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金子 功児 (20歳・BC武蔵)遊撃 176/76 右/左 (光明相模原出身) | |
6月に、BC選抜と日ハムの試合を見た時に、この 金子 功児 は、何かしらの形では指名されと確信していた。下記に記した寸評を見て頂ければわかると思うが、当時はBCリーグでも上位だった打率が、シーズン最後まで維持されるかどうかが、一つ本会議と育成との別れになるのではと思ってみていたのを思い出す。 走塁面:☆☆★ 2.5 一塁までの到達タイムは、左打席から 4.2~4.3秒 ぐらいと、やや遅め。もう少し速そうに見えるのだが、タイム的には正直 中の下 レベル。今シーズンは、65試合で8盗塁と、全く走れないことはないものの、足を売りにして行くほどではなさそうだ。 守備面:☆☆☆ 3.0 遊撃手としての動きは、華もあって見栄えがします。一歩目の反応や、フットワーク・キャッチング・スローイングまでのスピード感も悪く有りません。しかし、今シーズンは、65試合で29失策。6月に見たときは、28試合で13失策だったので、その後は 37試合で16失策していた計算になります。その後も、安定感という意味では改善されていなかったことが伺えます。動きは良い選手なので、プロ入り後安定感を身につけられれば、二遊間で勝負して行ける選手になれるとは思いますが。 (打撃内容) とにかく、コースに逆らわない打撃をする選手といった感じがします。結局今シーズンの成績は、65試合 4本 28点 打率.265厘 で終わりました。6月にレポートを作った時には、28試合 3本 15点 打率.357厘(6位) だったので、37試合 1本 13点 で、打率は大幅に低下したことが伺われます。打撃フォームは、6月との比較しながら、考えてみたいと思います。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップは少し高めに添えます。腰の据わり方、両眼での前の見据え、全体のバランスと良く、そのへんは大きく変わっていないように思いました。ただ、今回気になったのは、構えた時に体のどこも動かさないで構えるので、「揺らぎ」の動作がなく少し固いというか、反応が遅れ気味になる可能性があるので気になる部分でした。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が下りきった底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離打者や、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。 この始動のタイミング自体は変わっていないのですが、彼のような対応力重視のあれば、もう少し始動を早めて、上手く「間」がとれるようなスイングができる方が、確実性が増すようには思えます。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を引き上げて、ベースから少し離れた方に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。少しアウトステップすることからも、内角への意識が若干高いのかもしれません。 ただ驚いたのは、春見たときは確かインステップに踏み込んでいたので、あえてそこを換えて内角のさばきを重視したのかはわかりませんが。あるいは、コースによって、踏み込む場所を瞬時に使い分けられているのかもしれません。 踏み込んだ前の足は、インパクト際にブレずに我慢。そのため、アウトステップでも甘めの外角球や低めであれば、無理なくついて行くことができそうです。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形をつくるのは自然体で、力み無く呼び込めているのは良いところ。バットの振り出しも、インパクトまでロスなく振り下ろされています。またボールを捉える際も、バットの先端であるヘッドが上手く立っているので、フェアゾーンに飛びやすいのではないのでしょうか。 けして、打球に角度を付けて飛ばすタイプではありません。特にインサイドアウトといった感じではなく、バットのしなりを活かしたスイングができるので、プロの球に力負けするとか、そういった可能性は低いのでは。スイング自体も、6月よりも力強さが出てきたように感じます。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げも忙しくないので、頭の位置は安定し目線も動きません。体の開きも我慢できていますし、軸足も比較的安定して形が崩れていませんでした。適度に内モモの筋肉にも、粘りと強さが感じられます。 (打撃のまとめ) ボールの捉えるまでの「間」というものが平凡な感じはしましたが、上半身の使い方と軸の安定感にはみるべきものがありました。前回の寸評でも書いたように、コースに逆らわない好打者のイメージもあるのですが、動作的には結構強打者の感じで、DeNAの 関根 大気 に似た感じに見えます。6月と比べ、打撃フォームは大きくは変わってはいませんでした。 (最後に) 思ったよりも打撃技術がしっかりしていて、ショートの守備が魅力といったタイプにみえて、意外に打撃で存在感を魅せてくる可能性があるのではないかと思います。そのためにも、上手く「間」が取れたスイングを身につけられるかが鍵になるのではないのでしょうか。まだまだ高卒2年目の選手だということで、試合に出続けられるだけの体力や精神のスタミナに課題があるのかもしれません。現時点では育成枠での評価は妥当だと思いますが、将来的には楽しみな選手だとは思いました。数年後、どんな選手に育っているのか、期待をして見守りたいところです。 (2023年 BCリーグ戦) |
