23sy-18
井上 絢登(23歳・徳島IS)三塁&外野 178/83 右/左 (久留米商--福岡大出身) | |
前年から、全独立ーリーグでもNO.1の打者だろうとは思っていたが、まさかの指名漏れ。昨年と今年の違いは、粗かった打撃の確実性が向上したことと、外野だけでなく三塁手としての可能性を示せたことではなかったのだろうか。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁までの到達タイムは、左打席から 4.05秒前後 。このタイムは、ドラフト指名される左打者としては、平均~中の上 ぐらいの脚力で突出して速いわけではない。それでも、どんな当たりでも全力疾走怠らないプレースタイルの選手であり、盗塁数も14個を記録し次の塁を陥れ意識も忘れない。プロで足を売りにできるかは微妙だが、実際試合を見ていてもベースランニング含めて、結構なスピード感を感じさせてくれる選手だ。 守備面:☆☆☆★ 3.5 今年は、47試合を外野手として出場。三塁手としては、19試合だった。それでも失策は7個あるということは、かなり三塁手としての安定感は悪いのではないかと想像する。それでも三塁手としての打球の反応も良く、守備範囲も広い。ただし、安定感はけして高くないということなのだろう。外野手としても球際に強く、地肩もまずまず強い。上手い選手かは別にして、身体能力や動きの良さを持った選手なのは間違いない。そのへんの精度は、プロでさらに向上することを期待したい。 (打撃内容) 昨年は、68試合 13本 41点 打率.246厘 。主に一番を担った今年は、67試合 14本 39点 打率.312厘 。打率以外に大きな変化はあまり観られないように見えるが、長打率が .464厘から.570厘 とさらに引き上がっているところは注目したい。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前の足を引いて、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰の据わりや両眼での前の見据えるも良く、全体のバランスも取れている。何より、打席での集中力と気合の入り方が、変な気負いに繋がっていないのも良いところ。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下るときに動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けには、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。始動の観点から言えば、天性のスラッガーという感じではないのかもしれません。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を引き上げて、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」は取れていて、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応しやすい。アウトステップするように、内角への意識が強い感じがします。 踏み込んだ前の足も、しっかり止まってブレません。そのため、逃げて行く球や低めの球にも喰らいつけています。打撃をみる限り、上手くタイミングを図るといった、打撃の感性に特別なものは感じられませんでした。自分の打てる球を、逃さず叩くといった部分に優れた選手なのかもしれません。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形は自然体で、力みなくボールを呼び込めています。バットの振り出しも理想的で、インパクトの際にもヘッドも下がっていません。また、フォロースルーも使って、ボールに角度を付けて飛ばすこともできます。スイングスピードも速く、打球の速さにも目を見張るものがあります。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げはあるので、目線の上下動としては平均的。それでも体の開きは我慢できていますし、軸足の形も安定してます。内モモの筋肉も強そうで、強烈な打球を生み出す原動力になっています。 (打撃のまとめ) ボールを捉えるセンスというのには特別ものは感じられないものの、自分の打てる球ならば逃さず叩くといった「鋭さ」は持っています。強く振れるだけでなく、打球に角度を付けて飛ばすこともできますし、何よりボールに食らいつく姿勢にも好感が持てます。やはり、打撃には光るものを持っています。 (まとめ) 守備や走塁も、技術はともかく動ける身体能力があるのは間違いですし、前向きな姿勢が強く感じられます。打撃での精度も高まっており、この持ち味を損なわければプロでも異彩を放つことができる可能性があります。イメージ的には、吉田正尚(オリックス-レッドソックス)に近いタイプであり、球界にどんなインパクトを残してくれるのか、今から本当に楽しみな選手ではないのでしょうか。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2023年 アイランドリーグ戦) |