24dy-20





渡邉 悠斗(富士大4年) 内野 181/87 右/右 (堀越出身)
 




「なんだか生命力を感じる」





 富士大にはいろいろ注目の選手がいたので、これまであまり注視して来なかった 渡邉 悠斗 。けして垢抜けた素材というよりも、何処か泥臭く、生命力を感じさせる素材であることに気がついた。


走塁面:
☆☆ 2.0

 一塁までの塁間は、右打席から4.55秒前後。これを左打者に換算すると、4.3秒前後に相当し、このタイムはプロでも遅い部類。しかし、最後まで勢いを緩めないなど、走塁への意識は低くない。そのため、極端に足が遅いような感じはしてこない。

守備面:☆☆★ 2.5

 
一塁手としての動きは、けして悪くない。送球に関しても、両足を伸ばして補球するなど、一塁手に適した選手なのかもしれない。時にはサードを守ったりもするのだが、プロで鍛えれば三塁ができるのか? 根本的に厳しいかは微妙なライン。

 ただし、プロで一番伸びる部分は守備だと思っているので、
厳しい練習にも耐えうるだけの身体と気持ちを強さを感じさせる。そういった意味では、ある程度サードに関しても試して見る価値はありそうだ。捕手としても、塁間1.9秒前後で送球できるなど、地肩の強さはかなりのものがあった。





(打撃内容)

 けしてスラッガーというよりも、パワフルな打撃でツーベースなどの長打が多いタイプ。また、
勝負強さを売りにするポイントゲッタータイプの色彩が強そうだ。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 ほぼ両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップを高めに添える強打者スタイル。腰を深く沈め、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスはそれなりといった感じ。構えからも、
気持ちの強さが滲み出ている。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が沈みきった底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離打者や、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を小さく上げて、軽くアウトステップ気味に踏み込んできます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。軽くアウトステップするように、やや内角への意識が強いタイプだと言えます。

 それでも踏み込んだ足元は、なんとかブレずに我慢。
腰が早く開くのは気になるのですが、ある程度のところで開きを抑えられています。そのため、逃げてゆく球や低めの球はあまり強そうではないものの、甘めの外角球や高めの球ならば、右方向にも強い打球が飛ばせていました。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球には立ち遅れることは少なそう。バットの振り出しは、
少し遠回りに出てくるので、その点が気になります。バットの先端であるヘッドまでは下がっていないので、そこまでドアスイングというほどではありませんし、そういった部分をヘッドスピードの速さで、ある程度は補えています。

 それでいて、内角の球をさばくのには
肘をタタメてさばくことができます。スイングの前を大きく取り、フォロースルーの際にもある程度グリップを高い位置まで上がってくるなど、ボールを遠くに運ぶ術も持っています。強引なプルヒッターのように見えるのですが、意外に技術に裏打ちされている部分も感じます。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げさは静かで、目線の上下動は少なめ。
早く投手に胸が見えてしまうのは気になるものの、その開きもある程度のところまでで我慢できています。軸足の形も崩れていないので、軸を起点に回転できていますし、軸足の内モモの筋肉も発達しています。強烈な打球を生み出す、大きな原動力になっています。

(打撃のまとめ)

 ボールを捉える能力に特別なものは感じませんが、
打席での集中力なども高そうで、技術的にも抑えるポイントは結構抑えているように思います。A級の素材ではないのですが、多くの練習をこなす中で、いろいろ見つけて行けるそういったタイプなのではないかと期待します。


(最後に)

 正直、これまで気にして来なかった選手なのですが、なかなか
ガッツと頑丈そうな身体つきは、いかにもカープに合いそうな素材です。チームの貴重なポイントゲッターとして、長く球界でも生き残って行けるかもしれません。一位の 佐々木 泰 選手以上に、プロで大成するのは彼の方なのかもしれません。


蔵の評価:
☆☆ (中位指名級)


(2024年 神宮大会代表決定戦)