張りにかかり過ぎるのが問題であるように思える。ただし、そうかといって、何か垢抜けた特徴があるかと言われると、そこまでは見当たらない。もう少し打てるようになっても不思議ではないが、現時点では打撃はドラフト級だとは言えないだろう。故に、確かなディフェンス力がありながらも、育成指名にまわったのではないのだろうか。 (最後に) しっかり守れる捕手が欲しかったという意味では、充分ありな素材だと言える。その一方で、打撃がネックで、現時点では将来の正捕手といった青写真は描き難い。そのため現時点では、将来二番手・三番手ぐらいの捕手に留まるのかなといったイメージは抱いてしまう。打撃面での物足りさを加味すると、育成枠での指名は妥当だった気がしている。 (2024年 神宮大会代表決定戦) |