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岡田 皓一朗(大阪商業大4年) 投手 187/92 右/左 (智弁学園出身) | |
3年秋にはじめてリーグ戦に登場し、最終学年も短いイニングでの登板に留まった 岡田 皓一朗 。大学での実績には乏しい選手だが、一体どのような選手なのか考えてみたい。 (投球内容) この秋のリーグ戦は、リリーフで6試合に登板し、7回2/3 5安 3四死 2三 防 3.52 といった内容だった。 ストレート 145キロ前後 ☆☆☆ 3.0 コンスタントに140キロ台中盤を記録する真っ直ぐには、適度な勢いと威力は感じさせる。そのため、投球のほとんどは速球で構成されている。しかし、この球が高めに集まったり抜けたりと、まだまだボールが制御できていないのは気になる材料。相手にじっくり見られると、ストライクを揃えるのにも四苦八苦しそうだ。 変化球 スライダー・フォーク? ☆☆ 2.0 数少ない変化球を見た中では、右打者にはスライダーに、左打者にはチェンジアップだかフォークだかを投げているみたいだった。しかし、まだその変化球の精度・キレ共に課題があり、投球のほとんど真っ直ぐな理由も頷ける。 その他 クィックは、1.15~1.20秒ぐらいと平均。試合では、牽制などは確認できなかった。まだ、走者に充分目配せをする余裕もないようで、マウンドでも精神的な余裕は無さそうだった。 (投球のまとめ) 厚みがあって馬力のありそうな体格だけに、今後まだまだ球威や球速に磨きがかかっても不思議ではない。しかし、制球力や変化球に課題があり、一線で使えるようになるのには、相当時間がかかるのではないのだろうか? (投球フォーム) 今度は、フォームの観点から、この選手の可能性について考えてみたい。セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さには乏しい。軸足一本で立ったときにも、膝から上がピンと伸びがちで力みが感じられ、後ろから見て トの字 になってしまっている。そのため、突っ込みやすい立ち方になっている。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 引き上げた足を地面に伸ばしがちではあるので、お尻の一塁側への落としには甘さがある。それでも、カーブやフォークといった球種が投げられないほどでは無さそうだ。「着地」までの地面の捉えもそれなりで、身体を捻り出す時間も並ぐらい。そのため、大きな曲がりの変化よりも、球速のある小さな変化を中心に投球の幅を広げてゆくことになるのではないのだろうか。 <ボールの支配> ☆☆☆ 3.0 グラブは最後まで内に抱えられており、外に逃げようとする遠心力を内に留めている。そのため軸はブレ難く、両サイドへのコントロールはつけやすい。しかし、足の甲での地面の捉えが浮いてしまい、浮き上がろうとする力が抑えられていない。そのため、力を入れて投げるとボールが上吊りやすく、「球持ち」も並ぐらいなので抜け球も少なくない。特に、高低の制球力が課題だと言えるのではないのだろうか。 <故障のリスク> ☆☆☆★ 3.5 お尻の落としに甘さはあるものの、カーブやフォークの頻度も少なそうなので、現状そこまで気にしなくても良さそうだ。腕の送り出しにも、そこまで無理は感じられない。そういった意味では、肩への負担もそこまでではないのでは? それほど力投派でもないので、そこまで疲労を溜めやすいといったことも無さそうだ。 <実戦的な術> ☆☆★ 2.5 「着地」までの粘りはそれなりでも、身体の開きが早く、ボールが見やすいのは気になる。そのため、打者からは合わされやすいのではないかと。腕はしっかり振れて身体に絡んで来るのだが、開きが早いことで打者は吊られ難いと考えられる。ボールにも、まだ充分に体重を乗せてからリリースできているわけではないので、打者の手元までの勢いや球威は、持っているスペックを考えれば物足りない。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、特に「開き」と「体重移動」に課題を抱えている。足の甲が地面から浮いてしまってボールが上吊りやすい制球力に不安があり、故障のリスクはさほど高くはないものの、将来的に武器になる変化球を身につけられるのかといった部分でも不安な部分が多い。投球フォームの観点からも、かなりの素材型だと判断せざるえない。 (最後に) プロの環境や指導次第では、球威や球速などの真っ直ぐには大きな上積みがあっても不思議では無さそうだ。しかし、例えそのへんが改善されても、制球力・変化球・投球術含めて、課題は少なくない。こういった選手を、ソフトバンクがどのように導いてゆくのか? 個人的には興味深いものがあります。 (2024年 秋季リーグ戦) |