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相原 雄太(仙台大4年) 投手 190/95 右/右 (伊奈学園総合出身) | |
恵まれた体格から投げ下ろす速球だけでなく、各変化球のキレも良い 相原 雄太 。これだけの素材が、なぜリーグ戦では3年春のリーグ戦に投げたのみで終わったのか不思議に思った。 (投球内容) 投手に逸材の多い仙台大だけに、練習試合で投げていても、なかなか公式戦では任されないといった感じなのだろうか? その最大のネックは、やはり制球の不安なのだろう。しかし、幾つかの試合の模様をみたが、そこまでノーコンには見えなかった。 ストレート 145キロ~150キロ台前半 ☆☆☆☆ 4.0 けして、真っ直ぐを全面にガンガン押してくる感じではありません。あくまでも、真っ直ぐと変化球とのコンビネーションで、投球を組み立てています。両サイドに投げ分けるコントロールはあり、時々抜ける球はあっても、そこまで四死球を連発するといったほどの粗さは感じませんでした。速球も角度のある140キロ台後半のボールを投げ込んでおり、それなりの威力と迫力を感じます。 変化球 スライダー・カーブ・フォークなど ☆☆☆★ 3.5 横滑りするスライダーには威力を感じますし、結構縦の変化も交えて投球に馴染ませることができていました。まだ絶対的な精度・落差ではないものの、打者の意識を低めにも集めることはできていそうです。また、時々緩いカーブも交え、この球でもカウントを稼げていました。そういった変化球一つ一つも、思った以上にクオリティが高そうです。 その他 クィックは、1.15秒前後と平均的で、走者の目配せもできており、マウンドでも冷静に対処できていました。それほど細かい「間」を使ってとか、そういった余裕まではないかもしれませんが、ピンチによって気持ちが揺らぐようなタイプでは無さそうです。 (投球のまとめ) もっと荒れ荒れの素材型をイメージしていたのですが、想像以上に形になっていてビックリでした。少し見た程度ですが、いくら仙台大の投手陣が充実しているとはいえ、公式戦で全然投げていないのは不思議なぐらいの内容でした。 (投球フォーム) 今度は、フォームの観点から将来像について考えてみたい。セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さは並ぐらい。軸足一本で立った時には、膝から上がピンと伸びがちで力みが感じられるのは気になるところ。また トの字 形になりがちで、身体が突っ込まないように注意したい。 <広がる可能性> ☆☆☆☆ 4.0 引き上げた足をピンと高い位置で伸ばされており、お尻は一塁側に落とせています。そういった意味では、身体を捻り出すスペースは確保できており、カーブやフォークといった捻り出して投げる球も無理なく投げられます。実際、そういった球を結構使ってきています。 「着地」までの地面の捉えもそれなりで、適度に身体を捻り出す時間も確保。こうなると、曲がりの大きな変化球の修得も期待できそうです。そのため、好い変化球を投げられる下地は整っています。 <ボールの支配> ☆☆☆★ 3.5 グラブは抱えきれず後ろに流れがちですので、多少外に逃げようとする遠心力を抑えきれていない部分はあるかもしれません。大まかに両サイドに散らせますが、多少アバウトになる要因かもしれません。 足の甲での地面の捉えもできているように見えるので、浮き上がろうとする力も抑えられているように見えます。しかし、高めにに抜けたりすることもあり、リリースがまだ定まっていないのか? 押し込みが甘いのか、何かしら制球を乱す原因がありそうです。ただし、全体の動作としては、もっと制球が安定していても不思議ではありません。 <故障のリスク> ☆☆☆★ 3.5 お尻も落とせているので、カーブやフォークなどを投げても窮屈になり難そう。それでも結構縦の変化は使ってくるので、肘へのケアには注意したいところです。腕の送り出しを見ても、そこまで肩に負担がかかっているようには見えません。多少力投派の部分はあるので、疲労の蓄積には注意したいところです。 <実戦的な術> ☆☆☆☆ 4.0 「着地」までの粘りも作れていますし、ボールの出どころも隠せているように見えます。そういった意味では、けして合わされやすいフォームでは無さそうです。 腕は非常に強く叩けているので、打者としては勢いで吊られそう。ボールに適度に体重を乗せてからリリースできているのですが、最後一塁側に流れるなど、作り出したエネルギーがロスしてしまっています。適度なステップの幅を見つけ、強い上半身の振りに下半身が負けなくなれば、もっともっと好い球が投げられそうです。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「球持ち」や「体重移動」に改善は必要そうではあるものの、全体的には悪くありません。制球を司る動作も、思ったほど悪くありません。故障のリスクもそこまで高くないですし、将来的に武器になるような変化球も見出して行けそうです。そういった意味では、フォームの土台もなかなか素晴らしい素材ではないのでしょうか。 (最後に) 僅かな投球の模様とフォームを分析しただけなので、評価云々はできません。しかしながら、なかなか興味深い素材であり、近い将来大化けしても不思議ではないと思いました。数年はかかると思いますが、どのように才能が花開くのか、今から楽しみな大器でした。 蔵の評価:未確認 |