佐々木 俊輔(24歳・日立製作所)外野 174/80 右/左 (帝京-東洋大出身) 





 「守備・走塁は即戦力」





 打撃はともかく、守備・走塁に関しては、今すぐ一軍に混ざってもやって行けるのではないかと思われる 佐々木 俊輔 。23年度のプレーをあまり確認できなかったので、過去のものも交えて考えてみた。


走塁面:
☆☆☆★ 3.5

 一塁までの到達タイムは、左打席から4.0秒前後ぐらいと、ドラフト指名される左打者としては 中の上 ぐらいとめっぽう速いわけではない。それでも23年度に出場した 17試合(63打数)で7盗塁を記録。これを、プロのレギュラー並の400打数に換算すると、年間 44個 ペースなので、積極的に盗塁を仕掛けてくることがわかる。プロでこのようなペースで走れるとは思えないが、それなりに
足でもアピールできるレベルにはあることが伺われる。チームでも、1番で出場することが多い。

守備面:
☆☆☆☆ 4.0

 走塁以上に目をひくのが、守備の方。チームでは、ライトやセンターを担っている。打球への目測・落下点までの入り方、キャッチングなどでも
上手い部類。また返球を観ていても、かなりの強肩である印象を受けた。そういった意味では、より肩の生きるライトでの起用が多いのも納得するものがある。守備に関しては、今すぐプロに混ぜても見劣ることはないだろう。





(打撃内容)

 23年度の公式戦の成績は、
17試合(63打数) 1本 6点 打率.333厘 。打数(目安は80打数ぐらいは欲しい)が少ないのであれだが、社会人の場合、打率3割5分 を越えると一流、4割を越えると全体でも年に数人程度しかいないトップクラス。こう考えると、けして社会人の中で突出しているといったほどではない。ちなみに22年度は、打率.316厘 だったので、2年目で数字を伸ばしてきたことが伺われる。打撃は、今年のプロアマ交流戦の模様を参考にさせて頂いた。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前の足を少しだけ引いて、グリップを高めに添えます。腰を深く沈めて、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスとしては並ぐらいだろうか。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が沈んだ底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、中距離ヒッターや勝負強さを売りにする、ポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングだと言える。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げて、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。アウトステップするように、内角への意識が強そうだ。踏み込んだ前の足は、しっかり止まって動かない。したがって逃げて行く球や低めの球には、食らいつきやすい。

<リストワーク> 
☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れ難い。ただし、結構ボールを呼び込む際に
肩が中に入り込んでいるので、内角の球へは、バットが出難いのではないのだろうか? また、バットも寝せて出してくるタイプなので、余計にそんな印象を受ける。

 インパクトの際に
ヘッドを残して、広い面でボールを捉えようといったタイプ。したがってタイミングが合えば、フェアゾーンにボールは飛びやすい。スイングの感じだと、けして打球に角度を付けてというよりも、長打も二塁打や三塁打など、野手の間を抜けて行くタイプではないのだろうか。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 非凡なのは、
頭が動かず目線が安定していること。体の開きも我慢でき、軸足の内モモにも、適度な粘りと強さが感じられる。好打者ではあるが、けしてひ弱なタイプではない。

(打撃のまとめ)

 特にボールの呼び方などを観ていると、打撃に特別な感性は感じませんでした。また、肩が入り込むことで内角のさばきはどうなのかな?という疑問は残ります。そういった意味では、真ん中~外側のゾーンの球を、逃さず叩くことを意識したスイングなのではないかと思いました。


(最後に)

 
守備・走塁に関しては、一年目から一軍でもやれるものがあると思います。そういった意味では、オープン戦などで積極的に起用され、結果を出すことが期待されます。ただし、打撃に関しては、それなりには二軍レベルの投手ならば結果を残せるかもしれませんが、一軍で起用して行くというほどの魅力があるのかは微妙な感じはします。代走・守備固め要員として一軍に置いておきながら、時々打席のチャンスをもという起用であれば、一軍にいられるかもしれませんが。そのため個人的には、指名的にはボーダーレベルの選手かなといった印象で、もし今年ちゃんと観ていても、(支配下級)を付けるか付けないかぐらいの評価にとどまった気がします。23年度の試合の模様を、充分には確認できず評価するほどの材料は揃っていないということで、評価的には 未確認 扱いとさせてください。


(2023年度 プロアマ交流戦)