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林 冠臣(日本経済大4年)中堅 195/105 右/右 (日南学園出身) | |
195センチ105キロの体格から、フルスイングして来る 林 冠臣 。台湾からの留学生だが、日本人にはない上体の強さを感じさせるロマン溢れる素材なのだ。 (守備・走塁面) この秋は、DHでの出場。しかし春はセンターを守っており、試合前練習の模様を見る限り、無難に守れていた印象。肩も元投手ということで、それなりの強さが感じられる。 一塁までの塁間は、右打席から 4.25秒強。このタイムを左打者に換算すると、4.0秒前後に相当し、基準以上の速さを持っている。加速までには時間がかかるものの、ベースランニングなどで加速して来るなど、それなりのスピード感は感じさせる。 これだけの強打者の割に、肩や走力も水準以上のものを持っていることは、彼の大いなる強味となっている。 (打撃内容) 下級生までは粗さが目立っていたが、4年春には 4本 11点 打率.429厘 と素質が開花。この秋も、打率.432厘 と好成績を残している。ただし、全国レベルの九州産業大との試合では、8打数1安打と結果を残せなかった。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前の足を軽く引いて、グリップを高めに添えています。背筋を伸ばし、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスもまずまず。この体格ですから、とても相手投手にはプレッシャーがかかる威圧感があるように感じます。 <仕掛け> 遅め 投手の重心が下がりきって、前の移動する段階~リリース直前あたりで動き出す「遅めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、生粋のニ番打者か天性の長距離打者に多くみられる始動のタイミングです。彼の場合は、後者だと考えられます。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 少しだけ足を浮かせて、軽くアウトステップ気味に踏み込んできます。始動~着地までの「間」が短く、狙い球を絞りその球を逃さないことが求められます。アウトステップ気味なので、意識は内角寄りにあるのではないのでしょうか。 どうしても力んだまま引っ張りにかかるので引っ掛けることが多い。しかし、春の映像などを見ると、右方向への打球も観られ、足元も動かず我慢できていた。意識次第では、そういった打撃もできるのだろう。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体でボールを呼び込めているのは好いのですが、バットが引くのが遅れないように注意したいところ。バットの振り出し自体は、思ったほど遠回りに出て来なく、クセはありませんでした。そして、上体の強さを生かしてフルスイングしてきます。 ただし、力みまくってのスイングなので、どうしても打ち損じが多くなってしまう恐れがあります。現状は、上手く巻き込めた時に凄い飛距離のホームランを放つといったタイプのように見えました。ただし、精度はともかく、これだけフルスイングできるのは、ある種の才能だと評価します。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げは小さいので、目線の上下動は少なめ。踏み込んだ足元も、意識次第では開きを我慢できそうです。軸足が地面から真っ直ぐ伸びており、軸を起点にスイングできています。軸足の内モモの筋肉が発達しており、強烈な打球を生み出す原動力になっています。 (打撃のまとめ) 引っ張りにかかったスイングなので、上体の強さも相まって上手く巻き込めた時には凄い打球を飛ばせるのでしょう。しかし、このスイングを見る限り、打てるポイントは限られていて、けして確実性が高いスイングには見えません。春の試合では、右方向への打球も観られたので、けして引っ張りしかできない打者では無さそうです。リーグ戦では高い打率も残しており、粗さはあっても当て勘が悪い選手では無さそうです。 (最後に) かなり粗っぽい素材なので、時間はかかると思います。しかし、それ以上に振る力があり、守備・走力の能力も低くないので、素材としての面白味は相当なもの。完全に素材型の域を脱していませんが、モノにできた時のリターンは計り知れないように感じました。リスキーさは感じますが、支配下で指名されるべき素材ではないのでしょうか。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2024年 秋季リーグ戦) |