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岡本 駿(甲南大4年) 投手 186/80 右/左 (徳島城南出身) | |
スラッとした投手体型で、まさにプロ注目の本格派といった感じの 岡本 駿 。育成指名ではプロ入りしないということらしいのだが、本会議での指名となると微妙な位置にいるのではないかと感じられた。 (投球内容) 阪神大学リーグでは、通算11勝をあげている実力者。この秋の成績は、37回 31安 18四死 24三 防 2.19 。 ストレート 常時145キロ前後~後半 ☆☆☆ 3.0 切れ味が身上といった感じで空振りが誘える一方で、甘く入ってしまうと長打を食らいやすい側面がある。ボールは適度に散っていて、37イニングで18四死球 というほどは悪くないように見える。甘く入るのを恐れて、コースを突こうとし返って四球が多くなってしまっているのかもしれない。 変化球 スライダー・カット・フォーク・チェンジアップなど ☆☆☆ 3.0 結構縦の変化を多く使ってくる印象で、コンビネーションで打ち取るタイプ。縦の変化に関しては、それほど空振りを誘うというよりも、低めへの意識付けの意味合いが強い。もう少し、この球で空振りが奪えるようになると、また投球が楽になりそうだ。 その他 クィックは、1.05~1.1秒ぐらいとまずまず。牽制は非常に鋭く、走者を刺すつもりで投げてくる。打球処理の動きも素早く、フィールディングも上手い部類ではないのだろうか。細かい出し入れや間合いといったほどではないが、そういった投手としてのセンスは悪くないように見えたので、今後細かいことまで身につけて行ける素養はあるとみる。 (投球のまとめ) 凄みのある素材というよりも、いかにもスジの良いセンス型の投手といった感じがする。ただし、現状は、まだ球速ほどボールに強さがない点。また、決め手となるほどのボールがないことを考えると、プロに入ってもまずは二軍からみっちりといったことにはなるのではないのだろうか。 (投球フォーム) 今後の可能性はどうなのか? 投球フォームについて考えてみたい。セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さは並ぐらい。軸足の膝から上がピンと伸び切るような力みは感じられないが、バランスとしては Yの字 になっていないように思える。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 引き上げた足を地面に向けて伸ばしがちなので、お尻の一塁側への落としには甘さを残す。したがって、カーブやフォークといった球が投げられないほどではないものの、その変化は鈍くなりがち。 「着地」までの地面の捉えは平均的で、体を捻り出す時間も並ぐらい。そのため、大きな曲がりよりも、球速のある小さな変化を中心に投球の幅を広げてゆくことになるのではないのだろうか。 <ボールの支配> ☆☆☆★ 3.5 グラブは最後まで内に抱えられ、外に逃げようとする遠心力を内に留めている。それゆえ軸はブレ難く、両サイドへの制球は安定しやすいのでは? また、足の甲での地面の捉えも悪くないように見え、浮き上がろうとする力を抑えられている。したがって、特にボールが高めに集まりやすいといったことも無さそうだ。 指先の感覚も悪さそうに見えるが、少し球離れが早く見え、もう少しリリースが我慢できるようになり、指先まで力を伝えられるようになれば、もっと制球力が安定してきそう。 <故障のリスク> ☆☆☆★ 3.5 お尻の落としに甘さは残すものの、極端といったほどではない。ただし、縦の変化球を多く投げる配球なので、肘への負担が少ないとは言えない。また、ボールの送り出しには無理は感じられず、肩への負担は少なそう。けして力投派でもないので、疲労も溜め難いのではないのだろうか。 <実戦的な術> ☆☆☆★ 3.5 「着地」までの粘りは平均的だが、ボールの出どころは隠せている。そのため、投げミスをしなければ合わされやすいといったことは無さそうだ。 投げ終わった後などは、腕が体に絡んでくる。ボールの出どころも隠せているので、もう少しフォームや腕の振りに勢いが出てくると、もっと空振りが誘えようになりそう。まだボールにしっかり体重を乗せてからリリースできていないようで、打者の手元まで球威に物足りなさを残している。ここが変わって来ると、ボールの勢いや球威が大きく変わってきそうだ。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「開き」こそ抑えられているが、まだ他の部分では改善の余地が残されている。制球を司る動作はまずまずで、故障のリスクも低そう。将来的に、いかに武器になる球を見出して行けるかではないのだろうか。 (最後に) フォームの土台や、投手としてのセンスも悪くないと思います。しかし、現時点でのボールの力や、総合力となると微妙だと言わざるえません。そのため、ドラフトでは育成になる可能性も充分考えられ、その時にどう考えるかではないのでしょうか。あとは、本人次第だと思います。ただし、あと2年ぐらい課題に真摯に向き合えれば、良い投手になれる可能性は高いとみています。 (2024年 秋季リーグ戦) |