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金子 功児 (20歳・BC武蔵)遊撃 176/76 右/左 (光明相模原出身)
 




 「一番指名の可能性を感じた」





 BCリーグ選抜と日ハムとの交流戦の模様を観ていて、投手・野手合わせて、もっとも指名の可能性を感じさせてくれたのが、この 金子 功児 。光明相模原高校からBC入りして、2年目のシーズンを迎えている若手内野手だ。


走塁面:☆☆★ 2.5

 チームの3番を担っているが、盗塁数は28試合で3盗塁(2失敗)と、けして多くはない。一塁までの到達タイムも、左打席から 4.2秒前後と、際立つものはなく、ドラフト指名される左打者としては 中の下 ぐらいのタイムとなってしまう。見た目ではもう少し速いタイムが出ても不思議では無さそうだが、現状はプロで走力を売りにするといったほどでは無さそう。プロフィールで的には、50メートル・6秒1ということになっている。

守備面:☆☆☆ 3.0

 今回の交流戦では、軽快にゴロをさばく場面がみられた。一歩目の反応やスピード感、フットワークなども悪くないように見えたが、送球は少し慎重になっているように見える。今シーズンも、28試合で13失策と多く、恐らく送球に課題があるのではないのだろうか? 普段は、丁寧に投げている返球が目立つが、深いところからでもアウトにできる、地肩に関しては基準を満たすものは持っていそうだった。身体能力的にはプロでも二遊間を担って行けそうなものはあるものの、送球難で結局はセカンドに収まってしまう可能性も否定はできない。

 三拍子揃った巧打の選手とのイメージを受けるが、走力はそこまでではなく、守備も動きは悪くないものの、安定感にはまだまだ課題も多い。そういった意味では、素材型の域を脱してはいないことは頭の片隅に置いておくべきだろう。






(打撃内容)

 今シーズンは、
28試合 3本 15点 打率.357厘(6位) 。日ハムとの試合では、右中間へのホームランも見れました。それほど強打者といった感じには見えなかったのですが、長打力.513厘 ということで、それなりにパンチ力はありそうです。打撃フォームは、4月に行われた巨人とのプロアマ交流戦の時のものから。

<構え> ☆☆☆☆ 4.0

 若干クロス気味に立ち、腰を深めに添えてグリップを高めに添えつつ、両眼で前を見据えています。全体的にバランスはとれていますし、
打席での集中力も感じられます。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が下がりきったあたりで動き出す、「早めの仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力をバランス良く兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げて回し込み、若干ベース側に踏み込むインステップを採用。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応します。踏み込んで来ることからも、意識は外角寄りにあると考えられます。

<リストワーク> ☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れているので、速い球に立ち遅れるといったことは無さそう。けしてインサイドアウトに出てくるというタイプではなく、むしろ
バットをしなりを活かして強く振り抜いてきます。またバットの先端であるヘッドは下がらないので、フェアゾーンにボールが飛びやすいのではないのでしょうか。

<軸> ☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げはあるものの、
頭は動かず目線は安定。体の開きも我慢できていますし、軸足は地面から真っ直ぐ伸びて安定しています。それだけ、調子の波は少ないタイプなのかと。軸足の内モモの筋肉も強そうで、強い打球を生み出す原動力となっています。

(打撃のまとめ)

 コースに逆らわない巧打者タイプかと思いきや、成績やフォームを観ていると、結構
パンチの効いた強打者タイプの打撃をしてくる選手です。イメージ的には、DeNAの 関根 大気 に似たタイプに見えました。


(最後に)

 動きの良いショートということに目を奪われがちだが、実は打撃の方が早くプロに順応して可能性が高いのではないかと。技術的にもしっかりしているし、結構力強さも兼ね備える。いずれにしても、まずは一・ニ年ファームで鍛えていってという形にはなろうかと思うが、下位~育成あたりであれば、今年のドラフトで指名されるのではと。あとは、現在上位に位置づける打撃成績が、最後まで持続できるのか注視して行きたい。


蔵の評価:追跡級!


(2023年 NPB交流戦)