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中里 亮太(24歳・SUBARU)遊撃 171/63 右/左 (土浦湖北-獨協大出身) | |
スポニチ大会のショートゴロでの一塁到達タイムが、3.5秒前後を叩き出していた 中里 亮太 。 通常、セーフティバントで走り出して打たない限り、こんなタイムを叩き出すような選手はいない。この中里の脚力は、今年の候補の中でも破格な存在なのだ。 (守備・走塁面) 確認した試合では、あまりショートに打球が飛んで来なかったので、守備にはわからないことも多い。しかし、小柄な体格だけに、なかなか俊敏な動きを魅せている。さらに、テイクバックを小さめにとり、制球重視のスローイング。そのため、驚くような強肩ではないのだろうが、送球の乱れが少ないショートなのではないのだろうか。ここまでの公式戦14試合では、失策は1個。数字的には、けして悪い数字ではない。凄いプレーをする選手かはともかく、安定感・動きの良さはありそうな選手だった。 この破格のタイムの一塁到達タイムである一方で、14試合での盗塁数は1個に留まっている。さらに、3回の失敗もあることから、盗塁技術という意味では、まだまだ課題を残しているようだ。チームの核弾頭を担っているが、マークされる中で盗塁を決めるほどの絶対的な走力は無いようにも思える。 守備・走塁に関しては、まだどのレベルなのか私自身掴み切れない部分も多い。もう少し、これからの都市対抗予選など、他の試合も注視して能力を見極めて行きたい。 (打撃内容) 今シーズンの公式戦の 14試合では、0本 6点 打率.293厘 の成績で、SUBARU の1番を担っています。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を大きく引いた左オープンスタンスで、グリップは少し下げ気味に添えます。腰を深く沈めて癖はあるのですが、両眼で前を見据える姿勢は悪くありません。なかなか、しぶとそうな雰囲気を漂わせます。 <仕掛け> 早すぎ 投手がまだ重心を沈み始める前に動き出す、「早すぎる仕掛け」を採用。アベレージ打者としての色彩が強いのですが、ここまで早く動き出すと、投手が投げるタイミングを変えて来る危険性があります。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を大きく引き上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は充分とれており、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも幅広くさばきたいタイプではないのだろうか。踏み込んだ足元は、インパクトの際になんとかブレを抑えることができている。そのため、レフト方向へ逆らわず打ち返すことも苦にしません。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はありません。けしてインサイドアウトに出てくるスイング軌道ではありませんが、外の球に対してはロスなく振り下ろすことができています。 インパクトの際にはヘッドは下がらず、広い面でボールを捉えています。それだけ、フェアゾーンにボールが飛びやすい形です。小柄ですが、スイングの弧も大きめで、しっかりと最後まで振り切れていました。スイングは鋭く、ひ弱さは感じられません。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げはそれなりにある割に、頭がほとんど動いていないのが良いところ。体の開きもなんとか我慢できてますし、軸足にも適度な粘りと強さが感じられます。内モモの筋肉も弱くないので、打球に強さが感じられます。 (打撃のまとめ) ボールを捉えるセンスや嗅覚に特別なものは感じませんが、打てる球をきっちり叩ける姿勢や技術はしっかりしています。小柄でも小さくなることなく、潔いスイングができている。そういった意味では、結構プロ仕様のスイングをしているように感じられました。 (最後に) 一塁までの到達タイムは、今年の候補でも屈指の能力がありそう。そして、その割にボールをキッチリ叩けるだけの打力を有します。あとは、プロレベルに混ぜた時に、埋もれないだけの 守備力・打力がどのレベルにあるのか? その辺を、もう少し見極めてみたいところです。指名されるかは微妙なところにはいると思いますが、これから都市対抗予選・本戦など、SUBARUの試合を観るときには、ぜひ注視したいと思わせてくれる好選手でした。 蔵の評価:追跡級! (2023年 スポニチ大会) |