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河野 聡太(23歳・愛媛MP)遊撃 179/82 右/左 (九産大九州-西日本工業大出身) | |
西日本工業大時代から、愛媛マンダリンパイレーツに進んだ 河野 聡太 。チームではショートを中心に守るも、大学時代は捕手や三塁手として活躍し、アイランドリーグでもショートを中心にサードなどでも出場していた。 走塁面:☆☆☆☆ 4.0 一塁までの塁間は、3.8~3.9秒台で走り抜けるなど、プロでも上位クラスのタイムを叩き出す。ただし、リーグ戦では65試合で12盗塁と、そこまで圧倒的な盗塁数を記録しているわけではない。現状は、走力はあるけれど盗塁技術・意欲は若干劣る感じで、プロで走塁技術を磨いて、足を武器にして行けるかは微妙な感じだ。 守備面:☆☆☆★ 3.5 何処でもこなせる野球センスのがあり、打球への反応も鋭く、細かい動きなども悪くはない。ただし、65試合で16失策と安定感はイマイチ。地肩はかなり強そうだと感じられたが、プロで信頼される遊撃手になれるかといったら微妙な感じはした。将来的には、身体能力の高さを活かし、外野あたりに落ち着くのかもしれない。 持っている走力や肩の強さには高いものがあるものの、それをまだ活かしきれるだけの技術の方が欠けている。いろいろできる器用さが逆に、ポジションが定まらず器用貧乏にもなりかねない。チームに一人いれば重宝されるかもしれないが、便利屋にするのはもったいないポテンシャルの選手ではないのだろうか。 (打撃内容) オーバーフェンスをするようなタイプではないが、スイングや打球は力強く二塁打・三塁打が多いタイプ。。独立リーグ一年目は、65試合 2本 24点 打率.301厘(5位) の好成績を残した。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を軽く引いて、カカトを浮かして構えます。グリップを高めに添え、背筋を伸ばしつつ、両眼での前の見据え方や全体のバランスはそれなりといった感じでしょうか。 <仕掛け> 早め 投手の重心が沈みはめる時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を引き上げて回し込み、真っ直ぐから若干ベース側に踏み込みます。始動~着地までの「間」とれているとり、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。真っ直ぐ踏み込むように、内角でも外角でもさばきたいタイプなのかもしれません。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にも動かず止まっています。そのため、逃げて行く球にも食らいつくことができ、実際の試合を観ていても、外角低めの球にシブとく食らいつく姿を確認できました。しいて言えば、若干「着地」が早めなので、もう少しうまくボールを呼び込められるようになると、さらに確実性が高まる気がします。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 早めに打撃の準備である「トップ」のところにグリップを持ってきているので、速い球に立ち遅れ難いように感じます。ただし、「トップ」をしっかり作れるタイプではないので、若干タイミングの図り方が下手なのかなといった感じはしました。 バットの振り出しは、肘を畳んでインサイドアウトにバットが出てくるタイプ。そのため、内角の球を開くことなくスパンと振り抜けます。むしろ、外角の球を強くしっかり流すなど、そういった幅みたいなものをもっと強化されるべきかなと感じました。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げも静かで、目線の上下動は少なめ。体の開きも抑えられ、軸足の粘りも悪く有りませんでした。 (打撃のまとめ) 好打者というよりも、意外に強打者的な力強いスイングをします。技術的な完成度は高いのですが、もう少しうまくタイミングがとれると、技術的にはしっかりしているので、それをさらに活かす打撃の幅みたいなものが出てくるように感じられました。 (最後に) 走力・肩の身体能力は高いので、それを活かす技術・安定感に磨きを賭けたいところ。また、打撃技術はすでに完成度はかなり高そうなので、あとは、ボールの呼び込み方・タイミングの図り方に、もう少し「間」などがとれるスイングになると、打てるポイント・さばける球が増えそうな感じがします。 育成5位での指名で、何処でも使えそうな融通性を評価したのかもしれませんが、意外に肉体のポテンシャルも打撃の潜在能力も高そうで、今後の導き方次第では、大化けするかもしれません。 ☆(本会議指名)を付けるほどのものは感じられませんでしたが、プロで何か掴めば、一年目から出てきても不思議ではない可能性を秘めた素材だと思います。なかなか育成枠指名ですが、興味深い選手でした。 (2023年 アイランドリーグシーズン) |