金子 功児 (20歳・BC武蔵)遊撃 176/76 右/左 (光明相模原出身) | |
BCリーグ選抜と日ハムとの交流戦の模様を観ていて、投手・野手合わせて、もっとも指名の可能性を感じさせてくれたのが、この 金子 功児 。光明相模原高校からBC入りして、2年目のシーズンを迎えている若手内野手だ。 走塁面:☆☆★ 2.5 チームの3番を担っているが、盗塁数は28試合で3盗塁(2失敗)と、けして多くはない。一塁までの到達タイムも、左打席から 4.2秒前後と、際立つものはなく、ドラフト指名される左打者としては 中の下 ぐらいのタイムとなってしまう。見た目ではもう少し速いタイムが出ても不思議では無さそうだが、現状はプロで走力を売りにするといったほどでは無さそう。プロフィールで的には、50メートル・6秒1ということになっている。 守備面:☆☆☆ 3.0 今回の交流戦では、軽快にゴロをさばく場面がみられた。一歩目の反応やスピード感、フットワークなども悪くないように見えたが、送球は少し慎重になっているように見える。今シーズンも、28試合で13失策と多く、恐らく送球に課題があるのではないのだろうか? 普段は、丁寧に投げている返球が目立つが、深いところからでもアウトにできる、地肩に関しては基準を満たすものは持っていそうだった。身体能力的にはプロでも二遊間を担って行けそうなものはあるものの、送球難で結局はセカンドに収まってしまう可能性も否定はできない。 三拍子揃った巧打の選手とのイメージを受けるが、走力はそこまでではなく、守備も動きは悪くないものの、安定感にはまだまだ課題も多い。そういった意味では、素材型の域を脱してはいないことは頭の片隅に置いておくべきだろう。 (打撃内容) 今シーズンは、28試合 3本 15点 打率.357厘(6位) 。日ハムとの試合では、右中間へのホームランも見れました。それほど強打者といった感じには見えなかったのですが、長打力.513厘 ということで、それなりにパンチ力はありそうです。打撃フォームは、4月に行われた巨人とのプロアマ交流戦の時のものから。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 若干クロス気味に立ち、腰を深めに添えてグリップを高めに添えつつ、両眼で前を見据えています。全体的にバランスはとれていますし、打席での集中力も感じられます。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が下がりきったあたりで動き出す、「早めの仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力をバランス良く兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を引き上げて回し込み、若干ベース側に踏み込むインステップを採用。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応します。踏み込んで来ることからも、意識は外角寄りにあると考えられます。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れているので、速い球に立ち遅れるといったことは無さそう。けしてインサイドアウトに出てくるというタイプではなく、むしろバットをしなりを活かして強く振り抜いてきます。またバットの先端であるヘッドは下がらないので、フェアゾーンにボールが飛びやすいのではないのでしょうか。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げはあるものの、頭は動かず目線は安定。体の開きも我慢できていますし、軸足は地面から真っ直ぐ伸びて安定しています。それだけ、調子の波は少ないタイプなのかと。軸足の内モモの筋肉も強そうで、強い打球を生み出す原動力となっています。 (打撃のまとめ) コースに逆らわない巧打者タイプかと思いきや、成績やフォームを観ていると、結構パンチの効いた強打者タイプの打撃をしてくる選手です。イメージ的には、DeNAの 関根 大気 に似たタイプに見えました。 (最後に) 動きの良いショートということに目を奪われがちだが、実は打撃の方が早くプロに順応して可能性が高いのではないかと。技術的にもしっかりしているし、結構力強さも兼ね備える。いずれにしても、まずは一・ニ年ファームで鍛えていってという形にはなろうかと思うが、下位~育成あたりであれば、今年のドラフトで指名されるのではと。あとは、現在上位に位置づける打撃成績が、最後まで持続できるのか注視して行きたい。 蔵の評価:追跡級! (2023年 NPB交流戦) |